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募集職種・エントリー

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メディヴァの人事ブログ
私たちの日常、仕事、仲間、価値観などを
理解していただくために綴るブログです。

2017年11月17日(金)

考えの深さと行動力

「考えが深い」「考えが浅い」というような言い方がよくされます。
私もよく、面接のときに「この方はどれくらい深い考えを持っているのだろう?」ということを考えます。「深い考え」とは、どんなことを意味しているのでしょうか?以下が私の考えです。

【考えが深いとはどういうことか?】

考えが深いとは、例えば、何かトラブルが起こったようなときに、目の前に現れている事だけに目を向けるのではなく、その原因、さらに原因の原因など、背後に隠れていることまで考える、というようなことでしょう。また、ある行動がどの範囲まで影響するのかを考えるときに、より広い範囲を視野に入れるて考えられているかも、考えの深さの一種といえるでしょう。

これらのことはどちらかというと、「量的」なイメージで捉えた場合ですが、「質的」な面での深さもあります。外面から見た因果関係というレベルではなく、その因果関係がどんな原理、メカニズムで起こるのか、という所まで掘り下げれば、考えはさらに深いと言えるでしょう。

「原理」というのはどういうことか?イメージを伝えるとしたら、概ね、中学や高校、大学の各学科で学ぶような、物事の根本に働いているメカニズムを想定すればよいと思います。電気で物が動く原理、力学の法則、生物の仕組み、化学反応の原理、経済の仕組み、人の心の動き、ビジネスの基本的な仕組み、といったようなことです。

もう一つ、考えの質に関連しているのは、物事を見るときの「視点」だと思います。例えば、ビジネスを考えるときにお客さんをどうタイプ分けして考えるか、といったところです。どんな基準で比較するのか、その基準をどうやって測って比較するのか、というようなものが「視点」だと思っています。このような物事の見方が独自であり有効であれば、そこから発した考えは「深い」と言えるのだと思います。

このように、深さ・広さの量的な部分が、他と比較して優っていたり、原理やメカニズム、視点の面など質的な部分でも優っているときに、その考えが深いのだと思います。

【どうすれば深く考えられるようになるか?】

それでは、深く考えることが出来るようになるには、どうすれば良いでしょう?まず第一歩は、今の時点での考えが「深い」と言えるのかどうか?それを知ることだと思います。

何かの問題意識を持って、それを解決するためにどうすれば良いかを考えているような場面を想定します。例えば、売り上げ不振の会社があって、売り上げを回復したい、ということを考えているとします。

それに対して、売り上げが上がらないのは、主力製品であるA商品の〇〇性能(例えば洗剤なら洗浄力など)が競合X社よりも劣っているのが原因だと考え、Aの性能を上げるという解決策を立てたとします。

この考えは深いといえるでしょうか?どうすればそのように判断できるのでしょうか?例を挙げながら考えてみます。

1:「なぜ?」を何度も掘り下げられているか?

もし私が、この答えを出した人の上司でそれを判断しようと思ったときには、まず「なぜA商品の〇〇性能が劣っていることが当社の売上不振の原因だと思ったのか?」と質問します。

そこで、競合X社と自社のA商品を比較してみると、〇〇性能が劣っているので、お客さんはX社のものを選ぶだろうなと思い、おそらくそれが自社の売り上げ不振の原因ではないかと、、、というような答えが出たとします。

この答えの中で、事実は、自社製品の性能がX社のものより劣っている、ということだけで、あとは推測や思いこみで判断をしています。冗談のような話しですが世の中ではこのようなことがよくあります。

この答えの中には、ざっと考えただけで、
 ・自社の売上不振のほとんどは、A商品の売上不振に起因している。
 ・A商品はすべての販売ルート(例えばスーパーとか、ネット販売とか)で、競合X社の製品と併売されている。
 ・A商品の性能は〇〇が一番重要であり、すべてのお客さんは〇〇を比較して購買の判断をしている。

