2025/01/22/水
大石佳能子の「ヘルスケアの明日を語る」
もう1月も後半になってしまいましたが、2025年もどうか宜しくお願いします。
年始早々、タイに出張しました。
タイはまだ高齢化率が20%程ですが、2030年には日本の約30%に追いつくと言われています。工業化と都市化で伝統的な家族介護も崩れつつあり、昨今政府は急激に高齢者介護に力を入れ始めているとのこと。介護保険制度を作る予定はないですが、国の保有する土地を安価で払い下げることにより、高齢者施設の建設を促しています。
今回は現地の財閥に呼ばれ、パタヤ、カオアイ(軽井沢のような保養地)、チェンマイ3か所の候補地も見に行きました。
ヨーロッパや日本からタイに移住し、老後を送る人もいると聞きますが、海岸沿いに立って沈みゆく太陽を見ていると、ここでの老後もいいな、と思いました。施設が出来たら、自分用に予約しようかしらん、とも。写真は海岸沿いの予定地に立つ私です。
タイの詳細はまた別稿で書かせてください。
さて、2025年はメディヴァ創業25年の年です。
2000年の6月に創業し、12月に用賀アーバンクリニックを立ち上げました。当時オフィスは渋谷にありました。小さなマンションのワンルームを借りていました。部屋番号は109号(とうきゅう)でした。
まずは一つ目のクリニックを作るための資金集めが必要で、暑いなか、あちこち回ったのを覚えています。部屋番号がご縁だったのか、東急電鉄が出資してくれました。
創業から四半世紀も立ちました。読者の方には、四半世紀前には生まれていなかった方もいるかもしれません。
四半世紀のうちに、メディヴァは「無人島に街をつくる」という標語のもとに、様々なことに取り組んできました。
「無人島に街をつくる」は、「何もないところに、世の中にないものを構想し、創り上げる」ことで、「患者視点の医療改革」を行う上で大変大事にしているコンセプトです。
一番初めの「無人島の街」が用賀アーバンクリニックでした。徹底的に患者さん視点に立って作った医療機関です。特にインターネットを通して、いつでもどこでもカルテが閲覧できる「オープンカルテ」は圧倒的なインパクトがあり、200回以上報道されました。
その後、医療機関の再生支援、在宅医療、保健事業、女性向けの健診、ぽじえじ、等々と「無人島の街」は続きました。一昨年には中小病院を再生し、コミュニティ&コミュニティホスピタルに転換する事業も始めました。
大きな街もあれば、小さな街もあり、まだ町や村レベルの取組みもあります。(ここでいう大小は事業規模だけでなく、社会的インパクトの強さです。)
ところで2025年と言えば、「2025年問題」です。
2025年には団塊の世代が全員後期高齢者になります。これは日本の社会に多大なる影響をもたらします。特に私たちが仕事をしている医療介護業界にとっては、象徴的な年です。
保険財政は益々厳しくなるでしょうし、昨年の同時改定を見ても業界全体がひっくり返るようなことが今後起こり得ると感じます。しかも数年前から世界中の政治、社会は不穏です。
メディヴァは、この中で、次の四半世紀をにらんでメディヴァとしては何が出来るか?何をすべきか?を改めて考えることが必要と感じています。
元来、「法人」というものは「自然人」とは異なり、存在していること自体が「是」ではなく、何らかの社会的な役割を果たすことによって、はじめて「是」となる、と思っています。
メディヴァは、そのミッションを果たすことにより、次の四半世紀も存在し、発展し続けることができると信じています。
私達のやるべきことは「無人島に街」を作り続け、それを社会に問い続けることです。そして、この困難な社会情勢を鑑みると「できるだけ大きな街」を作ることが必要です。
まだ「村」のものを「町」に、「町」のものを「街」に、「街」のものは「大きな街」に。「村」や「町」も良いのですが、より大きなインパクトを目指したいと感じています。
2025年は、メディヴァの強みを更に磨く、3つのことを実行したいと思います。
以上、2025年年初に考えたことを書き下してみました。
もしもこれを読んでご興味を持っていただいた方や会社がいらしたら、ともに「無人島の大きな街」を作りましょう。2025年もどうか宜しくお願いします!