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メディヴァの人事ブログ
私たちの日常、仕事、仲間、価値観などを
理解していただくために綴るブログです。

2020年06月17日(水)

アフターコロナへ向けて在宅勤務について考える②(メリット・デメリット・対応策)

前回は緊急事態宣言下のメディヴァにおける在宅勤務の現状をまとめましたが、実際に在宅勤務を行ってみて社員が感じたメリット・デメリット、課題や悩みとそれに対して実践した対策について見ていきます。

回答は自由記述で書いてもらいましたが、内容を見るといくつかの分野にまとめることが出来るので、分野別に紹介してそれぞれの意味合いについても考えてみます。

◎時間に関して

まず、メリットとして圧倒的に回答が多かったのが時間に関するもので8割を超える社員がこれに触れていました。内容は以下のようなものです。

【時間が増える、時間の柔軟性が増す】
・通勤時間、移動時間が減る(約5割が回答)
・時間の融通が利く(約3割が回答)

時間に関してデメリットを上げていた社員はほとんどいませんでしたが、
・家族の食事準備や世話が増えて手間が増えた
・移動時間がないので打合せがどんどん入り疲れる
・通勤時間にしていたことが出来なくなった(読書、勉強など複数)

といった回答もありました。これは時間的なデメリットと直接は言えないものの、通勤や移動が減る分がそのまま時間の余裕に結びつかない場合もありそうです。

◎集中に関して

在宅勤務にすると集中できるという回答も多く、
作業に関して集中できるというコメントが約3割、
思考面で集中できるという回答が約2割の社員からありました。

一方で逆に集中が難しいといった趣旨や、在宅勤務では集中を妨げる要因を挙げる回答もあります。
・子供やペットが邪魔をしてきて集中の妨げになる(複数)
・子供の保育に関わりながらだと集中できない(複数)
・仕事モードへ入るのが難しい(複数)
・ダラダラ仕事をしてしまう
・息抜きが不足して集中が落ちる時間もある

自宅が必ずしも仕事に適した環境ではない場合もありそうです。また、今回は学校も一斉休校していたというのは特殊事情であり、そこは在宅勤務とは切り離して考える必要があると思われます。今後は、「在宅」というよりはオフィス以外、リモート勤務、といった面で新たな方法が必要となる可能性が高いように思います。

◎コミュニケーション面

コミュニケーションについては多くの回答がありました。内容としてはメリットとデメリット(懸念を含む)の両方が上がっています。

【メリット】
・コミュニケーション量が増えた(約2割が回答)
・リモートの場合は、時間的、地理的に制約を超えてメンバーが集まれる(複数)
・文字経由の伝達が増えた分コミュニケーションエラーが起こりにくい
・webのほうが意見を出しやすい
などが上がりました。

コミュニケーションが増えたのは、在宅勤務に移行するにあたりWEB会議システムで毎朝朝礼を行うなど、部署としての仕組みを取り入れた場合です。また、忙しいメンバー、地理的に分散しているメンバーでもリモート会議なら集まれるという面から、コミュニケーションが増えたと感じる場合もあるようです。

【デメリット・課題・悩み】
・社内、チーム内のコミュニケーションが減っている(約2割が回答)
・ちょっと迷った時、作業が少し行き詰まったときなど聞きづらい(約2割が回答)
・気軽な相談、ちょっとした情報交換がしづらい(複数)
・何気ない情報量が減るのはマイナス(複数)
(特に入社後間もない人にとって)
・雑談が無いのは寂しい、業務が重ならない社員のことが分からない(複数)
・自然と行われるコミュニケーションで自分の業務を客観視することが減った。
・チーム感の醸成が困難なときもある。
・判断のために情報を集めるときメール等ではニュアンスが分かりにくい。
・メンバーの顔色が見えないので理解度などが分かりづらい。
・文字経由のコミュニケーションが苦手だと仕事がうまく進まない場合もある。
・文章で伝える難しさを感じた。

【対応策】
・部署全員で毎朝web朝礼をする(約1割が回答)
・在宅勤務用にチーム体制を作り仕事の相談や割り振りコミュニケーション(約1割が回答)
・インフォーマルのビデオチャット、雑談(約1割が回答)
・オンライン飲み会(複数)
・PJ以外のメンバーとあえてビデオミーティングをする
・電話ではなくあえてビデオ通話にする
・文字でも感情やニュアンスを表す工夫(絵文字や句読点の活用)