というような前提が置かれています。これらがすべて正しければ、この考えは正しいと思われますが、仮にそうではなかったとします。

そこで、さらに「なぜ」や「どうなっている?」と以下のようなことを確かめていきます。
 ・商品別の売上の推移→ どの製品分野で売り上げが落ちているのか
 ・さらに、どの販売ルートで落ちているのか
 ・その販売ルートでなぜ売り上げが落ちているのか(競合に負けている?その販売ルート自体が衰退している?)
 ・競合に負けているとしたら、どの要素で負けているのか?(性能?価格?使い勝手?)

こういったことを考えていくことで、よりクリアに問題が見えてきます。

その結果、
 ・売上不振は、A商品がスーパーマーケットでの販売を落としていることが原因
 ・最近お客さんはA商品をスーパーではなく、ほとんどネット通販で買っている
 ・自社ではネット通販のルートではA商品をほとんど売っていない
 ・A商品を競合製品と比較すると、性能は劣っているのに値段が高いのが問題
 ・性能に応じた値段にすれば、競争力はある

というようなことが分かったとします。その場合、対策はA商品の価格帯の調整と、販売ルートをシフトさせるということであるはずです。

さらに、「なぜ」を重ねて、どうしてそのような事態に至ったのかを考えると、販売ルート別の売上を把握していなかったとか、営業部隊が旧来の販売ルート別に編成されていて、ネット通販担当者がいなかったとか、商品の購買がどの要素によって決まっているのか?や、競合との比較などを調べる担当部門がなかったとか、そういった問題も出てくるかもしれません。

自社の開発能力が劣っていることも有り得ます。開発費をいくら投資するのか、開発能力の高い人材や組織をどうやって育てるかということが重要かもしれません。

このように、「なぜ」を何度も重ねていくことで、分かってくることや考えることが変わってきます。製造業の開発や生産技術のノウハウとして、「なぜを5回(5段階)繰り返せ」というようなことも言われていますが、いつもその通りだなと思っています。5回なぜ?と繰り返したときに答えられるかどうか、はとても有効なバロメーターだと思います。

この「なぜ5回」を上司に聞かれなくても、自分で繰り返すうちに、その考えがどれくらい深いのかを判断できるようになってくるはずです。

2:原理に近いところまで考えが至っているか?

そして、なぜを何度も繰り返すうちに、根本に近い疑問に行きあたることが多いはずです。「開発能力が高いというのはどう定義されるのか?」「その能力はどうやったら高められるのか?」「人の能力はどういう原理で高まるのか?」
というようなことで、最後は脳のニューロンの話に行くのかもしれないですし、学習心理学というようなところへ行くのかもしれません。経営学の組織開発の原理原則に行きつくのかもしれません。

深さを判断する上のもう一つのチェック指標は「根本原理に近い部分まで考えが至っているか?」というようなことだと思います。
また、心がけとして、世の中で解明されている「原理」を普段から仕入れて自分のものにしておくことは非常に重要だと思います。

今の時代は、科学で解明された原理を、技術開発によって利用することが絶対的な枠組みになっていると思うので、何にどのような原理が働いているのか、というような情報には事欠きません。日々の生活のなかでアンテナを高く立てて置くことによって原理のレパートリーを増やすことが出来ます。

上に述べたように、学校の授業はそういった話に溢れていますし、テレビ番組もそういったものが良く見られます。例えば、NHKスペシャルのような番組で「人体の中で何が起こっているか」とか「災害が起こるメカニズム」、「経済の動いている仕組み」といったようなことをよくやっています。

ちなみに、テレビ番組であっても、バラエティ的なクイズ番組などは、一つの問いに一つの答え、〇か×かというような枠組みで作られており、原理的なものに触れられることはほとんどありません。こういった捉え方は非常に「浅い」ということだと思います。そういった知識は、クイズに答えられるという以外の用途がないので、実戦的な問題解決には役立たないと思います。

3:目的を意識した視野や、関係する範囲を見渡す視野を持てているか?

