2024/02/28/水
診療報酬改定
執筆・山田/監修・取締役 小松大介
目次
2024年度診療報酬改定に伴う答申が厚生労働省から公表されました。
今回はその中の「回復期・地域包括ケア病棟」について、改定のポイントを解説します。
回復期入院の診療報酬改定については、MSWや口腔管理、栄養状態の評価などの機能強化が求められました。また、地域包括ケア病棟の診療報酬改定については入院基本料に逓減制が導入され、また介護施設との連携の強化が求められる内容となっています。
🔳地域包括ケア病棟入院料1
①40日以内の期間2,838点
②41日以上の期間2,690点
🔳 在宅患者支援病床初期加算
(1) 介護老人保健施設から入院した患者の場合(現行500点)
① 救急搬送された患者又救急患者連携搬送料を算定し当該他の保険医療機関から搬送された
患者であって、入院初日から当該病棟に入院した患者の場合 580点
② ①の患者以外の患者の場合 480点
(2) 介護医療院、特別養護老人ホーム、軽費老人ホーム、有料老人ホーム等又は自宅から
入院した患者の場合(現行400点)
① 救急搬送された患者又は急患者連携搬送料を算定し当該他の保険医療機関から搬送された
患者であって、入院初日から当該病棟に入院した患者の場合 480点
② ①の患者以外の患者の場合 380点
回復期リハビリテーション病棟においては、体制強化加算の廃止、運動器リハの上限が6単位までとなり、医療機関によっては大きな減収の可能性があります。また今後も引き続き回復期としての質を求めらる流れは変わらないと思われます。新たに要件化された通り、リハビリ、栄養、口腔管理のますますの推進をする必要もあるでしょう。
地域包括ケア病棟においては、前回の改定が大きかった分、今回は微修正といった印象です。ただし、入院料の逓減制導入や介護施設との連携、救急患者の受入強化など、単に自院でのポストアキュート機能に留まることなく、高齢者救急の増加の受け皿となり、そして在宅復帰機能を担う重要な役割を果たしていくことが求められるでしょう。
弊社では診療報酬改定への対応を支援します。もし診療報酬改定に関してお困りごとがございましたら、お気軽にお問い合わせください。
監修者
小松 大介
神奈川県出身。東京大学教養学部卒業/総合文化研究科広域科学専攻修了。 人工知能やカオスの分野を手がける。マッキンゼー・アンド・カンパニーのコンサルタントとしてデータベース・マーケティングとビジネス・プロセス・リデザインを専門とした後、(株)メディヴァを創業。取締役就任。 コンサルティング事業部長。200箇所以上のクリニック新規開業・経営支援、300箇以上の病院コンサルティング、50箇所以上の介護施設のコンサルティング経験を生かし、コンサルティング部門のリーダーをつとめる。近年は、病院の経営再生をテーマに、医療機関(大規模病院から中小規模病院、急性期・回復期・療養・精神各種)の再生実務にも取り組んでいる。
主な著書に、「診療所経営の教科書」「病院経営の教科書」「医業承継の教科書」(医事新報社)、「医業経営を“最適化“させる38メソッド」(医学通信社)他