RECRUIT BLOG
2025/05/20/火
カルチャー
「人生を戻って再スタートできるとしたら何歳に戻りたい?」
「いまの自分を作っているのは過去のどの出来事なんだろう?」
こんな問いを自分に投げかけたり、色々な人と意見を交わすことが私のちょっとした趣味です。
それによって、普段はしないような会話に発展したり、自分や相手をより深く理解することにつながると感じます。
そこで、メディヴァの社員に聞いてみることで、社員の雰囲気を描き出せれば意味があるのではないか?と思い社内アンケートを実施してみました。
思い出したくない過去や深い後悔に繋がることを避けたいと思い、少し質問をライトにして
「もし10歳の自分にひとこと伝えられるとしたら、何を伝えますか?」と投げかけてみました。
(「そのアドバイスによってその後の人生が変わる可能性があります」という前提条件を付けました)
回答には、それぞれの価値観や人生の学び、ちょっとした後悔や笑えるようなエピソードが詰まっていて、とても興味深いものでした。皆さんが子どもの頃に感じていた不安や希望、それらにどう向き合ってきたのか?など、抽出できるメッセージごとにまとめてみました。(補足のコメントも任意で付けてもらったので、そのコメントも参考にしました)
メッセージ(1)「チャレンジする勇気を持とう」
「試してみることに失敗はない。人生とは行動すること」
「常にチャレンジし続けて!」
「すぐにやめたっていい。ちょっとでも気になるなら、どんどんチャレンジせぇ!」
「やりたいと思ったことに、もっと素直になって」
「ちょっと難しいなと思うことも、自分を信じてやり遂げるとそれは本当に大きな力になってくれます」
多くの人が10歳の自分に「挑戦してほしい」と伝えていました。子ども時代に挑戦しきれなかったことが今になって「もったいなかったな」と感じるようです。でも、それらはただの後悔というわけではなく、今の自分がいるから、あの時の自分に勇気を送りたい。そんな気持ちも感じられました。
メッセージ(2)「自意識や周囲の目から自由になろう/自己肯定感を育てよう」
(幾つか通っていたの習い事に対して)「恥ずかしがらず、もっと練習しなさい!」
「周りの目がすごく気になってしまうんだよね。でも、みんなは君が思うほど君のこと見てないよ(笑)」
「人と比べず、自分のタイミングで成長していい」
「周りの期待に応えすぎなくていい」
「自分の特徴を理解しよう。性格や感じ方は動かせないけど、どう活かすかにフォーカスしたら、あなたにしかできないことが見えてきます」
他人の目を意識しすぎないで、周囲の期待に悩みすぎないで、といった声や、それは自意識からくるものだといったアドバイスもありました。なかには「いま穏やかに幸せに生きているけど、自信がなくて自己肯定感が低いことに悩むところもあります」という吐露もありました。
子供にとって周囲の影響、周囲の目を意識しすぎること、自意識ゆえの躊躇などが大人の目から見るともったいないブレーキに感じられるようです。さらに、このことは大人になってからも生きる上でとても大切なポイントだと思います。
メッセージ(3)「自分の気持ちに正直に/興味やワクワクを大事に/言葉に出すことも大事だよ」
「人生の岐路では、ワクワクする方へ」
「そのまま好きなことを思いっきり追いかけてください。」
「もっとわがままでもいい。自分の心の声に耳を傾けて本当にやりたいことを優先して。好奇心を持って楽しむことが自信になって、豊かな人生になると思うから」
「自分がやりたいこと、やりたくないことを素直にお母さんに伝えてみて。「ダメ」と言われても諦めず、どうやったら伝わるか、納得してくれるかを考えることが大切。気持ちを吐き出すこと自体に意味があるから!」
「中学受験するか悩んでるくらいならすぐに始めた方が良いよ。あの時の自分の気持ちに正直じゃなくて、6年生から始めた自分に後悔するよ」
「うつつの人の世で価値は移り変わるので自分の好きに生きたらいいと思います。好きな道のなかでふと拾った何かが、冬のポケットの石のように、あなたの手にそっと温もりを残してくれることもあるでしょう」
補足コメントで「引っ越したくない」と言えなかった体験を書いている人もいて、子供の切ない気持ちにこちらも切なくなりました。自分の気持ちを言葉にすることは大人にとっても難しいものですが、大切なことですね。
メッセージ(4)「未来の「私」のためにやってほしいことがあるよ」
「夏休みの宿題はタイムマネジメントの課題だよ。ちゃんとやるんだぞ!」
「(目指せ全国制覇)でも、日焼け止めはちゃんと塗ってね!」
「未来の僕への贈り物として、日記に感じたこと考えたこと、“夢”を素直に書いてほしい。僕があなたの成長を振り返れるように。」
