2024/12/30/月
大石佳能子の「ヘルスケアの明日を語る」
あっという間に2024年が終わります。
今年も大変お世話になりました。厚く御礼申し上げます。
2024年は、医療・介護・障害福祉サービス報酬のトリプル改定の年。なかなかの激震でした。改定内容については色々言いたいことはありますが、財源が足らない中、社会保険制度の大きな変革が求められているというメッセージはひしひしと伝わりました。
2025年は団塊の世代が全員後期高齢者になる年です。地域包括ケアシステムの構築が急がれます。
昨年メディヴァはコミュニティ&コミュニティホスピタル事業を立ち上げました。中小病院をコミュニティホスピタルとして立て直し、それを軸にコミュニティの再生を図るものです。
2024年はそのコンセプトがかなり浸透し、受け入れられた年でした。これからも地域包括ケアシステム作りに寄与するコミュニティホスピタルづくりに尽力したいと思います。
もう一つの大きな課題は介護です。
日本のように介護保険制度を持っている国はそう多くはありません。諸外国の方から、うらやましがられます。
ただ、その介護保険も2000年のスタートから四半世紀経ちました。2000年当時は、今ほど高齢化は進んでおらず、介護の担い手もいました。まだインターネットや一般的には普及しておらず、DX化の概念はなく、スマホもAIもありませんでした。また当時の高齢者やご家族の考え方、人生観は今とはかなり異なっていたのではないでしょうか。
2000年に作った介護制度はその後の社会環境の変化を受けて、大きな転換が求められています。もっと質の高い、ご利用者本位でご家族に優しい介護を、もっと効率的に提供する仕組みが今の技術では提供可能です。
最近メディヴァでは、北九州市の依頼を受けて、居宅介護の業務分析を進めています。まだ初期的な結果しか出ていませんが、例えばケアマネさんの仕事の大半はスケジュール調整と情報伝達に使われています。これで本当にいいのでしょうか。
日本が誇る介護制度を存続させるには徹底的な革新が必要な気がします。
私ごとになりますが、年末にプレジデント(雑誌)の「人間邂逅」というコラムに載りました。
私に取材が来たのではなく、日本生命保険の清水博社長に依頼が来たのを、同期だった私に声を掛けてくれました。日本生命に3年しかいなかったのですが、当時清水さんとは会社の演劇部で一緒でした。
演劇に造詣が深く、監督を務めた清水さん。単に長台詞が覚えらるという理由で抜擢されたであろう私。演目は「鎌田行進曲」で、主役のヤスと小夏を張りました。
大根役者の私を清水さんが叱った言葉が「君は恋愛とかしたことないのか!」でした。
「今なら完全にアウトだよねー」と取材時に二人で笑いました。
日本生命は6月に大手介護事業者のニチイホールディングスの買収を完了しています。保険と介護が一体となることにより、こちらの方面からの介護改革も進むでしょう。
介護界という大きな舞台で、それぞれの立場で変革を起こしていきたい、とも語り合いました。もしも機会があれば、雑誌も手に取ってみてください。
※23歳当時の舞台写真をご覧になりたい方は、私にこっそりご連絡ください(笑)。
2025年も引き続きどうか宜しくお願いします。
皆様にとって最良の年になりますよう、心からお祈りしています。