コミュニケーションについてはメリットとデメリットは拮抗しているように思います。
ただ、デメリットや課題の多くは、リモートでちょっとしたことを話す習慣がないことや、ツールがまだ発展途上ということに起因していると思うので、かなり解消可能なはずです。また、リモートの場合はやり方によってコミュニケーションを増やすポテンシャルは大きいので、これから先リモート上でコミュニケーション、組織を作り上げていくことでかなり変わってくると思います。

リアルに人が顔を合わせることが必須の場合もあると思いますが、それが何なのかは、これから真剣に考えて試行錯誤して明らかにしていく必要があると思います。いずれにしても、コミュニケーションの部分は在宅勤務、リモートワークを普及し、発展させていくうえで最も重要な分野なので、引き続き注視していくべきだと思います。

◎業務、業務環境全般について
【メリット】
・仕事を自分のペースで進められる(約2割が回答)
・業務環境を自分向きに出来る(複数)
・個人の書籍などがすぐに参照できる
・専用webブース数の制限から解放されてweb面談が増やせる

【デメリット・課題・悩み】
―業務の進め方等
・ちょっと迷った時、作業が少し行き詰まったときなど聞きづらい(約2割が回答)
(コミュニケーションの項と両方に分類)
・機密書類などオフィスでなければないものがあり効率が落ちる(複数)
・一部の仕事の負担がメンバー間で偏ってしまう(複数)
・新しい人への教育が困難(複数)
・複数メンバーが触発しあって価値を生み出す面が減る懸念
・対面だと何となく進んでいたが、仕事の進め方のクセがそのまま出る
・在宅勤務になるとメンバーによりアウトプットの良し悪しが出やすい
・通常より忙しくなった
・WEB会議が長引き作業時間が減る
・電話が増える
・同じ効率で仕事をこなさなければというプレッシャーがキツイ
・仕事結果へのストレスが大きくなった
・自分は在宅勤務向きではないと分かった

―業務環境
・家族間での場所やweb回線がかぶる(複数)
・子供が仕事の邪魔をして困る(複数)
・オンラインのツールへの不慣れ(数種類の使い分け)
・ネット回線についてのセキュリティ(少し心配。実質的問題は出ていない)
・家の騒音が少し仕事の妨げになる
・オンラインで音声が途切れるときなど会話がスムーズにいかない
・VPN回線がない場合、社内でしかアクセスできない情報がある
・契約書への捺印などが出来ない
・コピー機が無いので効率が落ちる場面がある

【対応策】
―業務の進め方
・在宅時と出社時の仕事をしっかり整理しておく
・仕事はより計画的にする。細かいタスクを整理して休憩時間も計画に入れる
―業務環境
・環境整備(PCの位置、新しいキーボード、サブモニター、バランスボール)(複数)
・近隣のカフェで仕事をする(複数)
・机上の整理
・自宅のネット環境整備(会社のシステム部門にサポートを依頼)
・家庭内での隔離スペース確保
・書類を電子化
・時短で在宅
・家族(夫、子供)の協力を得る
・実母にサポートを依頼

業務については、業務の進め方と業務環境面を合わせて紹介しました。いずれもこれまでオフィスで仕事をする前提でいたところから、在宅勤務になったことによって、まだ整備・準備の不足が露呈しているようです。これらは仕組みや環境を整備することで解消していけるので、それほど重大ではないと思います。

それよりも、“新しい価値を生み出す力”がリモート・分散の仕事環境で減ることがないのか?逆に、さらに向上していくことが出来るのか?といったことがと非常に重要だと思います。コミュニケーションのところでも触れましたが、今後最も注視して考えていく必要があると思います。

◎健康、体調(メンタルを含む)に関するもの

健康、体調に関することもかなり多くのコメントがありました。特に運動不足についての回答が多くありました。その他にも、一人で仕事を進めることで寂しさや閉塞感を感じること、肩こり、腰痛、目の疲れも多くの人が感じているようです。メリットも挙げられたものの、この部分については、デメリットや懸念のほうが多い印象です。

【メリット】
・体力的に余裕が出来る(通勤での疲労が軽減)(複数)
・ジョギングなど運動に時間を充てられる(複数)
・睡眠時間が増やせる(複数)
・ランチを自炊でき健康的(複数)
・夕食が早くなり健康的
・朝のバタバタが無く子供に穏やかに接することが出来る
・満員電車からの解放でストレスが減った
・コロナにビクビクせず精神的に落ち着いていられる

【デメリット・課題・悩み】
・運動不足(約3割が回答)
-油断をすると一歩も外出しない
-通勤がないと運動が圧倒的に不足
-通勤で自然にできていた運動が無くなり別の運動が必要
-歩数が20分の1
-夜気付いたら500歩くらいで愕然
-1日1万歩の確保が困難

