RECRUIT BLOG
2026/04/08/水
コラム
これまで仕事などの取り組みで、自分を良い成果に向かわせるためのツールとしてきたものがあります。
それは自分を戒める”NGワード”です。
使い方としては、何かに取り組んでいるプロセスにおいて、取り組み方や意識、アウトプットがNGワードに当てはまっていないかを自分でチェックして、当てはまっている場合には軌道修正を行うということです。
NGワードという形でなくても、ダメな取り組み方について理解していれば良いようなものですが、印象に残りやすいワードになっていることで、戒めの効果がより強くなると感じています。
内容としては、先輩や上司から教えてもらったもの、会社のなかで共通言語として使われていたもの、世間で言われているものを自分で拾ったものなど、私のなかに入ってきた経路は様々ですが、その経路別に順に紹介していきたいと思います。
(1)マッキンゼーで社内用語のように使われていたもの
マッキンゼーは印象に残るキーワードを社内に普及させて、仕事への取り組み方や、価値のあるアウトプットの共通理解を醸成する会社でした。アメリカ発祥の会社だからなのか、マッキンゼー特有なのかは、残念ながら他の会社での経験が乏しいので分かりませんが、私の仕事に対する考え方に大きな影響を与え続けているキーワードがたくさんあります。
・トントン大工
「金槌しか持っていない大工は、なんでも釘をトントン打って作ろうとする」。そんな大工さんのことです。もちろん、そんな大工さんはいませんが、これは、自分の持ってる道具からのみ行動を発想することや、必要な道具を持たないまま取り組むようでは、まともな仕事はできないという例え(戒め)です。
個人であれば、仕事で必要な知識や方法を豊富に持ち、その時々で目指すものに合わせてツールを使いこなさなければいけない。また、必要なものを持っていない場合には、用意してから取り組まなければならない、ということです。会社であれば、お客さんのニーズではなく、自社が売りたい製品を無理やりお客さんに押し付けるような事業をしていては発展しないし、お客さんから必要とされず、社員のやる気も上がらないということになりそうです。
自分や会社が「トントン大工」になっていないか?いま自分が持っているものだけから発想していないか?と常に警戒するためのわかりやすい言葉(イメージ)だと思います。
・コインの裏返し
問題が起きているときに、表面だけ見て個別に「それを改善すれば良い」と対症療法的に発想することを表す言葉です。例えば、Aという商品が売れていないことが分かったときに「Aの売上を伸ばさなくてはいけない」「Aの宣伝を強化しよう」とか「営業部隊にA商品の営業強化を指示しよう」という解決方法を提案したりすると「それじゃあ”コインの裏返し”じゃない」と叱られます。
コインの裏返しではなく、Aはなぜ売れていないのか、ということを深く分析することや、Aがたくさん売れることが会社にとって良いことなのか? そもそも、「売れていない」とは何を基準に判断するべきなのか? などを考え、それを調べることなど、その現象の背景にあることを深く考えることが必要となります。
このように、現象だけでなく、背景を含めた全体を見る、深く考える、などが出来ていない姿をチェックするために「コインの裏返しになっていないか?」と意識することは大切だと思います。
・Motherhood(マザーフッド)
普通の英単語としては「お母さんを大切にしよう」という意味ですが、
「正しくて誰も反対しないけど当たり前過ぎて、個別性や際立った違いを出せるような価値がない」ということを例える意味で使われていました。
表面的な分析からありきたりな結論を出していたり、ただ教科書に書いてあるような提案を「それってマザーフッドじゃないの?」と叱られた覚えがあります。
・So what?
