2021/10/22/金

大石佳能子の「ヘルスケアの明日を語る」

オンライン診療の今後

10月も後半に入り、めっきり寒くなりました。私は先週夏休み(?)で軽井沢と佐久に行きました。この時期になったのは職域ワクチン接種のためですが、実は忙しかったのは私ではなく息子です。週6日、渋谷の会場で現場運営を手伝い、その後家に帰って11時までオンラインで大学院の授業。ホント、ご苦労様なことです。

ちなみにコロナがこれだけ落ち着いているのもひとえにワクチンのおかげで、メディヴァ・プラタナスでも5万人分接種しました。各部門から総動員で手伝い、多少は世の中に役立ったのではないかと思っています。

緊急事態宣言が明けて、世の中が急速にノーマルに戻る中、働き方もバーチャルとリアルが混在し始めています。ただ、メディヴァは今まで通りのバーチャルを中心とした働き方を続ける予定です。感染対策、効率、ワークライフバランスの視点からそういう方針にしました。引き続きオンラインで行えるミーティングはオンラインで行っています。一方、ブレスト等必要な場合の出社は可です。また入社してから殆ど出社していない、ほぼ誰とも会ってない人もいます。そういう人のため、上司がランチに誘いやすいよう補助金をつけました。

さて、世の中がリアルに戻る中、オンライン診療などの新型コロナ禍の緊急時に対応していた制度も急速に戻りつつあります。オンライン診療に関しては、規制改革推進会議(内閣府)と厚生労働省のオンライン検討会(略称)で討議されています。前者はオンライン診療の全面解禁(緊急措置と同等)を主張していることは言わずもがなです。後者は当初非常に頑なだったのが、今年の春以降はかなり柔らかくなり、「かかりつけ医以外も初診からのオンライン可」が決まりました。

ただ、まだ決まっていないのが点数と各種要件で、これは中医協で決まります。従来は、点数は対面の約半分、距離制限(30分圏内)やオンライン診療の占める割合の制限(1割以下)などの規制がありました。「初診からOK」が通ったとしても、中医協次第でオンライン診療は十分封じこめられる仕組みになっています。

厚生労働省のオンライン検討会には医師会等の医師の代表も出席しています。オンライン診療の対象疾患や処方に過度な制限を設けないことは「医師の裁量権を守る」ために、むしろ積極派でした。しかしながら、ここに来て急に「距離制限を入れる」、「オンライン診療は掛かりつけ医を増やすため」と消極派に転じています。

このまま放っておくと、殆どコロナ前に戻ってしまう。規制改革推進会議としてはオンライン診療が骨抜きになることを恐れていて、今後のことを検討しています。衆議院選挙の結果によっても変わるでしょうが、動きを注視していく必要性を強く感じます。皆様も制度が後戻りしないよう、是非応援してください。