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2024/07/29/月

コラム

今も人生に影響を与え続ける So what? の衝撃

もう25年以上も前のことですが、新卒でコンサルティングファーム(マッキンゼー)に入ったときのことです。

マッキンゼーは新人を教育するのに、重要なコンセプトや考え方を明快にキーワードとして打ち出すことでそれを浸透させるのがうまい会社でした。いまから思えば外資系の会社らしかったということなのかもしれません。

中でも私が衝撃を受けたのは、So what?の一言です。日本語で言えば「それで何なの?」「だから何?」という感じで何かの事実や出来事があったときに、それが何を意味するのか、だからどうすればよいというのか、などを問う言葉です。

言葉自体はありきたりなものでしょうが、どんなときにも全てのことに対してそれを問う態度が求められるということが衝撃でした。それまで日常生活でも大学、大学院での研究においても、意味合いを考えることはありましたが、全てのことに必ずそれを求める感覚は持っておらず、その時の衝撃は今でもよく覚えています。

マネージャと仕事で話をしていて、「○○ということが分かりました」と調べた事実だけを報告したりすると、「So what!」(プラスもっとキツかったり汚い言葉が付属することも。。。)と飛んできます。○○が分かったとして、それが何の意味合いやアクションにつながるのか?と厳しく問われるわけです。「So what?は何なのかな?」と名詞形で穏やかに使われることもありますが、意味合いやアクションにつながらないとダメという点は常に同じです。

それ以来ずっとその衝撃と、So what?を問う習慣は私の中に根付いています。あくまでも自分の体感ですが、25年間それを持ち続けた場合と、持っていなかった場合だと、仕事の成果や生産性などにかなり大きな差がついているだろうな、と思います。

笑い話で、家族や親しい人との会話でSo what?と問い詰めていては関係が破たんするいうことも言われていましたが、それについては、So what?を何に対して問うのか、という幅を広げることが重要だと思っています。「生産的な目的」というようなことだけに問うのではなく、相手の気持ちに対してもSo what?を考えて配慮するとか、相手が意識できていないSo what?を推測するとか、そういう部分がでてくると、仕事以外の広い範囲に関してプラスになるのではないかと思います。

例を上げれば、家族や友人が何かの話をされたときに、具体的な解決策を求めているとしか考えず、問題解決に乗り出すべくSo what?を突き詰めたりしては上手くいかない場合があります。解決ではなく、気持ちを鎮めたいとか、ストレスの発散がSo what?ということもよくある訳で、その場合は、ただ聞くとか共感するとか、相手が言ったフレーズを繰り返すことなどがアクションとして求められるのだと思います。

いずれにしても、たった一つの言葉・考え方が人生に影響することがあるのだ、ということに今更ながら感じ入ります。これからも、人生に影響するような(25年前のSo what?に匹敵するような)ものの考え方、捉え方に出会うかもしれないので、敏感にアンテナを立てておきたいと思いますし、できれば誰かにそんな何かを提供できる自分でありたいと思っています。

 【過去ブログ発掘シリーズ】(初出 2016年6月)

筆者プロフィール
岩崎克治 Katsuji Iwasaki 株式会社メディヴァ取締役
大阪大学大学院 情報工学分野 修士課程修了。
マッキンゼー・アンド・カンパニーのコンサルタントを経て、1997年に(株)インクス入社。ITによる高速金型事業の立上げ、クライアント企業の製品開発プロセス改革等に従事。2002年メディヴァに参画。

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