なぜを繰り返して深堀りするのとは逆方向で、「そもそもの目的」に思いを致すことも重要です。それによって視野を広げることも可能です。先ほどの話で言えば、「A商品のテコ入れで売上不振を挽回すること」というのが本当の目的なのかどうか?ということです。

もしかしたら、自社の製品ラインナップが、世の中で必要とされるものからズレてきている可能性もあります。製品Aの売上げだけに囚われていると、世の中の変化についていけなくなる可能性があります。

そういったときに、自社の企業としての目的に視線を向けるとどうでしょうか?
自社は、◇◇のコア技術を用いて、世の中の環境問題を解決することを目的とする、という会社だったとすれば、既存の製品だけでなく、環境問題の全体像や、新しく発生している問題へも目を向けることで、事業の展開範囲は変わってきます。

そこまで大きな視野ではなく、A商品の売上げではなく、利益を上げるほうが大事である可能性もあります。その場合は、価格の調整だけではなく、原価をいかに下げるということや、販売コストも見直す必要が出てきます。こうやって考える範囲が広がってきます。

もしかしたら、A商品はこれから数十年後まで大きく伸ばしていけるような大きな需要があるので、将来展開を考えるといまはシェアのほうが大事であるかもしれません。絶え間ない開発投資が必要かもしれません。その場合には、打ち手も変わってくることになります。

このように、目先のことではなく、視線を長く持ったり、そもそもの目的に立ち返って考えることにより、考える範囲が広がります。これも考えを深くするための一つの手段だと思います。 

その他にも、視野を広げる手段として、「人、モノ、金、情報」「開発、製造、販売、宣伝、マネジメント」などのフレームワークを使って、関係するところで考えが洩れている部分はないかをチェックするといった方法もあります。この手のフレームワークは書籍やネットでたくさん出てくるので、自分のレパートリーとして普段から仕入れておくと良いと思います。

4:視点に合理性や独自性があるかどうか?

対象を何かの基準でタイプ分けしたり、ある枠組みによって捉えるといったことが「視点」ですが、その視点が念頭に置いている目的に対して合理的であるか、他に類を見ないものであるか、ということも重要です。

タイプ分けということでいえば、様々な基準でできますが、そのように分けたときに、何かの意義があるのかどうか?ということが”合理性”ということです。
例えば、動物を分けるときに、大きさで分ける、生物学的な分類によって分ける、住んでいる場所で分けるなど、いくつもの視点で分けられますが、そう分けることによって、その後に何か行動をするときに、何か良いことがあるのかどうか?というようなところです。

斬新な切り口で、非常に役立つような分類方法によって対象を分けて、論考すれば、その考えは「深い」と言えるでしょうし、反対に、よくあるような分類で、特に何の役にも立たないような分類をしても、深い考えとは言えないでしょう。

以上のように、「考えの深さ」を意識しながら、足りなければ、なぜを繰り返し、目的まで目線を上げて視野を広げたり、意味のある視点は何なのか?ということを繰り返して考えていくことで徐々に深く考えることが出来るようになってくるはずです。

「枠組み」についても説明しておくと、例えば会社というものをどう見るかというときに、会社は機能が分化することで成り立っていると見ると、研究ー開発ー製造ー販売ー財務ー人事、といったような機能別の組織というもので見たり判断したりすることになるでしょう。そうすると、考え方としては、「それぞれの機能をどう磨くか?」、「異なる機能が連携するにはどうすれば?」といったようになってきます。

別の見方も有り得ます、例えば会社というのは、一つの理想・理念のもとに仲間が集まって協力しつつ、その理念で定めたことを達成しようとしている存在だ、と考えると、また考え方が変わってくるでしょう。「理念がしっかり共有出来ているか?」「いまも理念は変わっていないか?時代とともに変えていくべきなのか?」「どうやったら最も理念の達成に近づけるのか?」といった考えが出てきます。

