「日本式」とは? 中国の健診センターとの比較から│GLOBAL

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メディヴァ 海外事業部 コンサルタント 鮑 柯含

 「日本式医療」について、最近考えていることをお話します。その前に少し、私自身についてお話します。私は、中国上海の出身で、中国の大学でソーシャルワークを勉強しながら、精神科病院で実習をしていました。
 日本の精神医療と精神保健福祉の歴史と現在の取り組みに興味を持ち、日本の大学院に入学し、PSWについて研究をしました。社会福祉の現場で、医療と福祉の強い関係性を感じました。そして、利用者側が感じていること、制度政策の策定側が考えていること、サービス提供側が直面していること、色々な視点で医療と福祉を見たいと考え、メディヴァに入社しました(弊社では初めての外国人社員だったので、ビザの手続きが少し心配していましたが、会社の協力のおかげでスムーズに取得できました)。

日本式医療って何だろう
 入社後、日本国内の案件、中国の案件、両方ともに関わってきました。民間病院開設事業、公立病院の再生計画などの案件を通し、中国のヘルスケアの状況と日本の相違点がかなり多いことが感じられました。
 現在、海外の現地パートナーに期待されているのは、「日本式」の医療施設の開設です。そこに「日本式」といわれる医療、介護などのヘルスケアを、いかに表現するか。そもそも「日本式」とは何だろうか。事業を立ち上げるには、必ず解明しないといけないと思ってます。

東京の健診センターで感じた、中国との違い
 健康診断・人間ドックを例に、考えてみます。実は、昨年と今年、母が中国から来日し、連続2年日本で健診を受けました。1回目は、都内のおしゃれのシンボル、世界トップブランド名店が並んでいる表参道にある女性専用健診センターでした。2回目は、MRなど大型機器検査を求め、渋谷の中心にある施設にしました。
 施設として、どちらも豪華なものではないですが、居心地がよかったです。座り心地いいソファ、滑りにくいカーベットなど、あらゆる所に清潔感が溢れていて、暖かく感じました。それに対して、中国で健診を受けた健診施設は、華美すぎて、逆に落ち着かなかったと母が言っていました。
 ハード面だけではなく、接遇に関しても、中国とは違います。中国では、冷たい公立病院、作り笑顔で高いコースを勧誘する民間健診センターなどに、何か違和感がありました。一方、日本の健診センターは、2施設とも、コンシェルジェ、医師、看護師、どちらでも自然な表情で、程よい丁寧さでした。検査を少し待っていても、普段忙しくて読めない雑誌を読めました。寒いと感じる時、すぐに気付いてもらえて、ひざ掛けをかけてもらいました。
 何よりも、母が毎年受けに来たい理由は、やはり検査がしっかりしているところです。胃カメラや婦人科検査など、苦痛で普段できるだけ受けない検査項目は、日本でなるべくやりたいと強い希望していました。そこで検査の項目について、フルコースで検査したいと申し込みましたが、医師に「本当に心配でしたら受けてもいいですが、実は年齢や生活習慣と検査のリスクを考えて、必要がありませんよ」とアドバイスしてもらいました。
 健診後、中国の健診で指摘されたいくつかの点について、考えられる原因と対応もアドバイスして、ずっと抱えていた疑惑を解消できました。それは、中国で6年の健診歴でなかった経験です。唯一の不満というと、上部消化器内視鏡の前の麻酔薬が苦かったことだけでした。
 母の日本の健診センターの感想は、「穏やかな雰囲気」、「正確さ」、「納得できる」の3点でした。母のエピソードから、患者、そして海外の現地パートナーが求めている「日本式医療」は、一体どういうことだろうと考えさせられました。
 もちろん、経営者にとっては、日本の医療機器、日本ブラントでマーケティングできる要素も含まれていますが、その裏にあるのは、日本式と言ったら「信頼できる」というイメージがあると思います。そこに、本当の信頼できる」医療を創るには、メディヴァの中核的価値である「患者視点」が絶対欠かせないと思います。
 その「信頼できる・患者視点のある」医療を創るには、少なくとも以下の要素がベースとしてあると思います。

◎検査の精度が保証できる診断機器と技術
 日本のメーカーが含めて、精度の高い且つ高い精度が保ち続けられる医療機器と、それらを正確に操る医療従事者。

◎効率的なオペレーション
 患者に一人ひとりにしっかりした健診を提供するために、待ち時間を短縮させ、無駄な移動をさせない動線と検査の順番を作らないといけない。

◎ホスタピリティ
 十分な説明と真摯な対応。思いやり。

 以上の点は、曖昧で実現しにくいイメージがあるかもしれませんが、我々メディヴァは、どの国の事業においても、患者様にとって価値のある医療を作るために、最大の努力をしていていこうと日々取り組んでいます。同じような思いを抱えているパートナーも、ぜひお手伝いさせて頂ければと思います。

執筆者:鮑 柯含 Kehan BAO
株式会社メディヴァ コンサルタント。
中国上海出身。中国華東理工大学ソーシャルワーク学科卒業後に来日。日本女子大学、精神科ソーシャルワーカーについて研究。
医療と社会福祉の円滑な仕組みを構築し、高齢者事業を中心に中国と日本の双方に貢献したく、2015年に入社。 入社後、日本の経験を活かした海外での健診センター、高齢者事業の設立などを担当。

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