RECRUIT BLOG
2025/10/24/金
働く人たち
面接で人生の岐路を振り返っていただき、その時に何を考えたか、なぜそう考えたのか、とお尋ねすることがしばしばあります。”なぜ”に対しては、これまで影響を受けた出来事、人などの話をされる方が多いですが、本や映画などの「作品」からの影響を受けたという話を伺うこともあり、これまでも興味を持っていました。そんなこともあり、今回は社員が最も影響を受けた作品と、その影響についてアンケートを取ってみました。
アンケート企画は、社員の雰囲気や人となりを紹介することが目的ですが、その内容から学べることも多くあり、楽しみにしています。今回もさまざまな作品から、人生で大切なことを得た回答の数々は、学びや励ましがあり、前向きな気持ちにさせてくれる内容でした。
以下順に回答内容を紹介いたします。
【寄せられた作品名】
影響の内容を紹介する前に作品名を列挙してみたいと思います。 というのは、このリストをみるだけで、なんとなく胸がときめくというか、インスパイアされるというか、そんな気がしたからですが、いかがでしょう?
・プラダを着た悪魔(2名)
・TOY STORYシリーズ
・7つの習慣
・「もものかんづめ」(さくらももこ)
・ローマ人の物語(15巻)
・筒井康隆の毒のあるSF小説群(当時手に入った50冊くらい)
・ビバリーヒルズコップ1・2
・傲慢と善良
・竜馬がゆく(司馬遼太郎)
・水滸伝(北方謙三)
・天気の子
・僕の生きる道(ドラマ・小説)
・良心の危機
・バック・トゥ・ザ・フューチャー
・マイノリティ・リポート
・悪人列伝(小説)
・小説「蝉しぐれ」
・「生きがいの創造」(本)/「ソウルフルワールド」(映画)
・指輪物語(J.R.R.トールキン)
【受けた影響について】
影響の内容は大きく括れば、人生における新たな考え方、習慣、価値観、生き方などが変化した、ということですが、いくつかに分類して紹介いたします。
(1)視野、考え方が広がった
作品からの影響には、様々な形で視野や考え方が広がったという回答が多く寄せられました。以下に(影響の内容→作品名)の順で紹介します。
・他者の価値観へのリスペクト、文句ではなく結果を目指して自ら動くなど、大切な気付きを得た。(プラダを着た悪魔)
・様々な考え方を尊重し、皆で解決することを大事にするようになった。ものを大切にする気持ちが増した。(TOY STORYシリーズ)
・経営に関わるようになってから、それまでのすべての経営本の内容がこの本で繋がるように感じられ、経営に関して”自分を律する軸”を得た。(7つの習慣)
・本書の様々なエピソードに心を動かされ、固定観念に囚われないことを大切に思うようになった。(「もものかんづめ」 (さくらももこ))
・歴史上の悪人とされる人も見方によってはヒーローかもしれないことを知り、多角的にものごとを見ること(主観や偏見でみないこと)を学んだ。(悪人列伝(小説))
・現代の目で見ても高度な社会を発展させ、広大な領土を持って繁栄していたローマ帝国と、その帝国もやがて衰えていったことから、社会について、現代のこれからについて深く考えさせられた。(ローマ人の物語(15巻))
(2)自分に関する新たな気付きや性質を得た
作品の影響から、自分についての理解が深まったり、新たな個性を得たという回答もありました。
・物事を冷静に俯瞰的に見るようになった。自分のなかに「毒」が宿った。(筒井康隆の毒のある小説群)
・おちゃらけだが”やる時はやる”という主人公に憧れ、自分のキャラにおちゃらけ要素が入った。(ビバリーヒルズコップ1・2)
・自信は無いのに、自分への評価は甘く傲慢になっていると気付かされ、苦しかったが、省みて新たな自分を得た。(傲慢と善良)
・世界を犠牲にしても自分の大切なものを守るという、自分のモノサシで生きる力強さに影響を受けた。(天気の子)
(3)勇気、励ましを得た
人生の困難を乗り越えるための心の支えを作品が与えてくれたという回答もありました。明確な言及は多くないものの、大きな目で見ればどの回答もその要素を含んでいるようにも感じられ、作品から得られるものとしてはとても重要だと思います。
