2026/08/20/木
事例紹介
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目次
背景:
東京都立病院機構では、複数の都立病院がそれぞれWebサイトを運営しており、患者、地域医療機関、求職者等への効果的な情報発信に向けて、運営方法の見直しが求められていた。
課題:
●機構サイトや各都立病院サイトを活用し、効果的な情報発信につなげるための手法が十分に確立されていない
●アクセス解析やSEOレポートを作成しているものの、具体的な改善施策や意思決定に十分活用されていない
●広報担当者の異動に伴い、Web広報に関する知識・経験を組織的に蓄積・継承する仕組みが十分に整っていない
支援内容:
●各都立病院へのヒアリングを通じた広報体制・Web運用状況の把握
●アクセスデータ、検索データ、ユーザー視点を組み合わせたWebサイト分析
●課題の優先順位付けと、短期・中期・長期の改善施策の整理
●広報担当者向けのSEO・アクセス解析研修と、コンテンツ作成を支える仕組みの整備
支援の成果:
●機構本部と各都立病院が抱えるWeb広報上の課題や認識の違いを可視化
●分析結果から、機構本部・各都立病院・Webサイト運営事業者が実行できる具体的な施策を提案
●各都立病院の広報担当者が、データを確認しながら改善を検討できる基盤を構築
●機構全体で継続的にWebサイトを活用・改善するための方向性を明確化
東京都立病院機構ホームページ
https://www.tmhp.jp/

東京都内で複数の都立病院を運営する東京都立病院機構に対し、Webサイトの現状分析から改善方針の策定、広報担当者の育成まで、機構全体のWeb広報機能の強化を支援しました。
各都立病院が個別にWebサイトを運用するなかで、機構本部と各病院の役割や、機構全体としての情報発信の方針を整理。アクセス解析やSEO分析、ユーザー視点でのサイト評価を通じて課題を可視化し、分析結果を実行可能な施策へ落とし込みました。
医療機関のWebサイトは、情報を掲載するだけの媒体ではありません。
患者や家族に医療情報を届けることはもちろん、地域の医療機関との連携、採用、ブランディング、重点診療領域の認知向上など、病院の経営や事業を支える重要な基盤です。
特に、複数の病院を運営する東京都立病院機構では、各都立病院が有する医療機能や専門性を分かりやすく伝えるだけでなく、機構全体としての役割や強みを整理し、それぞれのWebサイトを連動させることが求められます。
支援開始時点では、機構サイトと各都立病院サイトが整備され、Webサイト運営事業者等からアクセス解析やSEOに関するレポートも提供されていました。
一方で、各サイトがどの程度活用されているのかを管理責任者が十分に把握できておらず、分析結果をどのように効果的な情報発信へつなげるかという、戦略的なWeb広報の手法が十分に確立されていない課題がありました。そこでメディヴァは、個別ページのSEO対策だけではなく、東京都立病院機構全体のWeb広報のあり方を整理することから支援を開始しました。
東京都立病院機構では、機構本部と各都立病院の役割分担は明確にされており、それぞれが情報発信に取り組んでいました。
一方で、情報発信の必要性は認識されているものの、どのような情報を、どのような対象に、どのような方法で届ければ、効果的な広報につながるのかという具体的な手法は、十分に確立されていませんでした。
各都立病院では、それぞれの判断でWebサイトを運用していましたが、病院の特徴や医療機能をどのように整理し、利用者に分かりやすく伝えるかについて、共通して活用できる考え方や進め方が必要となっていました。
また、定性分析では、都立病院を横断して情報を探すための導線が限定的であることや、各病院が持つ専門性や特徴が十分に伝わりにくいといった、個別のサイト課題も確認されました。
各都立病院では、広報担当者の人数や経験、Webサイトの更新方法、Webサイト運営事業者との関わり方などが異なっていました。
また、担当者が数年単位で異動することもあるため、Web広報に関する知識や経験が個人に依存しやすく、組織内に十分蓄積されにくいという課題がありました。
担当者が変わっても一定の水準でWebサイトを運用し、継続的に改善できるようにするには、分析方法やコンテンツ作成の考え方、Webサイト運営事業者への依頼方法などを、組織内で共有・継承できる仕組みが必要となっていました。
アクセス解析やSEOに関するレポートは定期的に作成されていましたが、数値や専門用語を確認するだけにとどまり、具体的な改善活動には十分に結び付いていませんでした。
例えば、アクセス数や検索順位の変化が示されていても、次のような点まで判断することは容易ではありません。
「レポートはあるものの、次に何をすればよいか分からない」という状態から、データを実際の意思決定や改善活動に活用できる状態へ転換する必要がありました。
はじめに、東京都立病院機構が運営する病院のなかから2病院の対象施設を選定し、広報体制やWebサイトの運用状況を整理しました。
各都立病院の広報担当者等へのヒアリングを通じて、主に次の点を確認しました。
単にWebサイトの内容を確認するだけではなく、誰が、どのような手順で、どの程度の負担をかけて運用しているのかまで把握することで、各都立病院が置かれている状況を整理しました。
また、関係者とのディスカッションを通じて、機構本部と各都立病院の間で認識が異なっていた点や、これまで明文化されていなかった課題を可視化しました。
Webサイトの評価にあたっては、アクセスデータによる定量分析と、利用者の視点に立った定性分析を組み合わせました。
定量分析では、アクセス解析ツールや検索パフォーマンスデータを用いて、次のような状況を確認しました。
