2017/01/14/土

大石佳能子の「ヘルスケアの明日を語る」

No.126 (2017/1/14)

━━ 皆様 ━━━━
 少し遅くなってしまいましたが、2017年新春おめでとうございます。皆様の益々のご健勝とご多幸をお祈りしています。
 さて、メディヴァは今年、「自立支援介護」に力を入れます。1月7日の日経新聞にも載っていましたが、政府は「自立支援介護」を行う優良な事業所の評価、「日本式」介護としてのブランド化、および海外からの介護人材を集め易くする仕組み作りに力を入れています。安倍首相が2016年の未来投資会議で打ち出したこの構想の実現を、メディヴァでは内閣官房の調査、支援事業の受託を通してお手伝いします。
 以下、メディヴァの「自立支援介護」に関する取り組みと政府の事業に参加して学んだことを、定期的にブログで連載させて頂きます。

 最初に取り上げさせていただくのは、「ぽじえじ」デイサービスです。元々、当社はデイサービス「ぽじえじ」を通して、自立支援介護を試行してきました。「ぽじえじ」デイサービスでは、高齢者の状態の正確なアセスメントを行い、PDCAサイクルを回すことにより、身体状態がかなり弱った高齢者(要介護3程度)でも、元の機能を取り戻すことが出来ることを実証しています。
 「人生もう楽しいことは何もない」と言っていたおじいちゃんが元気に外出できるようになる。人によっては、子供や孫を訪ねて海外に渡航できるようになる。トイレに独りで行けなくてオムツをしていたおばあちゃんのオムツが外れて、顔つきが全く変わる。
 「ぽじえじ」(Positive Agingの意味)の標語通り「幾つになっても自分らしく。幾つになっても楽しもう」は可能なのです。実際、介護度の悪化が防げた方は多く、介護度が下がった方、さらに介護サービスからの卒業をする方もいました。
 「ぽじえじ」デイサービスは世田谷近辺の6個所に展開して人気でしたが、2015年の改定により小規模デイサービスの介護報酬が下がったあおりを食らい、事業としては苦しみました。ところが、この「ぽじえじ」デイサービスに、国外からラブコールが掛かったのです。
 日本は他国が経験したことのない速度で超高齢化を迎えていますが、アジアの諸国はさらに早いスピードで高齢化しています。特に中国は、一人っ子政策の影響で、自分と配偶者の両親の介護に悩む人が激増しています。しかも儒教文化では、子が年を取った親の面倒を看ることが、孝行として当然のように要求されます。老人ホームは圧倒的に足らないのですが、空きが有ったとしても、親をホームに入れることは不孝とみなされます(都市部ではやや薄れてきているようですが)。
 自宅で過ごす老親を看るためには、どうすれば良いか。その解の一つが、「元気で過ごしてもらう」ことで、これが「ぽじえじ」が関心を引く背景です。今年、天津の不動産開発地域に「ぽじえじ」がオープンします。中国名は、「譜季艾継」です。(「ぽじえじ」と読みます。漢字の意味は関係ないそうです。)天津ぽじえじの詳細については、後日ブログ等を書きますで、また読んでください。
(代表取締役 大石佳能子)
┏━┳━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┃▼┃コンサルタントレポート
┃ ┃『精神科領域の最新動向
┃ ┃ 「社会保障審議会 障害者部会」について』
┃ ┃        医療機関チーム マネジャー 小塚正一
┗━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 メディヴァのスタッフ達が日々仕事を進める中で気になっていることを自由に述べていくリレー連載。今回は医療機関チーム マネジャー 小塚正一からのレポートです。
メディヴァ コンサルタントの紹介

『精神科領域の最新動向「社会保障審議会 障害者部会」について』
 現在、精神科病院を取り巻く状況は大変厳しくなっています。精神科の入院患者数が減少を続けているためです。これは、精神科入院の多数を占める統合失調症において、 (1)薬が良くなっていること (外来通院で済む。入院となっても短期間で済む) (2)現在の長期入院患者の高齢化が進んでいること (死亡退院が増加している)という状況が生じているためです。
 ここに以下のような政策の流れも合わさり、今後さらに減少する見込みです。 (1)長期(1年以上)入院患者の地域移行(退院)を推進する (2)新たな長期入院患者の発生を極力抑える
 こうした流れの中、平成29年1月6日(金)の社会保障審議会障害者部会(第83回)において、国の基本指針案が示されました。 基本指針には障害福祉サービスや地域生活支援事業の提供体制の確保に係る目標をどのくらいにするかという項目があり、各自治体はこれに即して障害福祉計画を作成することになります。
 これを見ると、精神科の入院患者数は今後3年間で最大約4万人減少する目標値となっています。このような数値だけに注目し、慌ててしまいがちですが、本質的な意味合いを考え対応策を検討すべきと思います。
    ↓↓ 続きはこちら ↓↓
精神科領域の病院経営│最新動向「社会保障審議会 障害者部会」について | 株式会社メディヴァ (mediva.co.jp)
┏━┳━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┃▼┃講演情報・執筆情報
┗━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆講演情報
 情報技術協会が主催する「地域包括ケア時代の医薬品マーケティング戦略」セミナーで、弊社コンサルティング事業部 シニアマネージャー 村上典由が、『進化する在宅医療の実際と、在宅クリニックのタイプ別営業戦略』というテーマで講演します。
〔セミナー概要〕
日時:平成29年1月30日(月)10:30~17:00
会場:〔東京・五反田〕日幸五反田ビル8F     
    技術情報協会セミナールーム
聴講料:1名につき 55,000円(消費税抜、昼食・資料付) 
〔1社2名以上同時申込の場合のみ1名につき50,000円(税抜)〕 
但し下記の申込書でお申込みいただけば、講師紹介割引で 一人30,000円(税抜)で受講できます。  
↓詳細及び申込用紙はこちらをご覧ください。↓ 
地域包括ケア時代の医薬品マーケティング戦略 (2017年1月30日 開催) – セミナー・研修 | tech-seminar.jp (4ページ)

◆執筆情報
■病院 1月号
特集:新時代に備える病院のあり方 に、弊社代表大石佳能子が下記のタイトルで執筆しました。
『地域包括ケア時代の「地域連携」と病院のあり方』

■病院12月号
(Data Maniaシリーズ24回目 最終回) 弊社シニアマネージャー飯塚以和夫が、「介護事業経営実態 調査×医療経済実態調査」を執筆しました。

■ばんぶう12月号
特集:納得・満足のいく意思決定支援の””トリセツ”” 『診療所の実例集』で、メディヴァが運営支援する桜新町アーバンクリニックの取り組みが紹介されました。

■ばんぶう11月号
特集:診療所の価値を高める『コスト削減事例集』の 「診療所の通信費の見直しに法人全体として取り組む」という 記事に、弊社が運営支援する松原アーバンクリニックの取り組み が紹介されました。

■病院羅針盤 12/15号
『病院の経営課題一刀両断』第3回「精神科病院における地域移行の課題」 を、弊社取締役小松大介が監修し、マネージャーの小塚正一が執筆しました。

■病院羅針盤 11/15号
『病院の経営課題一刀両断』第2回「外国人受け入れ時の注意点」 を、弊社取締役小松大介が監修し、シニアマネージャーの鈴木将史が 執筆しました。

■JAHMC(ジャーマック)
11月号(日本医療経営コンサルタント協会) BOOKSという書籍紹介のコーナーで、弊社が作成した 『FACT PACK 在宅医療と地域包括ケアシステム FACTと提言』 が紹介されました。