2018/12/21/金

医療・ヘルスケア事業の現場から

日英共同研究プロジェクト開始のご報告

環境デザインでつくる高齢者、認知症の方に優しい社会
 株式会社メディヴァは、英国スターリング大学を中心とした研究者チーム、および、日本パートナーである慶應大学、静岡大学、日本医療政策機構、東京都健康長寿医療センター研究所とともに、環境デザインを軸とした学際的アプローチで、認知症の人々の生活の質を高めるための「日英共同研究プロジェクト(Designing for Ageing and Dementia International Research Network)」に取り組むこととなりました。
 英国研究者チームと日本パートナーは、環境デザインをキーワードに、社会や経済、政策への影響を日英両国で学際的に考えてまいります。さらに、このプロジェクトを通し、将来を見据えた日英共同研究のためのプラットフォーム構築、日英共同研究テーマの確立、若手研究者の育成に貢献することを狙いとします。
 今後は2020年春までに、日英両国においてワークショップ、基調講演を開催し、両者の現状理解と解決すべき課題を明確にし、最終的には将来への施策を論文にまとめ提言していきます。

高齢社会の課題解決へ向けた新たなアプローチ
 認知症の人々が暮らしやすい社会を創っていくことは、日英両国において重要課題として捉えられており、これまでとは違った側面からの解決方法が求められています。また認知症は世界的な問題であり、得られた知見を国際社会に発信し共有していくことも重要です。

日英共同研究プロジェクト3つの柱
 本プロジェクトは、認知症の人々のための環境デザインを中心に「日英間の学際的なネットワーク構築」、「日英共同研究テーマの確立」、「若手研究者の育成」の3つを柱とします。

1.日英間の学術ネットワーク構築
 日本、英国に限らず、認知症の方が、生き生きと生活できる環境作りは、国際社会が直面する大きな社会的な課題です。双方にとって認知症の人々が社会や経済、環境、政策の面から学際的にアプローチする研究者と研究機関以外のステークホルダーを含めた日英間のネットワークを構築していきます。

2.日英共同研究テーマの確立
 日英両国の認知症当事者、地域コミュニティ、企業、事業者が抱えている課題を共有し、将来的に解決すべき国際的な研究課題を導き出し、国際的な研究に適用できる研究方法やアウトカム指標の開発を目指します。

3.若手研究者の育成
 日英お互いの国での研修の機会と論文の執筆、日英間の学際的なネットワーク構築の過程を通して、日英両国の若手研究者の育成を進めます。

今後の予定
2019年春 第1回ワークショップ(イギリス)
2019年秋 第2回ワークショップ(日本)
2020年春 第3回ワークショップ(イギリス)
2020年春 基調講演(イギリス)
2020年春 基調講演(日本)

 本プロジェクトは、英国の助成金(日英研究協力グラント、ESRC-AHRC UK-Japan SSH Connections grants)により進められます。本グラントは、英国の経済社会研究会議(ESRC)と芸術・人文科学研究会議(AHRC)が共同で行うもので、経済・社会・人文科学分野での新たな日英間の研究連携を促進し、両国間の当該研究分野での関係強化のために、英国の研究機関に所属する研究者に助成されます。