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メディヴァの人事ブログ
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2018年04月10日(火)

ロジカルシンキングについて思うこと

世の中に「ロジカルシンキング」という言葉はすっかり定着した感じです。

ロジカル(LOGICAL)もシンキング(THINKING)も、その組み合わせも一般的な単語だと思うのですが、「ロジカルシンキング」となると、コンサルティング会社の「手法」であったり、仕事で使う方法論という雰囲気が出てきます。

そしてさらに、ロジカルシンキングを実践することで打ち出の小槌のように正しい考えが出てくるように思われている節もあります。

実は私はこのロジカルシンキングに対しての見方や雰囲気にずっと違和感を持ってきました。今回はその違和感についてと、ロジカルシンキングをどう捉えれば良いのか、私の考えを説明させてください。

まず違和感の第一は、ビジネスや日常の世界でロジカルシンキングと言われるものはそれほどロジックとして厳密ではないことです。一番のポイントは、因果関係や、どうしてそうなるかという原理を用いて正しさが証明されているものは少なく、数字的な相関があるというようなレベルか、状況証拠を合わせるとそうかもしれないというレベルのものが非常に多いことです。

世の中全体を見れば、科学や工学の分野はそもそも全体がロジカルであり、因果関係や原理、根拠によって正しさが証明されてきた世界です。自然はもともと物理的、化学的な原理に従ってロジカルに動いています。ですから、故障していなければ自動車は常に走るし、コンピューターは正しく動作する訳です。それに比べると、ビジネスの世界のロジカルは厳密でなく、「正しさ」ということに関しては、結果として非常に低いレベルになる場合も多くなります。ロジカルシンキング=必ず正しい、と思い込むのは危険です。

そして違和感の2つ目は、良い考え、役に立つ考えや新たなアイディアは、ロジカルに頭を働かせているだけでは出てこないことも多いということです。科学上の発見、技術的な発明などはある日突然に何の脈絡もなくひらめいたという例に溢れています。
このような場合には、ひらめいたものが本当に正しいのか、機能するのかを後からコツコツと確かめたり、なぜそうなるのかという原理を後から追究したり、説明したりすることになります。

もちろん、ロジックを追いかけていくことで、何かが発見されたり発明されたりする場合もあると思います。ただ、「理屈から言えばこうなる」という話は、既に分かっている理屈から言えば、ということが多いでしょうから、どちらかと言えばつまらないものが生まれる可能性のほうが高いように思います。

つまり、世に言うロジカルシンキングは、ロジカルという意味では広い範囲を厳密にカバーして正しさが保証されている訳ではなく、それが単独で新たな考えやアイディアを創出する特別に優れた方法でもない、と思っています。そして、その割には「万能である」かのように受け取られている場合が多く、「ロジカルにロジカルに」と気を取られていると、かえって重要なことが見逃される場合も多いように思います。

それでは、「ロジカルシンキング」には存在意義はないのか?というと、そんなことはまったくないです。むしろ非常に役に立つツールだと思います。私は「ロジカルシンキング」の受け取り方が違うと、その良さを生かせないばかりかマイナスに働く場合もあるので、それではもったいないなあ、ということを言いたいのです。

私自身、新卒でマッキンゼーに入ったときに、考え方を刷り込まれて、そのあとにずっとこのツールを活かして生きてきたし、多大な恩恵を受けてきたと思っています。ロジカルシンキングをどのように捉えて、どうやって活かしていけばよいのか、以下に私の考えをお伝えしたいと思います。

なお、今回の内容はある程度、世の中で流布しているロジカルシンキングについて知っていて理解している方を対象に書いているつもりです、そうでなければ何のことを言っているのか分からない部分もあると思います。ただ、これから学ぼうと思っている方にとっても、大事だと思いますので、今はよくわからなくても、とりあえず頭に入れておいていただければ、あとから役に立つと思います。

まず、ロジカルシンキングというのは、どう捉えたら良いのか、どの範囲をカバーしている何だと思えば良いか、私の考えですが。

・多くの情報や考え方、起こっている現象、その原因かもしれない事を整理/分類するもの。
・整理・分類したもの同士の関係(因果関係、包含関係などを)や、まとめたときの意味について、ある程度の曖昧さを許容しつつ把握するもの。
・さらにもう一歩進んで、原因と結果の関係や、起こり得る確率についての推測を明示するもの。

ということで、ざっくり言ってしまえば、情報や考えを整理するためのツールだと思います。

そして、何の役に立つのかといえば、そういう整理をすることによって、
・重要なことが抜けていないか、特定のことに偏ったりダブったりしていないかをチェックできる
・考えていることが自分にも他の人にも理解しやすくなって、その後の物事の進行の中で、間違いを発見したり、議論がしやすくなる
・本当に頭を使って考えなければならない部分が分かりやすくなり、そこに集中することが可能になる
といったことだと思います。

人が考えたり情報収集したりする場合に、どうしてもその人なりの偏りや思い込みというのが出てきますので、それらを正したりすることが可能です。

また、これまで考えたことで足りないなら、どのあたりが抜けているのかという「あたり」を付けることで、そこについて知恵を絞ったり、人の助けを借りることで物事が前に大きく進むこともあると思います。

そして、考えていることに理屈が通っているかというチェックができます。厳密ではないにせよ、「なぜそう言えるのか?」言葉の上で言えないことは正しくない可能性が高いと思います。

しかし、整理、分類、チェックだけでは本当に良い結果を得るには足りない場合も多々あります。整理分類して因果関係の推測や意味合いについて考えるというレベルだと、言葉の上でどのようにでも出来る部分がありますし、大もとの「考え方」「アイディア」というものがスカスカだと、それらを整理しただけで、何か大きな達成があるとは思えません。

私の頭にあるイメージは、エンジンのない自動車のようなもので、そのなかでいくらブレーキやハンドルについて工夫をしても、そもそもその自動車は走らない、というようなことです。

最初に二つ目の違和感としてあげた、「良い考え、役に立つ考えや新たなアイディアは、ロジカルに頭を働かせているだけでは出てこないことも多い」に関して言えば、目的を設定してそのために解決するべき分野をロジックで絞り込み、どうしてもクリアしなければならない部分を明らかにすることで、そこにブレイクスルーが生まれる可能性が高まります。

科学や技術における厳密なロジックと、いわゆるロジカルシンキングの併用であり、役割分担とはこういうことだと思います。科学的、技術的に厳密に正しくなければというロジックだけでは行き詰るケースなども多いので、こういう併用はとても大事だと思います。

大事なことは、目的を持って物事に取り組むことと、その成功や達成、あるいはトラブルの解決のために、まずは「どうするか?」と頭を使うということです。そこから色々なことを考えたり調べたりしたときに、それをうまく整理したり、多く人と共有し議論し、活動を方向付けることで、成功の確率が上がるのだと思います。

このように、ロジカルシンキングというのは、目的と思考や活動があって初めて生きてくるツールであって、単独で何かを生み出すということは少ないものだと思います。エネルギーと強い目的意識に溢れていて、情報や考えも溢れてしまって整理しきれない、とか、偏りがあって方向付けを正しくする必要がある、といった人が活用すると大きな成果が出るでしょう。

いずれにしても、正しく位置付けることによって、様々な場面で役に立つ考え方・ツールだと思うので、そのように捉えられて世の中に新しい成果、多くの人の役に立つ成果が多く出ることを願っています。(岩崎克治)

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