2023/11/06/月
事例紹介
適切な人員配置と改修・オペレーションの改善により大幅な収益改善。今後も人材採用・育成含め、地域に選ばれる健診センターになるよう積極的な拡大を目指す。
目次
【Profile】
2016年、「埼玉県厚生連熊谷総合病院」から運営を委譲し、「医療法人熊谷総合病院」として開設、名称変更。総病床数 310床(一般250床、HCU10床、地域包括ケア50床)急性期から回復期まで、地域医療を一手に担っている。
2018年7月より総合健診センターを開設、高精度の医療機器を兼ね備えて、予防医療にも積極的に取り組んでいる。
話し手:総合健診センター課長 竹井道善様(インタビュー実施:2023年7月)
略歴
S61.4 埼玉県厚生連熊谷総合病院 医事課
H8.3 埼玉県厚生連本所 企画管理課
H23.7 埼玉県厚生連久喜総合病院 事務部長
H26.4 埼玉県厚生連熊谷総合病院 事務部長
H28.5 医療法人熊谷総合病院 事務部長補佐
H30.4 同病院 総合健診課課長 現在に至る
当初、病院併設型で広い面積の健診専用フロアに、PET-CT、MRI、CT等の高額機器を揃え、設備は充実している一方で、「予約枠数自体が少なく、施設のポテンシャルを十分に発揮できていない」という課題がありました。
当初は週3日午前のみドックを実施していて、今後売上のアップサイドを見込めるか、そもそも現状の人員体制でどこまでやれるのか、オペレーションに課題は無いかなど、外部調査機関に依頼をすることで見える化し、改善したいと考えていました。
調査の結果、待ち時間は少し長いものの、検査所要時間には大きな問題は無く、コメディカルの人繰りがうまく出来ていないことで、検査機器が遊んでいる状態が分かりました。
また現状は一部の医療機器が病院側にしかないために、受診者の移動が必要で、非効率な部分がありました。そこで設備投資によって枠数自体の底上げを提案されました。
さらに検査技師などの配置を増やすことで、午前のドックだけではなく、午後のドックも増枠できるという提案を受けました。ただし提案を受けた午後のドックは見立てとしては厳しいと感じました。実際予約が入りづらく、なかなか厳しい状況が続いています。
元々、火・木・土の週3回しかドックを実施していませんでしたが、提案を受けて月・水・金も加えて、週6回に増やし、少しずつ増枠していきました。そのために、検査技師や放射線技師も採用し人繰りを整えました。
またマンモグラフィーとエコーの設備投資をすることで、人間ドックでは必須の健診項目を、病院側に移動しなくても受けられるようになりました。
加えて健診の常勤医師、内視鏡医師、営業担当の方を採用できたことも大きかったです。医師が積極的にスタッフに働きかけて改善を図り、内視鏡も2列で実施出来ています。営業担当の方も精力的に営業・渉外活動を行い、契約を取って来てくれています。
結果、売上もかなり増加し、病院全体の収益に貢献できています。(実際2020年度と2022年度の比較で売上は2倍以上となりました。)
女性の人間ドックの場合、婦人科検査がついていますが、婦人科医師が病院側からのヘルプのため、待ち時間が多く発生したり、予約が限定されてしまっています。
またドック以外でも健診受診者が増えたので、元々結果報告書を8日で出していましたが、バックオフィスの処理能力が追い付かなくなり、14日に延ばすことにしました。(※メディヴァ注記:14日でも他施設と比較の上では十分クイックな対応です)
今期、人間ドック学会の施設認定を受けました。病院併設型の施設として、質の高い健診を提供し、受診後のフォローアップも積極的に実施することで、熊谷市の予防医療を推進していきたいです。
また健診システムの入れ替えを来年度検討しています。これにより、事務作業の効率化や、WEB問診、WEB予約など受診者サービスの向上も期待しています。加えて現在アナログで入力している医療機器など、システム連携することでより効率化し、ミスを減らしていきたいです。
さらに健診専属の技師を採用することで、増枠し、売り上げを伸ばしていくとともに、地域から選ばれる健診センターを目指して活動していきたいと考えています。
越路 公雄
メディヴァにてクリニック・健診センター支援を担当。外来クリニック事務長経験を踏まえた現場スタッフ目線&患者目線からの改善提案を大事にしている。
佐藤 晶嘉
メディヴァにて医療機関、健診センターの支援を担当。健診センターの立ち上げや事務長としての経験を活かし、実務に沿ったアドバイスを心掛けている。