2016/03/11/金

大石佳能子の「ヘルスケアの明日を語る」

No.121 (2016/3/11)

━━ 皆様 こんにちは! ━━━━
 三月になり、暖かい日もあり、ホッとしていますが皆様はいかがお過ごしでしょう。一昨日は長野県に出張してきましたが、まさかの雪でした。地域によっては、まだ冬は続いていますね。風邪やインフルだけでなく、花粉症に悩まされている方もいらっしゃるようですし、どうかお身体気をつけてお過ごしください。
 さて、今回は診療報酬改定の第二段として、前回の在宅医療編に続き、病院・診療所編をお届けします。2年前と同じように激震が走っている在宅医療分野と異なり、病院・診療所関連の診療報酬は大きな改定ではありません。ただ、確実に「急性期病院の絞り込み」と「地域にける役割・機能の分化」は進んでいます。
 2年前の診療報酬改定時には、しばらくは大きな影響が見られませんでした。しかしながら、1年程経ったところで、影響が出てきて、病床の稼働率が下がり、経営が水面下に沈む病院が増えました。当社にも、主として銀行経由で、多くの再生案件、経営改善案件の依頼が来ています。今回の診療報酬改定は、この流れをもうひと押しするのではないかと考えられます。
 高齢化社会が進行する中、国が目指している「地域医療」、「地域包括ケア」の概念を把握し、いち早く地域の中での役割が明確な、差別化した医療機関となるのが、生き残りの道だと考えられます。右肩上がりの時代の勝ちパターンはもう通用せず、新しく地域と自院のファクトを見つめなおして、戦略を練り直す時期に来ているのではないか、と痛感する今日この頃です。
(代表取締役 大石佳能子)
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┃ ▼ 平成28年度診療報酬改定レポート(病院・診療所編)
┃     医療機関チーム コンサルタント 伊丹 晃仁
┃ ▼講演情報・ 掲載情報
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┃▼┃平成28年度診療報酬改定レポート(病院・診療所編)  
┃ ┃      医療機関チーム コンサルタント 伊丹 晃仁
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 平成37年(2025年)に向けて、国や各自治体が地域包括ケアシステムの整備を進める中、今回の診療報酬改定は小幅な改定にとどまった印象です。ただ、次回は医療・介護の同時改定が控えています。今回の改定が発するメッセージをしっかり理解した上で、各医療機関は地域におけるポジショニングをより明確にする必要があります。本稿では、平成28年度診療報酬改定が病院・診療所経営に及ぼす影響について、前回配信された在宅医療以外のポイントを纏めました。

1.急性期病棟の要件厳格化
 今回改定の最大のトピックスは「7対1病棟の要件厳格化」です。具体的には「(1)重症度、医療・看護必要度の区分見直し」「(2)重症度、医療・看護必要度の患者比率引き上げ」「(3)在宅復帰率の引き上げ」となりました。
(1)は、主に術後患者を評価する項目としてC項目が新設されています。またA項目に救急搬送及び無菌治療室での治療を評価する項目、B項目に認知症を評価する項目が加わっています。
(2)は、重症度、医療・看護必要度の患者比率が15%から25%に引き上げられる一方、対象患者比率の要件が「A項目2点以上かつB項目1点以上」「A項目3点以上」「C項目1点以上」に拡大されています。
(3)は、前回改定で設定された在宅復帰率75%が80%に引き上げられ、在宅復帰の対象先に在宅復帰強化加算を有する有床診療所が加わっています。
特に影響が大きいのが(1)(2)となります。
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平成28年度診療報酬改定(在宅医療編) | 株式会社メディヴァ (mediva.co.jp)

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┃▼┃講演情報・執筆情報
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◆講演情報
 弊社取締役コンサルティング事業部長の小松大介と、シニアマネージャーの村上典由が、以下のセミナーにて講演を行います。
 『2016年診療報酬改定から読み解く
             中小病院・クリニックの採るべき経営戦略』
 日時:2016 年5月12日(木) 午後2時~5時10分
 会場:SSK セミナールーム
       東京都港区西新橋2-6-2 友泉西新橋ビル4F
 受講料:1名につき 32,400円(税込)
 主催: 株式会社 新社会システム総合研究所   

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http://www.ssk21.co.jp/seminar/S_16128.html

◆執筆情報
■月刊病院 3月号
■(Data Maniaシリーズ 15回目)   弊社マネージャー鈴木将史が「死亡原因(がん)×人口構成」
   というタイトルで執筆しました。