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2023/10/13/金
カルチャー
皆さん、こんにちは。保健事業部 産業保健チーム・シニアマネージャーの永尾です。
現在私は産業保健コンサルタントとしてクライアント企業の「機能する産業保健」の実現を目指すかたわら、メディヴァ社内の健康経営の推進にも取り組んでいます。
皆さんは「働くこと」や「仕事」と聞いて、どのようなイメージが湧いてくるでしょうか?
“ひと旗あげてやる!”、“バリバリ業績をあげたい”、“トップをとってやる!”、”お客様の役に立ちたい!”といったポジティブなイメージもあれば、中には“嫌だなぁ・・・”、“月曜日が憂鬱”、“働きたくない”といったネガティブなイメージを持つ方もいらっしゃるかもしれません。
今回は、 そんな“ワークエンゲージメント”の観点から、メディヴァの特徴や社風をご紹介していきます。
目次
―同じ仕事・給料でも“やりがい”“働きがい”の感じ方は全く異なる。
「ある旅人が街を歩いていると、一生懸命レンガを積んでいる3人の職人を目にしました。旅人はその3人の職人に“ここで一体何をしているのか?”と尋ねました。すると、3人の職人はそれぞれ次のように答えました。」
▶1人目の職人は、
「見ればわかるだろ!親方から言われてやってるんだ、暑い日も寒い日も積まなくちゃいけないんだよ。仕方ないんだ」
▶2人目の職人は、
「レンガを積んで壁を作っているんだよ。大変だけど、お金はいいんだ!このおかげで家族を養うことができているんだよ」
▶3人目の職人は、
「レンガを積んで、歴史に残る偉大な大聖堂を作ってるんだ!すごいだろ?!ここで多くの人々が神の祝福を受けるんだぜ、こんな仕事ができて光栄だよ」
有名なので、ご存知の方もいらっしゃるかもしれません。
働くことの意味や、エンゲージメントとは何か、ということにおいて理解しやすいお話です。
―自分の仕事に誇りとやりがいを感じていて、熱心に取り組み、仕事から活力を得て、イキイキとしていること
“ワークエンゲージメント”とは、「“働きがい”をもって仕事をする」ということで、オランダ・ユトレヒト大学のシャウフェリ教授の定義が日本ではよく用いられています。
シャウフェリ教授によると、「ワークエンゲージメントは仕事に関連するポジティブで充実した心理状態であり、活力・熱意・没頭によって特徴づけられる。ワークエンゲージメントは特定の対象、出来事、個人、行動などに向けられた一時的な状態ではなく、仕事に向けられた持続的かつ全般的な感情と認知である。」とのこと。
この定義のポイントは「・・・一時的な状態」ではなく「・・・持続的かつ全般的な」というところです。
例えばですが、仕事によっては、基本的な仕事にはネガティブな感情であっても、何かのプロジェクト“だけ”はおもしろいと感じ、ポジティブに取り組めているということがあります。
そのプロジェクトが終わるとエンゲージメントは低下してしまうため、こういう状態はエンゲージメントが高い、とは言えません。
「ワークエンゲージメントが高い」とは、“活力”・“熱意”・“没頭”の3つの因子が揃い、自分の仕事に誇りとやりがいを感じていて、熱心に取り組み、仕事から活力を得て、イキイキとしている状態を指します。
―世界的に見ても非常に低いのが特徴
世界のエンゲージメント調査で有名なアメリカのコンサルティング会社「ギャラップ社」の従業員エンゲージメント調査結果が今年の6月に発表されました。
それによると、主要国の従業員エンゲージメントの割合は世界23%に対し、米国34%、インド33%、フィリピン31%、ブラジル28%、南アフリカ26%、タイ25%、インドネシア24%、ウクライナ22%、豪州20%、中国18%、ドイツ16%、韓国12%、英国・スペイン10%、フランス7%、日本・イタリア5%という報告があります。
日本の5%というのは2年連続で世界125か国中124位という結果です。
これを国民性、仕事に対する受け身的な姿勢という理解がされていますが、私は一概にそうだとは思えないのが正直なところです。
団塊ジュニア世代の私の親は当然団塊の世代なのですが、バブルの時代、またバブル崩壊の中でも働いている世代で、その光景を目の当たりにしていました。バブルの時期を働いていた親は、それはそれは輝いていて、勢いもあり、何をやっても成功するような、まさに自分の仕事に誇り・自信をもっていたようにも思えます。まさに仕事をすることでイキイキとし(活力)、日本を支えているという自信(熱意)、とことん仕事をやる(没頭)が揃った“高いエンゲージメント”で働いていた時代だったと思います。
ここからバブル崩壊を経験し、大変な時代にはなりますが、それでも高い志をもって臨んでいた姿は、間違いなくエンゲージメントが高かったわけで、国民性や受け身的な姿勢ということではないのではないかと感じています。
もちろん、時代背景の移り変わりは激しく、現在と過去は比べられないのかもしれません。世界情勢、コロナパンデミック、少子高齢化による労働人口の問題など、働き方にも大きなインパクトを与えられています。
このような問題を解決するべく、働く人々のエンゲージメントを高め、生産性の向上や働きがいの向上といった人的資本が見直され、注目されています。
―メディヴァで一番高いのは「熱意」の項目
メディヴァでは2016年より健康経営の取り組みに力をいれており、その中でワークエンゲージメントのサーベイも取り入れています。
上記は過去4年間のエンゲージメントの推移です。一般的に特に突出してエンゲージメントが高いというわけではありませんが、少し意外だったのは、「熱意」の項目が一番高いことでした。
メディヴァの文化風土においては、いわゆる体育会系のような“何か一体感を求めて、一丸となって何かを成し遂げる”というような雰囲気ではありません。どちらかというと、“それぞれのメンバーが自分のプロジェクトに専念し、完遂する”というような仕事の取り組み方です。
(誤解のないように追記しておくと、かといって、助け合う雰囲気ではないということではありません。例えば何か困ったことがあって、全社に応援を求めると、たくさんのアドバイスやリアクションが“これでもか!”というくらい返ってきます。)
では、この熱意の高まりはどこからきているのだろう。と思い、途中からギャラップ社のエンゲージメントスケールをベースに、項目を少し追加してみました。
すると「仕事」ということに対して、「仕事への誇り」「成果へのコミットメント」がとても高いことがわかりました。
すなわちメディヴァのメンバーの仕事に対する「熱意」は「仕事への誇り」と「成果へのコミットメント」から沸き立っているものだといえます。
―『無人島に街をつくる!』への強い共感が鍵
ではメディヴァの「仕事への誇り」と「成果へのコミットメント」はどこからきているのか?
