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メディヴァの人事ブログ
私たちの日常、仕事、仲間、価値観などを
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2020年08月21日(金)

【寄稿】熱中時代⑲  大相撲 ~ 一瞬の勝負にかける緊張感と美しさ ~ 

こんにちは、採用チームの村上です。
今回は、メディヴァの運営支援先である医療法人社団プラタナス 松原アーバンクリニックの田中啓先生より、寄稿していただきました。田中先生の大相撲への熱い想いをぜひご一読ください!

 

両国国技館(2階席から)
両国国技館(2階席から)

 

皆様、初めまして。プラタナス・松原アーバンクリニックの田中啓と申します。
2020年3月までは大学病院で産婦人科医をしておりました。現在は、松原アーバンクリニックのスタッフ、先生方にサポートいただき、在宅診療・緩和医療の勉強をしております。

今回、自己紹介で趣味欄に書いた「大相撲観戦」について、ブログ記事の依頼をいただきました。
「お相撲」と聞いて、皆さんはどのようなイメージを抱くでしょうか?

「おじいちゃんが夕方になると居間で一人で見ていた」
「エンホーだかエンドーだかは聞いたことがあるけど、どの力士も同じに見えて区別がつかない」
「強いのは外国人ばっかりなんでしょ」

私がかつて勤めていた職場でも(特に女性医師が多かったので)大抵このような反応でした。訪問診療に伺ったお宅でも、「お相撲が始まりましたね」と話題をふると「(若いのに)珍しい趣味をお持ちですね」と言われてしまいます。ですので、私も、大相撲に無理に興味を持って欲しいという気持ちはありません。(事実、私の家族も誰一人、同じ趣味を共有してくれません)ただ、せっかくの機会を頂いたので、思うところを自由に書かせていただこうと思います。

両国国技館 正面入口・相撲浮世絵前で(8年前)
両国国技館 正面入口・相撲浮世絵前で(8年前)

 

◆相撲の魅力

「そもそも相撲って何が面白いんですか?」

もちろん、話しだせば止まらないのですが、あえて選ぶとすれば「一瞬の勝負にかける緊張感」と「美しさ」です。
相撲の取り組みでは、実際に力士が“プレー”をしているのはごくわずかな時間です。数秒で勝負が決する場合もありますし、長くかかったとしても1-2分程度です。土俵上での攻防もありますが、立ち合いでいかに有利な体勢になれるかが勝負を大きく左右します。日々の稽古の成果が、たった数秒で終わってしまうのです。

だから、立ち合いの瞬間の緊張感は、見ているこちらの息が詰まるほどです。取り組み前は、懸賞の旗が紹介されたり、声援が飛んだりしてざわついている会場が、力士が仕切り線に手をつくその直前、一瞬しんと静まり返ります。優勝が決まる取り組みでは、テレビで見ていても緊張感が伝わってくるような気がしてゾクゾクします。
私は、学生時代に陸上競技(短距離、跳躍)をしていましたが、そのスタートの瞬間に似ているのもあります。研ぎ澄まされた緊張感、一気に湧き上がる興奮、力士と観衆の一体感が大相撲の魅力だと思います。

また、相撲は、古来より行われている日本の伝統的なスポーツですので、儀式(神事)としての側面もあります。力士の所作(仕切り、土俵入り)や相撲が行われる場所(土俵、吊り屋根)には、日本文化としての美しさがあります。さらに、相撲は、道具を持たないどころか、身に付けるのはまわしのみで、その肉体をさらして行う競技です。よく稽古をして鍛えている力士の肌は、新陳代謝がよく、余分な脂肪が落ちており、「張りがある」と言われます。ぜひ、強い力士の背中を見てみてください、その美しさも魅力の一つです。

お宝グッズ その① 絵葉書
お宝グッズ その① 絵葉書

 

