2018/11/26/月
大石佳能子の「ヘルスケアの明日を語る」
ようやく寒くなってきましたが、皆さま、いかがお過ごしでしょうか。
寒さに逆らうように、先日ラオスに行ってきました。内閣官房の調査事業で、日本に来てくれる介護人材を発掘?するのが目的です。日本は介護人材が圧倒的に足りません。2025年に必要な介護人員数は、日本全国の警察官と郵便局員を全員動員してもまだ足りません。
このため日本でも技能実習生として介護人材を受け入れるようになったのですが、果たして来てくれるのでしょうか?フィリピン、インドネシアなどの人材は、外国人労働者の受け入れハードルが低い台湾、中東などに既に行ってしまっています。ベトナムは親日でもあり有望です。他にもどこかないか、と今年はカンボジア、ラオスを訪問しました。
まずは国情と医療・看護の実態を調べます。ラオスは日本と同じくらいの国土に700万人が住んでいます。山岳地帯が中心の多民族の社会主義国家です。
病院は基本的には国立で、医師、看護師は公務員。医学部は首都ビエンチャンにしかなく、毎年100人弱輩出されます。看護師は、大学、短大、専門学校のような3階層があり、毎年500~800人が卒業するらしいのですが、JICAにも大使館にも正確な数字はありませんでした。
病院は首都、主要な県などに複数ありますが、そこに勤めるにはまず公務員にならないといけません。枠は毎年、医師・看護師合わせて100人分しかないので、残りの人はあぶれます。あぶれると、無給で働き、当直で稼ぎ、公務員枠が当たるのを待ちます。
ということは、、、毎年数百人あぶれてるようです。もしかすると、この人達が日本に来てくれたら、、と期待(妄想?)が膨らみました。
ラオスはのんびりとした、親切な国民性と美味い飯と冷えたビールの良い国です。のんびりしすぎて、外国に出て一旗揚げてやろうという気運があまりないのは課題です。
安全な国なので、日本の高齢者が移住するにも良さそうですが、問題は医療です。病院や専門医が極端に少なく、脳外科などは全国に4人しかいません!これでは、移住には二の足を踏みます。 脳外科が4人しかいない国で、ノーヘルメットで複数の人を積んで単車が走っているのは、勇気があるな~、と感心?してしまいます。
今回は首都ビエンチャンだけでしたが、次回は地方にも行ってみたいと思いますので、たどり着いたら、またご報告します。
執筆:大石佳能子(株式会社メディヴァ代表取締役)