RECRUIT BLOG
2021/07/16/金
カルチャー
コロナ禍における採用業務は具体的にどうやっているのか?出来るだけ実感をお伝えしてみたいと思い、採用チームのメンバーにアンケートを取り、私の体験も合わせて人事ブログに記してみたいと思います。
採用業務へのコロナ禍の影響は以下の2つに集約されます。
【1】面接をはじめとする採用プロセスが100%近くオンラインになった。
【2】コロナ禍の影響により世の中の動きと各求人への捉え方が変わった。
順に説明いたします。
目次
遠隔地在住の方、時間の制約の大きい方などのために、数年前から全体の1割程度はオンライン面接を行っていました。
当時は、オンラインでの面接精度は70%というのが私の感覚でした。ほぼすべての面接をオンラインにせざるを得なくなったとき、「オンラインで従来通りの面接が成り立つのか?」「オンラインで人の評価が出来るのか?」これが一番の不安要素でした。
結論から言えば、今はオンラインでの精度は対面の90%くらいはあると思います。
それまで感じていたオンライン面接の難しさは、
・相手の雰囲気がつかみにくい
・踏み込んだ話に至らない
・会話のテンポが上がらず打ち解けにくい
といったところでした。
雰囲気は口調、声のトーン、表情、しぐさなどから感じ取るところですが、オンラインでは伝わらないと思っていました。しかし、意識してみると、オンラインのほうが集中して感じ取れるように感じられ、むしろオンラインのメリットかもしれないと感じています。
踏み込んだ話になるかどうかは、こちら側の慣れ、感覚の問題だったように思います。以前は「オンラインでここまでのことを聞いて相手は答えてくれるのか?」と遠慮する気持ちがあったり、時間に制約のある方向けのオンライン面接もよくあったため、早く切り上げる気持ちになったりしましたが、すべてがオンラインとなり、覚悟を決めて聞くべきことはすべて聞くようにしたら特に問題なく話に入ることができました。
一番難しいのは、会話を弾ませることかもしれません。オンラインでタイムラグがあったり、音が途切れたりすると、どうしても確認とか事務的なやり取りが増え、会話のスピードを落としがちになり、会話が盛り上がっていかない傾向があります。
「会話が弾む」と言葉で書くと軽く聞こえますが、実はクリティカルなことだと思っています。面接では比較的多くの方が始めは事務的な受け答え、用意してきた答えを読み上げるような受け答えをされ、こちらが本当に聞きたいことに対して始めからご自分の言葉で答えてくれる方はそれほどおられません。
しかし、会話が弾んでくると、だんだんと会話に対して積極的な気持ちが生まれてきて、質問に対して「この質問には本音で答えたい。」「自分でもその答えを考えてみたい」と思っていただける確率が上がります。入社後に「自分でもそんな答えが出てきて意外だった」「自分の本音が自分でも分かっていなかった」という感想をいただくこともあります。
オンライン面接をやっていくうちに気付いたのは、面接ごとにお互いのIT環境によって、タイムラグの傾向が一定のことが多く、それを計算に入れて話しかけるタイミングを調整すると上手くいくことです。いちいち待って話すよりは、タイミングを見切って話すほうが会話のテンポが上がっていきます。
また、音が途切れたときに、少し待つと相手の発言が一気にまとめて届くこともよくあります。それが起こると思ったら、途切れたときにアタフタせずに少し待てば会話を問題なく続けることができます。余談かもしれませんが、その時こちらが声を出さず、動かずに待つことで、通信データ量が減って復活しやすくなるはず!と信じています。でも、それは根拠のない経験則で、本当は眉唾ものです(笑)
その日の相手に合わせて発言のタイミングや、言葉を待つ間を調整するのは少しスポーツのように感じています。
私は数多くのオンライン面接を行っているのでかなり慣れましたが、応募者の方たちは不慣れな場合も多いので、その点も解消しなければなりません。そこは採用チームのメンバーが、色々と工夫して対処を考えてくれました。
チームメンバーからアンケートの回答より、(以下【アンケート回答】)