◆外国出身力士について

日本の伝統的スポーツでありながら、外国出身力士が上位を占めることに批判的な声もあります。振り返ると、もともと外国出身力士の先駆けは高見山から始まるハワイ勢(小錦、曙、武蔵丸)でした。その後、ヨーロッパ出身の力士(琴欧洲、把瑠都)が台頭し、最近ではモンゴル出身力士が多数上位で活躍しています。現在も2横綱は白鵬関と鶴竜関のモンゴル出身力士で、特に白鵬関は絶対的な強さを誇り、数々の記録(優勝回数など)を塗り変えています。
もちろん、日本人なので、日本出身力士にも活躍して欲しい気持ちはあります。朝青龍が活躍し始めた頃より日本出身力士の優勝がなくなってしまい、2016年初場所で琴奨菊関が優勝するまで実に10年の空白がありました。幾度となく外国出身力士の壁に跳ね返されてきたのを見ていたので、その瞬間はとても興奮しました。

しかし、個人的には、外国出身力士も同じように応援しています。彼らは、文化も風習も違う日本にやってきて、相撲部屋で文字通り日本人と寝食をともにして過ごしています。日本語もきちんと勉強し、とても流暢に話します。インタビューで通訳使っている力士を見たことがありますか?(サッカー選手や野球選手は通訳を使っていますね)彼らは、日本の“力士”として成長し、日本の相撲文化の中で生きているのです。

個人的に印象的だったのは、2010年名古屋場所の白鵬でした。当時、現役力士の賭博問題が明らかになり、名古屋場所はN H K放送されず、優勝賜杯(優勝トロフィー)の授与もなくなりました。その場所で優勝した白鵬は、取り組み後のインタビューで涙を流して賜杯を抱けない悔しさを語っていました。私は、異国から来た青年が、涙を流すほど日本の相撲を思ってくれていることに胸を打たれました。

もちろん、日本出身力士と比べて身体的優位性があり、有利な面もあるでしょうが、大きいだけが良いわけではありません。最近では、小兵力士の活躍(炎鵬、石浦、照強)も目立ち、日本出身力士も負けずに活躍しています。ぜひ、外国出身力士の出身地ではなく、彼らが日本で磨き上げた技量に注目し応援してあげて欲しいと思っています。

お宝グッズ その② 稀勢の里グッズ
お宝グッズ その② 稀勢の里グッズ

 

◆大相撲を楽しむために

周りに強要しないと言いましたが、少しでも相撲に興味を持って頂いた方に向けて、大相撲初心者がどうしたら楽しめるか、について書きます。

ずばり、ぜひ、“推し”力士を見つけてください。N H Kで夕方に放送される時間帯に相撲をとるのは、幕内力士40名程度です。この中から、一人でもよいので“推し”力士を見つけて応援しましょう。
“推し”力士の見つけ方は、いろいろありますが、おすすめは出身地や出身校が自分と同じ力士です。きっと親近感がわきます。すべての都道府県を網羅するほどはありませんが、各地方に一人くらいは関取がいますので、ぜひ同郷力士を見つけてください。もちろん、ビジュアルで選ぶのも良いと思います。遠藤関(お茶漬けの宣伝で有名)や炎鵬関は端正な容貌が人気で、女性ファンもとても多いです。

少し玄人的な楽しみ方は、かつて活躍した力士の弟子や子・孫世代に注目することです。現在、朝青龍の甥(豊昇龍関)や大鵬の孫(納谷)、琴ノ若の息子(琴ノ若関、同じ四股名)が活躍しています。さらに玄人的な楽しみは、テレビ・ラジオ放送の解説です。放送の解説には親方が日替わりで登場しますが、最近引退した親方も出演します。現役の力士はあまりベラベラ話をしないので、現役時代を知る親方が引退後にどのような話をするのかが結構興味深いのです。

お宝グッズ その③ 応援タオル
お宝グッズ その③ 応援タオル
お宝グッズ その④ マグネット
お宝グッズ その④ マグネット

 

とりとめのない文章になってしまいました。大相撲観戦が楽しくなると、一年に6回、2ヶ月ごとに2週間の楽しい期間がやってきます。新型コロナウイルスの感染拡大で難しい状況にありますが、細心の注意を払いながら場所を続けてくれる協会と力士には頭が下がります。

もし、少しでも大相撲に興味を持っていただけたら嬉しいです。

プラタナス・松原アーバンクリニック
田中 啓