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2023/11/27/月

コラム

“タフネス”とは何か?どうすればタフになれるのか?

ビジネスにおいても、その他の場面においても、「タフネス」は大事だと思います。何かを成し遂げるにはタフに取り組まなければならないですし、今の世の中は普通に生きていくにも乗り越えなければならないことが多く、タフでなければ難しいように思います。

そういう背景のもと、採用の場面でも当然のようにタフネスについて注意深く見ていくことが多いです。私の仕事経験、採用経験の中で「タフネスとは何なのか?」というのは重要なテーマの一つであり、これまでずっと考えてきた内容です。

一般的な言葉の意味として「タフネス」というとまず、「強さ」「頑丈さ」「体力」「エネルギー」といったようなイメージが浮かびます。

達成が困難な課題に対して、粘り強く取り組んで乗り切っていく強さや体力、能力といったようなイメージでしょうか。筋骨隆々な人がタフに取り組んでいるような場面も自然と浮かんできます。タフネスとは「強さ」なのでしょうか?

粘り強く取り組んで成果を得るという結果の面を見れば、強さと表現するのも間違っていないと思いますが、それを実現するための、どのようにして?、どのような資質が必要?、といったことを考えていくと、違ったイメージも湧いてきます。

ここで、タフに粘り強く取り組んで成果を出す一連の場面を想像してみたいと思います。タフに取り組む必要があるのですから、以下のようなことが想定されます。

(1)かなりの期間、かなりの量の活動を行う必要がある
(2)その途中に予想外のことや困難が頻繁に降りかかる
(3)関係する人たちから反対や疑問などが投げかけらる
(4)一緒に取り組む人が動揺したり脱落しそうになる
(5)新しいアイディア、未知のことを試さなければならない
(6)それらは途中で失敗したり挫折しそうになったりする

読むだけでしんどくなるような内容です。これらを乗り切ってゴールに到達するのに何が必要なのでしょうか。やはり強さ、精神力、体力、超人的能力、などと言いたくなります。

しかし、これらを強さや能力だけで、ましてや一人で乗り切ることには無理があると思います。一時的、部分的には強さで受け止め、乗り切れても、最後までそれでいくのは難しいと思います。

イメージで言えば、いくら強い人間がいても、自然の力には太刀打ちできないとか、自然どころかクルマ1台にも太刀打ちできない、という感じです。

それでは、どうすればタフに取り組み、タフに達成できるのでしょうか。
上にあげたそれぞれに対応して、対処に必要なことをキーワード的に上げていきます。

(1)計画性、エネルギー配分
(2)突発的事項に対して冷静を保ち、頭の動きを止めないこと
(3)長い目線で目標を見る視点、未知への不安に対処する力・方法
   自分に対する否定や疑問の声を受け入れること
(4)相手に対する配慮やチームワーク
(5)新しいことに対する柔軟性、未知への不安に対処する力・方法
   最悪のケースへの備え
(6)失敗を受け止める力、過去の自分を否定出来る力

どれも、簡単ではなく、それぞれ得難い力だと思いますが、単純な「強さ」とも違うように思います。違うということを超えて、むしろ「強さ」をイメージすることによるマイナスは大きいと思います。

「強くなければ」「踏ん張らなければ」と思い込み、対応できないものに対して的外れの抵抗をすることで、いずれ潰れてしまう、折れてしまう、といった事態が起こりやすいと思います。それは強さではなく「硬さ」であり、硬いものは折れやすいのではないかと思います。

上記のキーワードに対して一つ一つ理解して向上するように取り組むことは重要ですが、その前にタフネスに対するイメージを定めることの重要性が頭に浮かびます。

タフネスとは、
「自分で心から賛同できる目標を持ち、計画的に方法とエネルギー配分を行いつつ、突発的な出来事には柔軟に計画を変更しながら、チームを保ち、自分の考えに固執せず未知の道のりを探りながらゴールまで到達する」ことが出来ることだろうと思います。

硬さ、頑丈さではなく、柔軟性、しなやかさといったものを思い浮かべると良いのかな、と思います。

一つ一つの要素をどうすれば持てるのか、向上するにはどうすれば良いのかも気になりますが、膨大になりそうなので、また少しずつ考えてお伝えしたいと思います。(岩崎克治)

【過去ブログ発掘シリーズ】(初出2018年7月)