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2025/05/02/金
コラム
人事ブログのテーマは、メディヴァ採用チーム内で要望やアイディアを出し合って検討していますが、「コンサルタントになるために理系か文系かは関係があるのか?」というテーマが寄せられましたので、考えてみたいと思います。
理系と文系という区分けは日本独特のものだ(=グローバルスタンダードじゃない)というようなことも聞きますが、世間で言われているからには何らかの違いがあるのだろうと思いますので、そこから考えてみたいと思います。
【理系、文系は何が違うのか?】
理系、文系がどう違うのかですが、まずは高校までの学校の教科のなかで「理系科目」「文系科目」とされているものが基準になりそうです。
理系=数学、理科、情報
文系=国語、外国語、地理歴史、公民
もう少し踏み込んで、「学問」としての違いの本質から考えてみると以下のような感じになるでしょう。
理系:
(対象)自然現象や物理的な現象を対象とする。
(手法)数学や論理的因果関係によって厳密に現象を解明していく。
(目指すこと)再現性を持った技術の構築。
文系:
(対象)人間や社会現象、その歴史などを対象とする。
(手法)論理的な解明、説明を目指すが、解明仕切れない部分は推測などを用いる。
(目指すこと)人間や社会についての、新しい見方、社会を作るための新概念の構築。
【本質的な違いはどこか?】
しかし、よく考えてみると、どちらも解明については根拠や論理をもとに正しさを示すことが求められており、実は考え方は同じだと思います。実際に文系に分類される経済学は数学を駆使します。
できる限り同じ手法で解明することを目指すものの、実験や数学で厳密に解明できるものと、人間や社会現象など複雑で膨大であり、厳密に解明したり、技術を構築することが難しいものとが分けて考えられたのだと思われます。そう考えると、違いの本質は「厳密性」にあるのではないかと思います。
現実の世界に目を向けてみると、理系的な思考や技術で作られている自動車やコンピュータなどは、故障していない限り必ず同じ動作をすることを求められます。
一方で、文系で扱われる社会制度や人間の心理などは、その時々によってうまく行ったり行かない不安定なもので、常に試行錯誤や修正をしていくものです。また、人の「心」の部分をいかに捉えるか、そこにいかに訴えるかという面も重要になってくるように思います。
【コンサルタントへの向き不向きに関係があるのか?】
それでは、コンサルタントへの向き不向きと、理系・文系には関係があるのでしょうか?
まずはコンサルタントの仕事の性質でこの命題に関係する性質は何か?を考えてみたいと思います。
コンサルタントは、
(1)数字や論理をもとに成功確率が高い方法を考え、クライアントに説明して了解を得ることが必要。
(2)対象としては、マーケット、組織、人(顧客、従業員など複雑で膨大なものを扱う。
(3)分析や論理だけから答えが出ないことも多く、「意志」や「願望」をもとに方向を決め、関係者の合意形成を行うことも必要となる。
これらをみたときに、(1)に焦点を当てると、やはり理系的な思考や手法に習熟している必要がありますが、(2)(3)をみると文系的な思考も必要となりますので、どちらかに偏ってしまうと役割を果たせないだろうと思います。
すべてを数字や論理だけで解明して答えを出そうと思うと、重要な要因を切り捨ててしまうことになりかねず、そうなると成果を出すことが難しくなります。一方で、扱うものが膨大、複雑であり、論理的に扱うことが難しいからといって、最初から諦めてしまうと、大きな誤りを犯す可能性が高まると考えます。
【結論】
ここまで考えてきたことから、コンサルタントになるためには、
・理系的な思考ができることは必要。
・しかし、限られた範囲を厳密に解明、構築するだけでは足りない。
・理屈だけで答えが出ない部分を、推測で補う思考も必要となる。
・合意を形成するために、人の意思や心を考慮に入れることも求められる。
ということで、結論としては、両方が必要であり、どちらかに偏りすぎることはマイナスになりかねないと思われます。
自分を理系と文系といったステレオタイプに分類することで、一方に偏ることなく、果たしたい役割に求められるものを見つめながら自分を成長させていくことで、良いコンサルタントを目指せるでしょう。
また、考えてみればこのことは特にコンサルタントに限ったことではなく、良き「仕事人」となるために誰もが心掛けることで自分を成長させ、将来の可能性を広げることにつながると思います。
メディヴァは常に、一緒に医療を良くしていく仲間を募集していますので、興味を持たれた方はぜひご連絡をください。(岩崎克治)
筆者プロフィール
岩崎克治 Katsuji Iwasaki 株式会社メディヴァ取締役
大阪大学大学院 情報工学分野 修士課程修了。
マッキンゼー・アンド・カンパニーのコンサルタントを経て、1997年に(株)インクス入社。ITによる高速金型事業の立上げ、クライアント企業の製品開発プロセス改革等に従事。2002年メディヴァに参画。
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