2017/05/17/水

大石佳能子の「ヘルスケアの明日を語る」

日本産業衛生学会シンポジウム報告

 2017年5月11~13日@東京ビックサイトTFTホールにて第90回日本産業衛生学会が開催されました。
 本学会は産業保健においてはメインの学会であり、今回は参加者が約3,000名という規模で、会場も満員でした。

 その中で、5月13日(土)に弊社代表の大石が公募シンポジウム13「産業保健活動の健康経営につながる活動内容と成果の可視化」に登壇しました。

 座長は産業医科大学の森晃爾先生、大神明先生でシンポジウムのテーマである「可視化」というところにおいて、「経営者視点」という立場で登壇しました。

 内容は「健康経営について経営者をその気にさせるには、どのような可視化をしたらいいか?」という発表でした。

主な内容としては、
・経営者は従業員の健康に興味がない、というかよくわからない
・経営者の興味関心は、株価の低下やその克服方法、為替変動、営業利益・・・とあり
・それらは産業保健スタッフからみると難しい次元のことばかり。経営者からみた従業員の健康はそれと同じ。
・つまり産業保健スタッフが考える健康の重要度と経営者が考える健康の優先度の認識がズレているという実例の紹介

以上のようなことを踏まえて、
・コンサルティングで用いるフレームワーク「3C」「空・雨・傘」を活用するとよい
・経営者には「医療費増大」は健保のこと、としてあまり興味をひかない。現職死亡●名、のほうが印象強く健康管理の動機付けにはよい
・忙しい経営者に目をとめてもらうために、一目で理解できる資料を作成する(1枚にまとめる)
・具体的な方法、担当者、責任者が明確になるような事業所一覧で作成する

ということを具体的なアウトプットを示しながらの講演でした。

 <特に冒頭での「残念ながら、取締役会で健康経営や健康に関する議題があがってこない」というストレートな話しは、産業保健従事者においては、日頃から感じていることでもあり、非常に真摯な課題として共感が得られたのではないでしょうか。

 日頃から、どのように経営者の興味・関心を持ってもらうか、試行錯誤している方も多いと思います。
 また、その為に多くの時間を費やし、たくさんのアウトプットを作成しています。
(私もたくさん却下された経験があります笑)

 しかし、こんなにたくさん分析して、力をいれた資料なのになぜ、理解してくれないのだろう?

というところに多くの共感が得られたようでした。

<会場に参加されていた産業医の先生方や保健師の方々からもとても好評でした。

大石のブログをご覧ください。

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