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2023/10/27/金

コラム

メディヴァが未経験でも医療コンサルタントを募集する理由

 メディヴァは2000年の創業からずっと、未経験者を医療コンサルタントとして迎え入れてきました。基本的に募集する際には未経験可と要項を定めています。
 「未経験」の意味は厳密には医療コンサルタントをやったことがない人、という意味ですが、それに限らず、コンサルタント未経験という範囲でも、医療機関での企画や事務系について未経験という範囲でも受け入れてきました。

面接の場で「どうして未経験者を採用しているのですか?」「未経験者であっても医療コンサルタントをできますか?」と質問をいただくことが多いので、なぜ私たちが未経験者を受け入れてきたのか、また受け入れることが可能なのかについてご説明したいと思います。

未経験者を受け入れている理由を端的に言えば、医療の世界でコンサルタントとして変革をリードする役割を経験している人は滅多におらず、本当にぴったりの意味での経験者は少ないということです。

20年以上前には医療コンサルティングを事業として成り立たせている会社は世の中に見当たらなかったので、当たり前のことでしたが、医療コンサルタントという言葉がかなり広がった今でも、人数としては非常に少ない状況ですから、仲間を募ろうとすれば必然的に、未経験者を対象とせざるを得ません。

では、未経験者でも医療の変革をリードするコンサルタントになることが可能でしょうか?

これについては、創業時のメンバーが全員、医療分野でのコンサルタントとしては未経験から、適応しながら事業とコンサルティングに取り組んできたという経験値があります。その後も基本的に未経験者の仲間が集うことで事業を作ってきた経緯がありますので、私たちには可能であるという感触があり、これまで継続してきました。

そもそもで言えば、メディヴァが目指す患者視点の医療変革については、前例やお手本のようなものがない中で、マニュアルや簡単な方法論に則ってできるものでもなく、手探りと実践の積み重ねの中で進んできたので、経験に頼ろうという発想がほとんどありませんでした。

経験者かどうかではなく、「切り拓ける人」かどうか?を基準として仲間を募ってきました。

「切り拓ける人」とは、その力が経験からきているか、努力からきているか、才能からきているか、ということは抜きにして、未知の状況から目指すものを達成する能力を持つ人です。

その能力は、医療に特化したものでも、コンサルティングに特化したものでもなく、もっと広く汎用的な能力で、私たちが最も重視しているのはこのことです。

切り拓く力はさらにいくつもの要素に分解できると思いますが、主なものを挙げると以下のようなものになると思われます。

・複雑で因果関係がわかりにくい事柄を理解する能力
・新しいものを発想、想像して創り出す能力
・細かいことを含めて構想、計画する能力
・チームで協調しながら成果を出していく能力
・多くのメンバーを引っ張っていく能力
・未知で不確実な状況への耐性と対応能力
、、、

そういったものをできる限り備えている人を望みますが、全てが既に花開いている必要はなく、経験者でないことを想定すれば、むしろ顕在化していないものの方が多いかもしれません。 

いずれにしても、何らかの形で顕在化しているもの、潜在的に持っている力を合わせて総合的に判断させてもらうことになります。

同じ分野で全てが顕在化している方、つまり即戦力の経験者以外の場合は、他の手段でそれらを見極めていく必要がありますが、本当に見極められるのか?と疑われるかもしれません。確かにこれはとても難しいことだと思います。

いくつか方法論を挙げると、

【顕在化したもの】
 求めるものとぴったりの状況でなくとも、仕事、仕事以外を問わず、方向性として似た状況をどれくらい経験しているか?を確認することで顕在化した能力はかなり捉えることが可能です。似た状況での経験を確認し、それらの中で、どれくらいの実績をどうやって出してこられたかを確認させてもらうことで見えてくるものがあります。

その方の能力が顕在化している割合は年齢による部分もあると思いますので、その辺りは考慮します。年齢が高めで仕事経験も多い方には、他の分野であっても能力の顕在化≒仕事での成果・実績について求める割合も大きくなるように思います。

【潜在的なもの】
 潜在的な能力については、もう少し確認が難しくなります。上記のような能力をさらに分解したものや、その断片的な現れなどを、個々に確認して推測することになります。分解したもの、断片的なものであれば、小さな日常の状況にも見出すことができるはずです。

それらは、言葉のやり取りの中で捉えたり、意図された質問の答えから確認させてもらいます。

【本人の認識】
 上記のような、事実の確認だけではなかなか捉えきれない場合もあります。このような時には、ご本人がどのように認識されているかを直接的に尋ねる場合もあります。「◯◯のような場合に、xxといった対応ができますか?」といった形に能力を想定した場面や設定に落とし込んで質問します。この場合は望ましいと思われる回答を出したくなる気持ちも働くでしょうが、実際と異なる答えをされても、より具体的に聞いていくことにより実際を確かめることができると思っています。

上の3つと少し違う視点では、お答えの中に、その能力の認識、捉え方が現れていますので、そこに注目します。現在の時点では出来ていなくても、正しい形で認識されている場合には、今後できるようになる可能性はより高いといった判断をする場合もあります。

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このように、面接の対話の中で顕在、潜在の両面から能力面を見させていただき、経験者・未経験者という枠組みとは異なる切り口での判断を行なっていきます。

ただし、一度の一人との対話だけで見極めることは難しいと思うので、複数のメンバー、様々な角度や課題意識から対話をお願いすることが多くなります。

また、能力だけではなく、医療という分野や、私たちの目指しているものへの共感や、共感するものにコミットしていくようなキャリア観、価値観といったものも重要になりますので、その辺りも対話の中で確認させていただくことになります。
世の中は、「経験者で即戦力」ということをとても重視するようですが、私たちは上に述べたような少し違った枠組みの中で可能性を見させていただいています。

未経験という理由だけで門前払いすることはありませんので、チャレンジしたいと思われたらぜひ応募を検討いただければと思います。

その一方で、ここに書いた内容を少し大変に感じられる方もおられるかもしれませんが、ご自分で気づいていない可能性を見出すお手伝いができる場合も多々ありますし、お互いのマッチングが大事なので、肩の力を抜いて対話するような気持ちでコンタクトしていただければと思います。

最後に、今回は医療コンサルタントを題材としてお話ししましたが、その他の職種について、例えば保健師、管理栄養士といった専門職や、産業保健コンサルタントなど他分野のコンサルタントなどについても同様の考え方は根底では共通しています。メディヴァが多くの募集で「未経験可」としている真意が少しでもご理解いただければ嬉しく思います。(岩崎克治)

筆者プロフィール
岩崎克治 Katsuji Iwasaki 株式会社メディヴァ取締役
大阪大学大学院 情報工学分野 修士課程修了。
マッキンゼー・アンド・カンパニーのコンサルタントを経て、1997年に(株)インクス入社。ITによる高速金型事業の立上げ、クライアント企業の製品開発プロセス改革等に従事。2002年メディヴァに参画。

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