2019/03/18/月
医療・ヘルスケア事業の現場から
2018年11月に「NDBオープンデータによる都道府県別在宅看取りに関する調査」をリリースさせて頂きましたが、今回は胃瘻の造設数に関して、NDBデータおよび社会医療診療行為別統計を用いて調査を行いましたので、ご報告させて頂きます。
ご存じの方も多いと思いますが、胃瘻は経口摂取が困難になった方に対して、有効な栄養摂取手段となります。一方で人生の最終段階を迎えた高齢者に対しては、ご本人の意向に伴わない胃瘻の造設が存在していることも事実であると思われます(もちろん、そこには様々な要因が介在していることが考えられます)。
その「胃瘻造設術」について、75歳以上人口あたりでの算定件数を全国年次推移および都道府県別で調べました。
1)全国での算定件数年次推移をみると、平成23年と比較し、平成29年では人口あたりの造設数は約半数になっている(ただし、平成28年と平成29年を比較すると造設数は微増)。
2)都道府県別での算定件数をみると、沖縄県が人口あたりの造設数が最も多く、静岡県が最も少なくなっている。
上記のことが分かりました。
以上より
(1)養経路としての胃瘻への考え方は、徐々に変化しており、特に人生の最終段階を迎えた高齢者に対しての考え方(胃瘻を造設する/しない)はこの数年で大きく変わった可能性がある。
(2)栄養経路として胃瘻を造設する/しないへの考え方は、地域ごとに特徴がある。
ということが示唆されました。
チャート付きレポートもありますので、お要りようの方は こちら からダウンロードしていただくか、もしくは お問い合わせ より「胃瘻造設数に関する調査レポート希望」とご用件をお書きいただき、ご連絡下さい。