ここでキーワードになるのは、全社の共通言語である『無人島に街をつくる』という言葉です。
『無人島に街をつくる』とは、何もないところに新しいものを創造していくということ。
メディヴァのメンバーはこの理念に共感をして日々の業務に従事しています。この理念への強い共感性、そして共通言語として根付いていることがエンゲージメントを高める重要な要素です。
この理念は一見、かっこよく聞こえるし、とてもきれいに見えてしまいます。しかし、よくよくイメージしてみると、『無人島に街をつくる』ということは、とてもとても大変なことです。
何もない無人島に降り立ったとき、皆さんなら何をどのように考え、何から始めますか?
恐らく何かの術のような鉄則はあるのかもしれませんが、メディヴァにはこの生き残るためのマニュアルはありません。
マニュアルがない?!と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、ここにメディヴァの魅力があります。
それは、マニュアルに沿った仕事の仕方をその通りにやるのではなく、自分でやり方を見つけ、それを実際にやれるという“裁量”が大きいというところです。
プロジェクトの課題、クライアントの要望などを通した社会課題に対してまで、何かレールに沿ったやり方を毎日こなすだけではなく、常に“最善・最適”な方法を考え、“実行・行動”することが求められています。
また、常に本質(issue)の目線が求められる風土でもあり、何かに対して無難な解決方法を実行することはあまり受け入れられません。
少し極端ではありますが、課題を解決でき、かつクライアントにとって価値があるのであれば、多少突拍子のない方法のように見えてもそれがベストな解決方法であるという評価となります。
これが、メディヴァの社名の語源でもある“Innovation & Value-Added”です。
―規模が大きくなっても、真に共感するメンバーが集う、より強い組織づくりをしていくことが重要
ただ、もちろん懸念点もあります。それは、これからのメディヴァということを考えたとき、今のこの雰囲気を維持できるか、ということです。
メディヴァもうれしいことにどんどん新たなメンバーが加わり、事業、そして会社も大きくなっています。この『無人島に街をつくる』ことに向かって日々奮闘することができているのは創業・経営者(取締役)との距離が近く、想いが伝わっているという背景があります。
これが、今後、組織が大きくなるにつれて、今と同じような距離感を保てるかというと、いずれ限界を迎える時期がくると感じています。
規模が大きくなるにつれて理念が浸透しにくくなり、それに伴ってエンゲージメントを含めて、「昔は良かった・・」ということに陥ってしまうということはありがちです。
このような組織のフェーズになると、いろいろな“管理”で統制をとるようになってしまいます。コンプライアンスなど、ある一定の統制は必要ですが、そのことにより、「メディヴァらしさ」が失われてしまうと、やりがいを感じなくなり、その瞬間にエンゲージメントは落ちてしまうこともまたありがちです。
今後も仕事への熱意を保つためには「メディヴァらしさ」を管理やルールで統制することなく、真に共感するメンバーが集う、より強い組織を目指し続けることこそが究極の目標であり、“やりがいの本質”から焦点をぶらさないことが、重要な要素となります。
メディヴァには『無人島に街をつくる』という理念に共感し、クライアントの課題を解決するということだけではなく、メディヴァの仕事を通して社会課題の解決をするという気持ちが強い、そして、何か大きな成功(Success)を成し遂げたいという想いのある仲間たちが集まっています。
仕事のミーティングの中でも、「それはおもしろい!」「それは画期的だねー!」「ちょっとそれは本質ではないんじゃない?」といった会話が飛び交います。
『無人島に街をつくる』ということがメディヴァのメンバーの“ポリシー”のようになっているからこそ、自然とこの言葉が出てくるのだと感じています。
「そんな環境で働きたい!」という方は、ぜひメディヴァの選考を受けてみてくださいね。
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執筆者:永尾 嘉康(シニアマネージャー|産業保健コンサルティング)
長崎県出身。長崎純心大学大学院人間文化専攻科人間関係論(臨床心理学)博士課程前期(修士)卒。テネシーウェスレヤン大学(編入留学)行動科学学部卒。精神科病院にて、入院、外来からリハビリテーションまで、患者様への心理療法に従事。その後、企業のメンタルヘルスに関心を持ち、大手サービス業企業にて、企業の健康管理(産業保健)の体制構築や人事制度の構築および労務問題等に携わる。研究論文、書籍の執筆や学会発表などの実績もあり、企業の健康管理を通して、さらなる”組織の活性化”をテーマに「機能する産業保健」や「真の健康経営」の実現を目指してメディヴァに参画。【主な執筆】「ディスコースとしての心理療法(共著) 2016 遠見書房」