・会社より仕事環境が悪いため姿勢が悪くなる、肩こり、腰痛、目の疲れ(約2割が回答)
・外へ出ない、ずっと一人、寂しさ、閉塞感などによりストレスが溜まる(約2割が回答)
・体重が増えた(約1割が回答)
・間食が増えてしまう(1割が回答)
・身体が固くなる、縮こまる(複数)
・運動不足→ストレスが溜まる(複数)
・距離の制約がなくなり仕事の密度が上がったため疲れる(複数)
・酒量が増えた(飲み会が無いので家で毎日。。)
・食事、休憩の区切りがあいまいになり変な疲れが残る
・寝つきが悪くなった
・WEB会議は目が疲れやすい

【対応策】
・朝ラン、毎日のジョギング(約2割が回答)
・筋トレ、ストレッチの機会を意識して作る(約2割が回答)
・毎日何か体のケアをする(散歩、寝る前ヨガ、半身浴など)
・毎朝散歩(複数)
・昼休みに散歩(複数)
・ラジオ体操やスポーツ系TVゲーム(複数)
・近隣のカフェを利用することで歩く(複数)
・合間に家の中でウォーキング
・自宅のエアロバイクで運動
・室内運動器具を購入
・毎日徒歩で(疑似)出勤
・1時間に1度は外に出る
・WEBGYMを活用して自宅で運動
・立って仕事をする
・週に1回は出社して、メンバーの顔を見る
・ベランダワーク
・目薬をさす
・(社内)ヒーリング班のオンラインヨガに参加
・習慣化アプリで飲酒頻度をチェック

これらについては、在宅勤務が広がるとすれば、必ずクリアしなければならない課題だろうと思います。中長期的な影響も含めて状況をモニターして必要な手立てを講じていく必要がありそうです。これはメディヴァがクライアントに対して価値を提供している分野であり、まずは自社で在宅勤務が不健康につながらないことを確認し、リスクへの適切な対応を把握していくことが重要です。

◎生活に関するもの
生活の場である自宅で仕事をすることの影響は、当然生活面にも及びますので、これに関する事柄も様々なものがありました。 

【メリット】
・家を整えられる(複数)
・布団を干すなど家事に毎日対応できる(複数)
・家族の時間が増える(複数)
・窓から明かりを入れられる、温度調節が出来る(複数)
・好きな音楽をかけられる
・化粧にかける時間が減らせる

【デメリット・課題・悩み】
・切り替えが難しい、息抜きがしづらい、仕事モードが抜けない(約1割が回答)
・タイムスケジュールが乱れやすい
・家族の昼食準備の手間が増える
・通勤時間にしていたことが出来なくなった(読書、勉強など複数)
(時間に関することと両方に分類)
・服装に無頓着になった
・太陽の光を浴びない

【対応策】
・生活パターンの確立(ルーチンを決める、起床時間を変えないなど)(複数)
・在宅でも毎日化粧と着替え(複数)
・土日はメールを見ない、土日に仕事のことはしない(複数)
・タイマーを使って時間を意識する
・読書の時間を確保
・昼食の作り置き

◎家族に関すること

【メリット】
・家族の時間を増やせ関係が良くなった(複数)
・子供が安定する、安心する(複数)
・子供に母(父)の働く姿を見せられる(複数)
・ペットの対応ができペットの健康によい

【デメリット】
・子供がずっと家にいるので子供の社会性が落ちたと感じる
・夫婦関係がギクシャクする場面がある

家族、家族関係について、数は多くないものの、これからの働き方を考えるうえで重要なポイントが挙げられていたように思います。昔から職住接近が当たり前の仕事や地域などはあると思いますが、それが都市部に広がったときにどうなるのか。仕事の場と家庭を分けること、一緒にしていくことにメリット、デメリットの両方があり得ると思いますが、良い部分を活かして仕事、家族について新たな形、バランスを探っていくことが大切だと思います。
―――

いかがでしょうか。
驚くような意外な答えは無いように思いますが、多くの社員が現実に在宅勤務をしたときに感じたことの集積を目にすると、頭で理屈として考えるだけよりも重みを感じます。新しいことに取り組めば必ず課題は出てきますが、おそらくそれを乗り越えていったときに、会社、事業、仕事、個人を進化させる大きなポテンシャルがあると感じます。
次回は、社員が思う「アフターコロナ」とはどんな姿なのか、私の考えも交えながら紹介したいと思います。(岩崎克治)