2023/11/02/木

事例紹介

健診センター 経営改善事例 現場インタビュー|尾中病院

健診センター化に伴う営業力強化と運営体制の構築により年間受診者が大幅に増加

社会医療法人いち樹会 尾中病院様(山口県 宇部市)

【Profile】
1946年に開設、一般病床60床、療養病床50床、介護医療院60床を抱え、急性期~療養機能を含め、宇部市民の健康と安心を守る中核病院として発展し現在に至る。
健診センターは2020年に設立し運営中。

話し手:尾中病院健診センター医事課 妹尾幸人様(左)、末永和浩様(右)

【当初抱いていた課題感】

元々、病院の外来の一部として健診も付属的に実施していた形でしたが、新病院の建て替えのタイミングで健診センター化しようという計画となり、立ち上げ段階からメディヴァにコンサルタントとして入ってもらいました。

健診センター化による健診事業拡充の目的は、将来ビジョンに「救急から医療・介護・予防までシームレスにサービスを提供する」ことを掲げる法人として、地域に暮らす人々の健康寿命延伸に寄与する活動であると考えたからです。

しかしながら、新病院移転前は年間700人程度の受け入れにとどまっており、営業も行っておらず、ただ予約が入った受診者を受け入れているだけの形でした。

宇部市内の中心部という好条件な立地、中小企業を対象とした潜在的なニーズが有るにも関わらず、営業力や運営体制、接遇やオペレーション等課題が山積みであり、なかなか受診者を増やす事ができずにいました。

【メディヴァが実施したアプローチや提案・その感想】

前述したように、健診センターといっても今までは営業など行っていない状態で、健診の営業方法に関しても全く知見が無かったので、一緒に企業を訪問してもらったり、細かに具体的なアドバイスを頂きました。その結果、現在でも新規企業が月6~7件程度増えています。

また運用に関しても更地からのスタートでしたが、疑問点などタイムリーに回答してもらえて、それを運用に落とし込むことが出来ました。

健診事業としては、現在は年間2,500人程度の受診者を受け入れています。

【実際に行った改善の取り組み】

まず健診センター化する前は予約に関してのルールがあいまいでした。そこで以下の運用を確立しました。大きく営業面、運用面から改善の取り組みを行っていきました。

営業面

  •  従来行っていた企業健診に加え、協会けんぽ生活習慣病予防健診の導入
  •  協会けんぽ所属企業をターゲットにした営業訪問やDMの送付活動

運用面

  • 内視鏡やエコー検査など外来部署と併用している検査について健診枠の確保・拡充
  • 外来部門と健診部門で協力して事業を拡大していくための健診会議の開催
  • 健診センター内のオペレーションの見直しのためタスク表を作成して週1回定例MTGを実施し進捗を確認
  • 電話とFAXでの予約受付に加え、WEB予約フォームの運用も実施する。(現在仕掛け中)

【取り組みの中でボトルネックとなった点】

以下の点がボトルネックとなった部分です。

  • 推進担当者が専属で業務に当たれなかった。
  • 健診として事業を回していきたかったが、コロナの対応に追われ、外来患者優先になっていて、思うように進められていなかった。
  • 健診センター化はしたが、外来と兼務なので、「受診者」、「患者」との切り替えが難しく感じることもあった。
  • 受付や診察、検査等に費やしている時間が適正であるか不明であった。

すべてが解決しているわけではありませんが、上記の点を1つ1つ話し合いながら解決する方向に持っていきました。

【今後の展望】

まず健診センターとして、人間ドックはメニューとしてあるべきなので、導入していきたいです。(現在は生活習慣病健診メイン)

今後受診者増に関しては未知数で、営業に関しては伸びしろがあるので、売上も今年度の倍近くまでは持っていきたいと考えています。

また選ばれる施設になるために、受診者アンケートを取ったり、各部署の待ち時間を数字で出したりすることで、改善を促し、より一層満足度が高い健診センターを作っていきたいです。

さらに中長期的には健診センター拡充を目指し、スタッフの専属化、外来と共用しているレントゲン装置等の検査機器を健診センター専用として導入することで、更なる受診者増加を実現したいと考えています。

また今後健診システムと、問診や結果表の連携含めて業務のDX化も実施していく予定です。 そして何より、病院併設型の健診センターの機能として、積極的に健診~精密検査~治療に繋げることで、地域住民が安心して受診出来るような施設とし、法人のビジョンを具体化する形で貢献していきたいと考えています。

社会医療法人 いち樹会 尾中病院 アクセス

聞き手 株式会社メディヴァ

越路 公雄
メディヴァにてクリニック・健診センター支援を担当。外来クリニック事務長経験を踏まえた現場スタッフ目線&患者目線からの改善提案を大事にしている。

佐藤 晶嘉
メディヴァにて医療機関、健診センターの支援を担当。健診センターの立ち上げや事務長としての経験を活かし、実務に沿ったアドバイスを心掛けている。

健診・人間ドック事業に強いメディヴァのコンサルティングについて