現場レポート

2024/07/29/月

大石佳能子の「ヘルスケアの明日を語る」

日本在宅医療連合学会大会に登壇しました

暑いですね、、。暑さを凌ぐ飲み物と言えばビールでしょうか?
私はちょっと違うものにはまっています。台湾に行った時に知り合った日本人が、なんと瀬戸内レモンを流行らせた人で帰国後大量に送ってくれました。無農薬なので皮付きを薄く輪切りにして、蜂蜜とジンで漬け込んだシロップを作り、氷を入れたグラスに注いで、更にジンを足します。ジンはボンベイ・サファイアに限ります。さっぱりして、暑さが飛ぶので、是非お試しください!

 さて、この暑い中、先週は在宅医療連合学会の学術大会で幕張メッセに通いました。メディヴァ、プラタナスからはOBも含めるとシンポジウムの座長・演者が10演題。ポスターが10演題。すごいプレゼンスでした。メディヴァの神野真実さんは桜新町アーバンクリニックの皆さんとともに、「世田谷区における専門職向けのACP普及啓発活動『ガヤガヤ会議』」でポスターの優秀演題に選ばれました!

土曜日は「2024年度トリプル改定と現場での対応について」と日曜日は「勤務医の目指すキャリア形成~総合診療医・在宅医が望まれている超高齢社会」の2つに演者として登壇しました。

「2024年トリプル改定」のシンポジウムでは、前半は報酬改定に現場はどう対応したのか、をプラタナスの事例を使って説明しました。
・「生活習慣病管理料(II)」の要件である療養計画書作成と患者の同意取得を、最も効率よく進めるために市販のシステムを使った事例と、自前でシステムを作った場合の事例・施設在宅の報酬改定に対して、業務を効率化してむしろ患者を増やした事例・地域情報連携ツールの活用のために、連携先の多職種も含めた業務効率化を図るためにルールを作成した事例や薬局との連携を優先した事例、等
今回の報酬改定で大幅な減収が見込まれたクリニックは「みんなの現場を守れ」という機運が高まり、従来からの課題を解決する改革に結び付き「ピンチをチャンスに変えた」例もお話ししました。

「勤務医のキャリア」のシンポジウムは公募演題で、座長は春日部在宅診療ウエルネス理事長の笹岡大史先生と東京医科歯科大学教授の石田岳史先生で、東京医科歯科大学名誉教授の木村彰方先生も登壇されました。3人の先生が、それぞれ研究、臨床と医師としての素晴らしいキャリアを説明され、何を考えて、どう行動し、現在に至っているかをお話しされました。その後に私が登壇する運びですが、正直言ってアウェイ感満載でした。私は医師でもないし、医療職でもないですし、、、。なんで、ここに呼ばれたんだろう、と。

しょうがないから、という訳ではないですが、力を入れているコミュニティ&コミュニティ・ホスピタルの活動について話しました。日本の高齢化が進む中、地域包括ケアシステムを実現するためには、社会インフラとしての在宅医療の整備とコミュニティ作りが必須となります。在支診の数が伸び悩んでいる中、中小病院が在支病に転換し、積極的に地域にアウトリーチしていくことが一つの解決ではないか、と。

しかし、中小病院の半数以上は赤字であり、電子カルテも入っていません。今のままでは生き残りは難しく、それぞれの病院場単独で頑張るのではなく、共通化できるところは共通化し、効率よく運営できる体制を整備する必要があります。
コミュニティ&コミュニティ・ホスピタルの医療に相性がいいのは、総合診療を志向する若手の医師や、他科の専門医を取得した後に総合診療や在宅医療を学びなおすリカレント組です。今後、日本の人口が減っていく中で、変わらずニーズがあるのは総合診療医と思われます。
中小病院がコミュニティ&コミュニティ・ホスピタルに転換し、再生していく過程を体験することにより、マネジメント能力も付きます。そのまま地域に残ることを希望すれば、理事長や院長になり、その病院のオーナーになるキャリアも目指せるようなエコシステムを私たちは作ろうとしています。
幸いにして、私の15分の説明も皆さんの反応は良く、座長からは暖かい言葉を頂き、会場からの質問を受け、名刺交換した方からはその後メールも頂きました。

大変充実した2日間で勉強になりましたが、暑い中片道1時間40分を2往復するのはなかなか厳しかったです。日曜日の晩は瀬戸内レモンのボンベイ・サファイア割を飲んで、さっぱりしました!