定性分析では、患者や家族、地域の医療機関、求職者などの視点から、情報の見つけやすさや分かりやすさを確認しました。
これらを組み合わせることで、「アクセスが少ない」という結果だけで終わらせず、掲載情報の内容、サイト構造、導線、発信方法など、数値の背景にある要因を整理しました。
分析結果をもとに課題を網羅的に列挙するだけでは、実際の改善にはつながりません。
そこで、各課題について、必要となる費用や実施期間、既存サイトへの影響、実施主体などを踏まえ、短期・中期・長期の3段階に整理しました。
短期的な改善|現在のWebサイトを活用し、すぐに着手する
新たなシステム導入や大規模な改修を行わず、既存のWebサイトと運用体制の範囲で実施できる施策です。
まずは、現在のWebサイトにある情報や仕組みを有効活用し、比較的短期間で実施できる改善から着手する方針を整理しました。
中期的な改善|コンテンツと広報運用の質・量を高める
既存のWebサイトを大きく変更せず、患者や地域の医療機関などのニーズに基づき、発信するコンテンツと運用体制を充実させる施策です。
単発でページを修正するだけでなく、必要な情報を継続的に発信し、効果を確認しながら改善できる体制の構築を目指しました。
長期的な改善|Webサイトの構造と仕組みを再設計する
既存サイトの部分的な修正では解決が難しい課題について、Webサイトの大規模改修や全面リニューアルを見据えて検討する施策です。
将来的なリニューアルに際しては、デザインやシステムを先に決めるのではなく、誰に、どのような情報を届け、どのような行動につなげるのかを起点として、サイト全体を再設計する方向性を整理しました。
あわせて、それぞれの施策について、機構本部、各都立病院、Webサイト運営事業者が担う役割を整理し、実行につなげやすい形で提示しました。
※UI(User Interface)は、ユーザーとサービス・製品との接点(タッチポイント)を指す言葉。UX(User experience)は、サービスや製品を利用することで得られる体験を示します。
分析や改善提案を一度行うだけでは、継続的なWeb活用にはつながりません。
各都立病院の広報担当者が、自院のWebサイトの状況を理解し、Webサイト運営事業者等と適切にコミュニケーションを取れるよう、実務に即した研修を実施しました。
研修では、主に次の内容を取り上げました。
専門的な分析手法を習得すること自体を目的とするのではなく、広報担当者が「どの数値を確認し、どのような変化に注目すればよいか」を理解することを重視しました。
これにより、外部から提供されたレポートを受け取るだけではなく、自院の広報活動や改善方針を考えるための材料として活用できる状態を目指しました。
医療機関のWebサイトでは、診療内容や医療機能、院内の取り組みなど、現場にしか分からない情報を継続的に発信することが重要です。
一方で、広報担当者が診療現場から情報を集め、記事としてまとめるには大きな負担がかかります。また、担当者の経験や力量に依存した運用では、発信の頻度や内容に差が生じやすくなります。
そこで、各都立病院が継続的に情報発信へ取り組めるよう、今後整備することが望ましい仕組みや運用方法を整理し、次のような取り組みを提案しました。
あわせて、こうした仕組みを実際の運用に落とし込む際には、各都立病院の広報体制や業務負担を踏まえながら、段階的に導入していくことが重要であることを示しました。
今回の分析から、Webサイト上には多くの情報が存在している一方で、その情報が利用者のニーズに沿って整理され、適切に届けられているとは限らないことが分かりました。
また、各都立病院が個別に改善を進めるだけでは解決しにくく、機構サイトと各病院サイトの役割、病院間の導線、コンテンツの配置、運用体制などを、東京都立病院機構全体の視点から設計する必要があることも明らかになりました。
Web広報の課題は、個々のページの内容やデザインだけではありません。
こうした戦略と運用の両面を整理することで、Webサイトを継続的に活用・改善できるようになります。
医療機関のWeb広報では、一般的なWebマーケティングの手法をそのまま適用するだけでは、十分な成果につながらない場合があります。
診療科や医療機能によって、患者が医療機関を受診するまでの経路は異なります。患者本人が直接検索して受診先を選ぶ領域もあれば、地域の医療機関や介護事業者からの紹介が中心となる領域もあります。
また、医療広告に関するルール、診療現場の業務負担、院内の意思決定プロセス、医師や多職種との調整なども考慮しなければなりません。
メディヴァは医療コンサルティング会社として、医療機関の経営や組織、診療現場の実態を踏まえたWeb広報戦略を提案しています。
さらに、メディヴァのグループである株式会社シーズ・ワンや医療法人社団プラタナスでは、医療機関の運営や、医療現場に深く関わる支援を通じて得た知見を蓄積しています。
こうした知見を生かし、理想的な戦略を提示するだけでなく、医療現場の体制や業務負担、活用できる人員や予算を踏まえ、実際に取り組める施策へ落とし込めることがメディヴァの強みです。
アクセス解析やSEOの改善だけを目的とするのではなく、次のような点まで総合的に捉えます。
これらを踏まえ、医療機関の経営や事業の方向性と連動したWeb広報を支援します。
「自院のWebサイトがどの程度活用されているのか分からない」
「分析レポートはあるが、具体的な改善につなげられていない」
「本部と各病院の役割や運用体制を見直したい」
「病院の特徴や強みを、患者や地域に分かりやすく伝えたい」
といった課題をお持ちの医療機関や、複数の病院・施設を運営する法人の方は、お気軽にお問い合わせください。