2022/03/16/水

大石佳能子の「ヘルスケアの明日を語る」

「人生100年プロジェクト」(経産省補助金事業)のご報告

 3月も半ばを過ぎ、たまに暖かい日もあります。今年の冬、一番ヒットだった買 い物は1700円の湯たんぽでした。エアコンが苦手なので、夏は冷房でなく扇風 機、冬は厚着と湯たんぽを抱いてしのいでいます。暖かくなって湯たんぽは仕舞 われ、今のヒットは息子にホワイトデーに貰ったアイマスク。明るくなる時間が 早くなっても、気にせずぐっすり眠れます。
 さて、先日経済産業省の「令和3年度ヘルスケアサービス社会実装事業費補助 金」の成果発表会がありました。メディヴァは「人生100年」という地域や職域 の課題に応えるビジネスモデル確立に向けた実証事業を行いました。

 「人生100年プロジェクト」では、寿命が延びる中、老齢期の早い時期から対 処することにより、後悔しない人生を最後まで自宅で過ごせるように支援しま す。老齢期を3期に分けて考えます。

・1期⇒心も身体もまだまだ元気。ここでしっかり「予防」!
・2期⇒不調が出てきて、老いを感じる。まだ「対策」できることは多い!
・3期⇒老いてくる。しかし適切な「対応」で、自分らしく、安全、安心に過ごす!

1期~3期を一気通貫で、「人生コーチ」と名付けた医療職がシームレスに伴走 するトータル・エンパワーメントサービスを提供します。
 特に1期では、心身ともに元気なうちから、①現状把握、②知識の習得、③プラン の作成、④実施をエンパワーし、地域の公的・民間サービスがタイムリーに導入 できる仕組を構築し、新たな需要・ビジネスを創出します。
 今年度は、1期「予防」、2期「対策」のサービス作りこみと実証を行いまし た。健康状態や日ごろの生活習慣、住まいに関する「棚卸健診」の結果に基づき 「人生100年コーチ」からのフィードバックを実施し、その後対面とアプリによ る伴走を行いました。
 新型コロナでやや小ぶりの実証実験になりましたが「気づきがあった」、「行 動が変わった」対象者が多くみられ、特に「棚卸健診」とフィードバックは好評 で、有償提供も期待できる結果となりました。
 3期は訪問診療看護、訪問介護等の公的保険サービスが中心となりますが、1 期、2期は自費サービスとなります。このため、全ての高齢者が対象とはいきま せんが、ある程度以上余裕のある対象市場は2000万人もいることが分かりまし た。また、ご本人にとっては、3期を施設で過ごすのに比べると、1~3期トータ ルで3分の1の自己負担で済みます。

 今後は1期「予防」、2期「対策」のコンテンツの充実(運動、ACP、社会参加 等)、パートナーとの連携強化を図るとともに、3期「対応」の仕組みを構築し ます。
 高齢者にスマホ、スマートウオッチは思った以上に好評であることも分かった ので、開発したアプリの完成、活用方法も模索とともに、センサーや遠隔声掛け 等のDX進めていく予定です。
 高齢者の8~90%が最期まで自宅で過ごす中、安心して自宅で過ごせるサービ スを作るべく頑張ります。私もそろそろ対象年齢なので、実はこれは自分のため だったりして、、、と密かに思っています。