現場レポート

2022/08/15/月

大石佳能子の「ヘルスケアの明日を語る」

オンライン発熱外来(検査・薬宅配)で分かったこと

お盆に久しぶりに帰省された方もいらっしゃったでしょう。台風の影響を受けてなければいいのですが。我が家は神道なのでお盆は関係なく、灼熱の東京で過ごしています。エアコンが苦手で息子(エアコン大好き)の部屋以外は使っておらず、窓全開で扇風機6台がフル稼働で風の道を作りました。そこまで徹底すると、意外と涼しいです。

さて、現在用賀アーバンクリニックの3階にオンライン発熱外来の基地を設けていますが、ここも「熱い」です。医師のブース、HER-SYSや登録点数計算、抗原検査キットや処方を詰めてバイク便に乗せる事務さん、システム会社の人、監督する事務長さん達でごった返しています。

元々は新型コロナに罹患する患者が激増する中、区内の発熱外来キャパがあまりにも少なく、世田谷区に毎日600件の苦情・陳情電話が掛かってきたのがきっかけとなり、区から依頼されました。抗原検査キットと処方がバイク便で届くところが革新的で、患者さんには感謝されています。目標は1日300人を診ることです。まだその域には達していませんが、業務改善すればできそうな感じはしています。

東京都で発生する新型コロナ患者は約3万人、人口対比推計で世田谷は約2千人。世田谷区の内科系診療所は約530あります。区内の全ての内科系診療所が日に4人(実際は陽性判定が出ない人もいるから6人くらい?)診てくれれば、対応できます。

世田谷区の全ての医療機関が毎日6名ずつ診るか、医師を集積させてオンラインで診るか?感染リスクや効率から言うと、後者の方がいいような気がします。

一方で、オンライン診療だとどうしても医師と看護師・事務等の役割分担がしにくく、療養生活についてなどの質問に、全て医師が答えないといけないので、一患者当たりの医師の拘束時間が延びます。どうしても医師でないといけないことは医師に、それが終われば画面を切り替えて看護師・事務がフォローするようなシステムも必要と思いました。

先週は保坂区長も見学に来られ、今週は規制改革推進室が来ます。NHKを始め各種マスコミにも取り上げられました。NHKはプラタナスやメディヴァの名前が出ないのがちょっと残念ですが、まあ良しとして、せめてここで発信しています。やってみて初めて分かることは多く、今後に向けた良いパイロットになったと感じています。