現場レポート

2019/07/08/月

医療・ヘルスケア事業の現場から

第4回 クリニックが置かれている環境の変化 #2~医師の数と開業意向・マーケティングの在り方~

医師の数と開業意向

医師の数は増えています。医師の数を制限しているのは、主に大学医学部の定員枠と医師国家試験の合格者数になるのですが、大学医学部の定員は少しずつ減ってきています。しかし、それは絶対数のことであり、対人口ではまだ増えている傾向にあります。しかし一方で、医療費削減のあおりを受けて、病院は少しずつ減ってきており、医師の勤め先は限定されてきています。結果として、今後、開業医の数は増えることが予想されます。また、医師の意識としても、40過ぎまでは大学や関連病院で臨床を学び、その上で開業を考え始める方だけでなく、学生時代や研修医時代から強く開業を意識して、30代での開業を実行に移し始める先生も増えてきています。競争は激しくなりそうです。患者さんから見れば医療機関の選択肢が増える時代になる一方で、売りのない一部の医療機関にとっては厳しい時代が来ることになりそうです。

マーケティングのあり方

かつて、医療機関の宣伝といえば、駅・電柱・交通の3大看板が基本でした。広告規制もあり、内容的にも充実した情報を提供できないために、マーケティングで差がつくことも少なかったように思います。でも、今は、まずはHP(ホームページ)が重要です。患者さんは、自分がかかる医療機関なのですから、できる限り事前に情報を仕入れたいと思っています。過大な広告は逆効果ですが、正しく正確に、”診療内容”、”理念”や”医療情報”を提供している医療機関には好感を覚えます。

さらに進んだ医療機関では、blog(ブログ:日記)を用いて自分のプライバシーを少し開示することで身近に感じてもらおうとしたり、SNSを通して医療に関しての議論を進めていたり、メールマガジンで定期的な情報発信を手がけているところも出てきています。カルテを開示する”オープンカルテ”のような試みは、まだまだ一般的ではありませんが、いずれは、レセプト開示も含めて、院内やインターネットでさらに多くの情報提供を行う医療機関が増えてくると思います。これからの医療機関のマーケティングでは、こうしたツールへの理解と共に、実際に売り出せる”コンテンツ”を育てていくことが重要です。蓄積され更新されている医療知識、さまざまな検査や治療の実績、地域における医療・福祉の制度情報など、もっと勉強していかなくてはならないですし、それをマーケティングに活かしていくことが求められてきているなと感じています。

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