これは前に人事ブログでも書きましたが、意味合いは何?、だから何?、という意味で、調べたことをそのまま報告して、その意味合いや、次のアクションにつながるような分析や、思考、アクションなどがないときに容赦なく飛んでくる言葉です。何かを考えるたびに「So what?」はなんだろう?そもそも、あるのか?とい形で常に頭に置いています。
過去ブログ→https://mediva.co.jp/recruit/blog/column/14727/
(2)上司、先輩から教えられたこと
メディヴァの前に2社で約12年仕事をしましたが、その間に仕事をした先達から多くのことを教えてもらいました。特に前職は、創業社長のもと、尖った事業内容で短期間に成長した会社で、そこで学んでその後の指針となった言葉、概念も多くあります。
・出来ない証明
前職でご一緒した大先輩から聞いた話です。その方は私が最も影響を受けた方の一人ですが、日本を代表する世界企業の経営陣まで上り詰めてから前職のベンチャーに転職して来られました。
若い頃に上司から取り組むように言われた仕事をしているなかで、その実現が難しい理由をを説明しているときに一言、「おまえ、出来ない証明しようとしてるんだったら、永遠にやっとけ」と言われたそうです。
そこでハッとして、出来ない証明することに力を使うよりも、出来るにはどうするかを全力で考えるべきだと気付いて、それから仕事への取り組みを完全に変えたそうです(そしてトップ経営者まで上り詰めた)。
確かに私たちは、気が付くと「この実現がいかに難しいか」を力説していることがあります。そして、それを免除されるとホッとしたりします。ときによってはそれが必要なこともあるかもしれませんが、そればかり続けていると価値ある成果は実現できないでしょう。
ついつい後ろ向きになったり、出来ないことを正当化する頭の動きになっているときに「出来ない証明しててもしょうがない」と切り替えることができれば、また前向きになれるかもしれません。
・妬み、僻み(ひがみ)、捨て台詞
これも前職で大変お世話になった方からの教えです。その方も仕事で知り合った取引先の大先輩から教えてもらったそうです。
妬み、僻み、捨て台詞、この3つは社会人が絶対にやってはいけない3大タブーだということです。内容についてはあまり説明はいらないと思います。これは「やってはいけない」というよりは、やると自分の評価を下げ、回り回って自分が損をする、というようなことかもしれません。
・本気じゃない
これは前職で言葉として明示されていたわけではないですが、概念として脈々と流れていたことです。言葉は私の感覚として使っていたものです。
仕事で何かを考える時に「本気」と「本気じゃない」の2種類が存在する、ということですが、本気じゃないというのは、本当に最後まで自分の責任でやって成果を得るところまで考えていない、ということです。
思考、判断するときに人は往々にして「言われたことをやっている」「言われたようにやっている」「なんとなく材料を集めて、それなりに良さそうなことに決める」ということが多いと(自分も含めて)感じました。
しかし、そのように考えたことは、最後まで実行していったときに、結局はものにならないことが多く、もしできたとしたら単にラッキーだっただけでしょう。
考える時点で、「その考え・やり方で、本当に目指した成果が出ると思うのか?」という基準で何事も考え切ること、言葉としては、「それ本気で考えてる?」といった感じで自分に(たまに他人にも)チェックを入れるようにしています。
(3)世間で言われていることや、自分の仕事のなかで自然と定着したもの
この他に、いつどこで私の中に入ってきたかは不明ですが、仕事のなかで常に頭にあるNGワードがあります。言葉としては普通に世間で使われているものですから、それが仕事でよくあるケースに当てはまるということで自然と頭に定着したものだと思います。
・子供の使い
言われたことをただやっているだけ、
右から左に伝えているだけ、
見えている範囲の影響しか考えていない、
結論まで考えない、、、
こういったことは付加価値がなく、発展してない、完結していない仕事だと思います。
「子供の使い」になっていないか?という言葉が戒めとして頭に浮かびます。
・モグラ叩き
問題が出てくるたびに、一つ一つを叩いているだけで、根本的な解決に意識が向いていないことの例えです。一つずつ叩いている場面では前述の「コインの裏返し」と似ていますが、一つずつ叩くということを延々と続けていて、構造的、根本的な解決に手が付かない状況に対する戒めとして使うようにしています。
・一般論/ 教科書に書いてあること
現象の観察 →原因の追求(→原理の適用)→判断・結論 →実行、という道筋を踏まずに取り組んでいることに対する戒めです。
何かを考える時に、一般的に良いとされているから、教科書に正しいから、誰かが言っていたから、ということで判断する意識は、油断するとすぐに頭に忍び寄っています。
毎回しっかりと現象を見て、個別的に考えて解決しようとしているか?という戒めは大事だといつも思っています。
ーーー
以上、10のNGワード=自分を律するツールを紹介しました。
これらが常に正しいと言っている訳ではなく、私が良いと思う取り組み方に自分を向かわせるためのNGワード集と捉えていただければと思います。
一連を振り返ってみて、自分が良しと思っていることは、以下であると理解しました。
・現象を観察して、個別的に考えること。
・目的に応じて手段を考えること、無ければ用意すること。
・目先のことだけでなく、広い範囲の影響を考えること。
・行動して結果を得るところまで到達してこそ価値があること。
・自分の力で独自の価値を出すこと。
・潔いこと、人を嫌な気持ちにさせないこと。
一方で、仕事を離れたところでは、自分のなかに違う考えがあることにも気付きました。
・目的を持たないこと、楽しさを追いかけることも大事。
・行動→結果だけが価値ではない。探求、プロセス、理解、共感などにも価値がある。
・独自性があることは素晴らしいが、いつでも独自性だけにこだわるのは疲れる。
、、といったことです。
仕事のなかで作ってきた自分と、ありのままの自分が組み合わさることで、現実の自分が出来ていることに気付けたことはなかなかの収穫でした。仕事というのはありのままの自分を律することが必要なもので、それがある種の成長に繋がるのかな?という考えも浮かびました。
自分なりのNGワードや、その逆(OKワード?)などを作ってみると自己分析に役立つかもしれませんね。
筆者プロフィール
岩崎克治 Katsuji Iwasaki 株式会社メディヴァ取締役
大阪大学大学院 情報工学分野 修士課程修了。
マッキンゼー・アンド・カンパニーのコンサルタントを経て、1997年に(株)インクス入社。ITによる高速金型事業の立上げ、クライアント企業の製品開発プロセス改革等に従事。2002年メディヴァに参画。
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