「毎日塾に通うという理由から、嫌々通っていた書道教室と華道教室を喜んでやめたよね。続けたほうがいいよ。」
「小説からビジネス書まで幅広く本を読んでください。歴史、科学、哲学、経済、アートなど何でもいいから多分野に触れることで世界が広がり視野が深まります。教養をあなたの武器にしてください」
あれをちゃんとやっておいたほうがよかった、あれはやめないほうがよかった、という声も多くありました。字の汚さを悔やんだり、続けていれば今とは違う得意が育ったかもなどです。後悔という側面もあるかもしれませんが、10歳の自分に伝える形だからか、優しさが感じられる文面が多くみられ、今の自分に置き換えると「将来の私のためにやろう」という気持ちが湧いてきそうです。
なかには「GoogleやAppleなどの株を購入するよう親に要望すること(笑)」という実用的なアドバイスもあって笑いました。
メッセージ(5)「大人になって見えてくることや大人の知恵を伝えます」
「人から何かをもらいたいなら、まず君から与えてごらん(笑顔も悪口も、喜びや悲しみも…)」
「スポーツを通してできる仲間は一生の財産になるよ。」
「大人になっても繋がれる友達をたくさん作っておくこと(信頼できる友達を作っておくことは大事だよ)」
「所属する場には表に見えるルールと見えないルールがあることをよく知っておきましょう」
「自分がやりたいことを不自由なくやらせてもらっている非常に幸せな環境に居ます。やりたいことを何も気にせずやれる、チャレンジできる環境がどれだけ幸せなことかと今とても感じます。今の環境・人に感謝して毎日過ごしてね!」
「自分で感情のコントロール、人との衝突は疲弊するので避けましょう」
「世の中には色々な価値観があるので、柔軟に様々な角度から物事を見てほしい。それと一人で生きるより、パートナーとの結婚は楽しいものです。それも選択肢の一つにいれてくださいね」
大人になり、様々なことを経験すると見えてくることを10歳の自分に伝える内容も多くありました。10歳にどこまで理解されるかは難しいところ?と思いつつ、そういえば大人が言っていた難しげなことが頭の片隅にあり、先になって自分に影響を及ぼしたこともあったな、と思い返しました。
メッセージ(6)「そのまま進めばいいよ」
「将来のことなど考えずに思い切り友達と遊んだり野球に熱中してたね。不安もあると思うけど、そのままでいいよ、必要なことにはその都度ちゃんと気づけるから」
「サッカークラブの友達は君が中学受験を始めたからって仲悪くはならず、いつまでも友達でいてくれるから心配しなくて大丈夫」
「小学生の時、未来に役立ちそうな習い事をしなくていいのかな?なんてお母さんに聞いていたよね。大人になって分かったけど、大丈夫!今を思い切り楽しんでね。」
迷っていたり不安に思ったりした当時の自分に「そのままでいいよ」と語りかける内容も多くみられました。子供ならではの先に対する不安も、大人になって振り返れば杞憂という場合も多いのでしょうが、それは成長のプロセスでもあるのかなと思いました。
最後に、アドバイス「無し」との回答があったこともお伝えしておきます。以下のように補足のコメントがありました。
「アンケートの前提条件として、アドバイスによって人生が変わる可能性があるとのことなので、アドバイスはしないでおきたいです。
理想通りの人生を歩めているわけではないですが、今の家族や今とこれまでの仕事などには満足しているので、それが変わってしまうリスクを負いたくないなと思いました。もっとこうだったらいいのになと思うことは多々ありつつ、改めて考えるとそれなりに良い人生を歩めているのかなぁと思います。」
一方で、補足コメントに
「失敗の多い人生ですが、それも含めて自分。どんな私も私なので(これを聞いて人生が変わったとしても)次に目が覚めた時の人生を楽しみたいと思います」
という回答もありました。
どちらもとても良い考え方だなーと印象に残りました。
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いかがだったでしょうか。
このアンケートを通して見えてきたのは、「過去の自分に届けたいメッセージ」は、実は今の自分自身に伝えたい言葉でもあるということです。失敗も後悔も、そしてその先の学びも含めて、「今の自分」がある。それを肯定しているからこそ、皆が愛情を込めて“10歳の自分”に語りかけているように感じました。
社員たちがどんな人柄なのか、少しでも伝われば嬉しいです。そして、読んでくださった皆さんにも、子どもの頃の自分をふと思い出し、今の自分のためにもなる思いを引き出すきっかけになればとても嬉しく思います。(岩崎克治)