・理不尽や厳しさのある社会でも能力を発揮して力強く生き、成長していく姿に勇気を得た。(プラダを着た悪魔)
・物語の世界に入り込むことで、転校を繰り返して友人ができない日々など、これまでの辛い時期の助けとなってくれた。(指輪物語 J.R.R.トールキン)
(4)読書の習慣がついた
作品の内容ではなく、「読むこと」そのものについての言及も複数ありました。ある作品に引き込まれて読む習慣が身につき、読む習慣がさらに人生を豊かにしてくれる、という意味でこれも非常に重要なポイントだと思います。
・読書好きになった。(「もものかんづめ」 (さくらももこ))
・読むことが好きになった。(筒井康隆の小説群)
・超大作を読破し、読書習慣と自信を身につけた。(ローマ人の物語(15巻))
(5)人生の目標や新たな生き方を得た
作品の影響で、価値観を確立したり、人生で目指すものを得たなど、新たな生き方を得たという回答が最も多くありました。質問の趣旨が「人生で最も影響を受けた作品」なので当然かもしれませんが、一つの作品がそこまでの影響を持つという意味も含めて印象深く感じました。特に分かりやすく際立っているのは、一番最後の回答でしょうか(笑)
・「世に生を得るは事を成すにあり」の言葉にこのうえなく影響され、世の中の役に立つ人間になるという志を強く持つようになった。(竜馬がゆく(司馬遼太郎))
・漢(おとこ)達の生きざまを見て、限られた人生において「志」を何よりも大事にするようになった。(水滸伝(北方謙三))
・藤沢周平先生の最高到達点に触れ、誠実に生きることを強く意識するようになった。(小説「蝉しぐれ」)
・主人公が“将来のことばかり考えて今を大事にできなかった”ことを悔やむ場面に共感し、今を大事にしようと決意した。(僕の生きる道)
・ドクの座右の銘「為せば成る」が自分の座右の銘になり、チャレンジすれば未来は変わる、諦めなければ道は拓けると思うようになった。(バック・トゥ・ザ・フューチャー)
・自分の未来は自ら望む通りに変えられると思うようになった。(マイノリティ・リポート)
・信仰や組織について新たな見方を得て、学び直しやキャリアチェンジなど、それまでの生き方を大きく変えた。(良心の危機)
・結婚や様々な経験をしたあと、この作品に接して魂や生まれ変わりを信じるようになり、周りの人への感謝や、大切にする気持ちが強くなった。(「生きがいの創造」(本)/「ソウルフルワールド」(映画))
・この本をきっかけに伴侶を得た。(傲慢と善良)
【回答から見える”メディヴァ社員が大事にしていること”】
社員の作品からの影響の内容を一つずつ読んでいるうちに、その回答にはその人が大事に思っていることが反映されていることに気付き、その内容を抽出して列挙してみたくなりました。
・行動力
・主体性、自分で未来を切り拓くこと
・めげないこと
・自己成長
・多様な視点を持つこと
・想像力、常識の打破
・環境への配慮
・謙虚さ
・良好な人間関係
・他者と、それぞれの価値観を尊重すること
・感謝を持つこと
・誠実であること
・魂、信仰といった精神性
・今を大切に生きること
・人生の目的、志を持つこと
・生き方を自分で決めること
社員がこれらの項目を重視していることに、採用担当として改めて社員の皆さんを誇りに思います。
【終わりに】
いかがでしたか。
一つの作品が、私たちの人生観や行動原理にまで深い影響を与えうることがとても印象に残り、「志」を立てることや、今を大切にすること、自分から行動すれば未来は変えられる、といった力強いメッセージから元気をもらいました。そして、まだ接していない作品をこれから手に取ってみようと思いました。
これを読む皆さんにとっても何かを得られる内容であることを願っています。(岩崎克治)
筆者プロフィール
岩崎克治 Katsuji Iwasaki 株式会社メディヴァ取締役
大阪大学大学院 情報工学分野 修士課程修了。
マッキンゼー・アンド・カンパニーのコンサルタントを経て、1997年に(株)インクス入社。ITによる高速金型事業の立上げ、クライアント企業の製品開発プロセス改革等に従事。2002年メディヴァに参画。
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