「はじめは接続できる?オンラインで対話が成立する?と不安で、チームでZoom、Meet、スカイプなどでテストを重ねました。候補者の希望もお聞きしていましたが、結局はmeetが一番使いやすく汎用性も高くて定着しました。面接前に接続や面接の進め方について詳しい案内をして安心感を持ってもらえるように工夫し、接続テストを行い、面接の前に少し長めに会話してオンラインで話す感覚を掴んでもらってから岩崎さんに繋ぎました。今は皆さまも慣れてその必要はそこまで感じませんが、たまにオンライン慣れしていない方向けに同様の対応をしています。」
不慣れな応募者の方も、面接で不利にならないよう、こういった地道な努力を行っていることを皆さんにも知ってもらいたいと思います。
実はオンライン面接にはメリットも大いにあります。容易に想像できますが、時間的、場所的な制約が大幅に取り除かれて面接の調整は非常にやりやすくなりました。
「選考スピードが早くなったと感じています」【アンケート回答】
面接設定やフィードバックの集まり具合、評価者間の調整もオンラインで行うことなどから、選考のスピードが上がった面もありそうです。
考えてみれば、私たちの採用業務はこれまでも、ネットやメール、電話を通じたものの比率が高く、今回のコロナへの対応が比較的スムーズにできたのはそういう側面もあるだろうと思います。
大きな目で見たときに、採用のコロナへの影響はどうなのでしょうか?
求職者は増えた?減った?両方の影響がせめぎ合っている印象ですが、
「コロナ起因で動く人と逆に動くのをやめた人では、どちらかというと動く比率が高い印象です」【アンケート回答】
「2020年春~夏にかけては転職市場が活発で反応が良かったが、秋冬以降、医療関係の転職ニーズが落ち着いてしまい求職者が減ったと感じる」【アンケート回答】
と、この1年ちょっとですが変遷もありそうです。
「メディヴァの採用では医療へ関心を持つ人が増え、応募者が増えたと感じる」【アンケート回答】
少なくともメディヴァ、支援先医療機関など私たちと関連ある範囲での全体像としては、求職者は増えていると思われます。
新卒採用への影響ですが、
「コロナで新卒採用を控える企業も、との情報があり新卒生も早め早めに行動して就職先を確保したい雰囲気や、この機に医療経営や在宅医療などに興味を持つ方が増えたと感じている。メディヴァへの応募数は半年で昨年1年分に達しました。」
「今まであまり応募がなかった地方大からの応募も増えました。」【アンケート回答】
そのほかには、
「全体としてオンライン上での情報収集がより活発化したと感じるので、情報発信(及びキャッチ)の重要性は高まっている気がします。」【アンケート回答】
個々に見ていくと、さらに細かい部分での影響もあります。
「とても有望な内定者で本人の志望度も高かったのに、コロナの状況で通勤距離の点から家族に大反対されて辞退された方がいました」【アンケート回答】
「リモートワークが浸透した分、それができないポジションは応募が集まらないかも…と媒体の営業担当に言われることも増えました。検索条件に「リモートワーク」を入れる求職者がとても多いようです」【アンケート回答】
オンライン面接についての感じ方もそれぞれです。
「オンライン面接が主流になる中で、テストの実施などで対面面接が必要な場合については、面接のご案内をした際に不安を口にされる方もいらっしゃいました。
現状の感染対策を面接のご案内メールに記載したり、Twitterで写真付きで紹介したりと、安心していただけるよう様々な工夫をしました。お部屋の準備もより一層丁寧に行うようになったと思います。」【アンケート回答】
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いかがだったでしょうか。採用の仕事がコロナ禍にかなり影響された様子が伝わったでしょうか。今後も医療、リモートワークなどそれぞれの捉え方によって、感じ方や行動は変わってくるでしょうが、私たちとしては、世の中の動きや、候補者の皆さんの志向性、お気持ちなどを考えて、都度よりよい方法と、より確かな情報発信、よりパーソナルで質の高いコミュニケーションを常に心がけることで、良い採用(出会い)を作り続けていくことを目指します。(岩崎克治)