2021/05/31/月

大石佳能子の「ヘルスケアの明日を語る」

入院してわかること ~患者視点の腸閉塞体験記~

リモート勤務も1年以上になり、かなり板についてきましたが、皆さんはいかがお過ごしでしょうか?私は今、リモート勤務で大変助かっています。というのは、ゴールデンウイークの1週間ほど前に腸閉塞で緊急手術をしました。術後1週間半で退院し、順調に回復していますが、家から勤務できるのは有難いです。

こういう仕事をして「患者視点」と言いながら、実際の患者視点に立つ機会はめったにないので、貴重な?経験でした。

私は元々10年近く前の手術で癒着を起こし、腸閉塞の既往症があります。でも前回から10年近く経っていたので、腸閉塞とは思わず、またなっても寝てれば治るものだと思っていました。でも調子が悪くなった時にたまたま居たクリニックの先生方が「帰る!」と騒ぐ私を救急車に押し込んでくださいました。都心の大きな病院に運ばれ、緊急開腹手術を受けたのですが、もう半日放置していたら死んでいたかもしれません。素人判断は危険ですね。

搬送先は、総出で探してくださったのですが、コロナ禍で非常に厳しく、自宅の近所は全滅。都心も探してようやく何とか受けてくれました。今、新型コロナ以外でも病気や事故に合ったら大変ということが、身をもって分かりました。

入院した病院は医療的にはしっかりしていて、皆さん親切で良かったです。でも、搬送された時、入れ替わり立ち代わり医師、看護師、技師の方が出てきて、全員「昨日何時にご飯を食べましたか?」と同じことを聞かれるのが辛かったです、、。バーコードは既に手首に巻かれているので、それをリーダーで読むと「最終食事昨晩8時半」とか出るようにならないか?と恨みました。

同じことを何度も聞かれる問題は、約10日間の入院中に何度も経験しました。日勤、夜勤の看護師が交代し、執刀医、指導医、研修医等複数の医師が出入りするたびに皆同じことを聞きます。情報共有、何とかならないかしら、、、。

あと、病院は人が多いですね。比較的落ち着いている病棟にも、忙しい時に合わせて施設基準より多めに配置しているので、もうちょっと効率化できるのでは?あと、外来は各科ごとに受付があり、そこに2-3人づつのクラークがいるのも、多い気がします。

一方、退院後の栄養士指導やリハビリには、もう少し人をつけてやってもいいのかも。コストが取れないからでしょうが、「術後の食事表」を説明されただけで、退院後は結構困りました。(今は、メディヴァの管理栄養士、理学療法士がついてくれています。)

都心の病院は一般的に個室代が高いのですが、私の個室は3万3000円。でも救急車で運び込まれると、初日は無差額。3日過ぎたら、無差額の部屋が空いたというので、移動。たまたまの部屋の位置でしょうが、無差額の方が景色が良く、違いはテレビが有料になることと、トイレ紙がダウングレードされただけ。無差額病室万歳!

約10日間の入院自己負担は44万円。無差額病室に途中で移動しても、手術して、ICUに入るとこんなになるんだ、、、と、病気になって困窮する人の気持ちがちょっとだけ分かりました。でも、アメリカだと10倍くらいするんでしょうね。日本の医療制度は有難いです。

入院した病院は全般的に優秀で親切で良かったです。友人、知人も褒めていましたし、やっぱり口コミはそれなりに正しいんだ、と妙に納得しました。

現在家でリハビリしながらオンラインで仕事をしています。どうしても出勤しなくてはいけない日のために、電動車椅子Whillをご厚意でお借りできました。次回は電動車椅子体験を共有させてください!