このように、物を把握していくときに、どう見るか?というのが「枠組み」のイメージです。

これらの1-4を繰り返して「深い」「深くない」とチェックしながら、何度も考えて取り組めば、考えを深くすることが出来るようになると思います。「何度も取り組むことで上達する」、単純な話ですがこれが真実ではないかと私は思います。

【考えは深ければ深いほど良いのか?】

考えの深さについて考えてきましたが、ここで私の頭に浮かぶ疑問があります。
それは、「考えは深ければ深いほど良いのか」ということです。

「深い考え」という言葉を聞くと、響きがいいので実際にも良さそうに思えてきますし、原理を踏まえ、目的を把握し、正しく因果関係に基づいて考えていくと、成功の確率も上がっていくと思われます。

しかし、考えを深くするというのは目的ではなく、あくまでも、何かの目的を果たすための手段であり、「深い」「深くない」というのはその手段が良さそうかどうかを判断する目安であるということです。

そして、経験上ですが(自戒を込め)、深く考えにつれて、様々な懸念点が出てくるので、行動力が鈍くなる場合があるように思います。分かりやすく言えば、失敗する可能性も見えるので、心配になったり怖くなるというようなことでしょうか。また、より広く深い範囲のことが目に入ると、対処しなくてはならないと思う事柄が多くなりすぎて、何から手を付けて良いか分からなくなるということもありそうです。

何かの目的を果たすためには、失敗する可能性や不確実な状況のなかで、具体的な手を打ちながら乗り越えていくことは必須であり、行動力が鈍ることはマイナスとなる場合が多いでしょう。

結局は、深い考えと行動力の両方が必要ということですが、どうすれば、深い考えと行動力を併せ持てるでしょうか?

このための本筋は、「どうすれば現実的に目的を果たせるか」を本当に分かるところまで深く考え切り、失敗の懸念を減らしていくことだと思います。

特に、様々な場合の失敗・成功の確率を見込み、失敗と成功の大きさを測ることによって、何をどれくらい心配したらよいのかを出来る限り定量的に把握することは役に立ちます。非常に確率が低く、ダメージも小さいような失敗は気にしなくてもよい訳ですから。

懸念点、心配が多くあるということは、まだ考えが不十分ということでしょうし、現実に起こることを反映できていない、机上の空論にとどまっているとも言えるでしょう。

しかし、考え切ることで失敗の確率も把握し、完全に懸念を無くすことは不可能です。ここでさらに、「まずは動いてみて、必要に応じて素早く考えを修正する」といった対応が必要となります。これまで話してきた「考え」のイメージは静的なものでしたが、実際に行動するときには、考えは常に変化し修正していく必要があり、動的なものであるべきです。

動きながら考えるときには、まず心配や懸念はありつつも「動く」ために、多少の怖さを克服する必要が出てきますし、何か不味いことが起こったときにも考えを修正できるように、プレッシャーの下でも頭が働くようなことも必要となります。

これもまた、繰り返しの訓練によって向上してくことが可能であると思っています。

「考えが深いとは?」という疑問から、徐々に考えてきましたが、ここまで考えてきて、これは「行動を起こし、動きながらリアルタイムに深く考えて、結果を出す」という姿(人)をイメージしているのだろうと思いあたりました。そして、これが私が理想としている姿なのだろうと思います。

それと同時に、私が面接でお会いする方たちの多くも、こういった姿をを理想とされていることを感じます。

また、メディヴァという会社自体が、理念から生じる目的を果たすために、動きながら深く考えて結果を出す、ということを理想とし、またそれが求められ、そういった研鑽を積める環境があるのだろうと思います。

そういう機会を求める仲間がこれからも多く集まることを願っています。そして、ここに書いたことが誰かの役に立つことを願っています。

ただし、今の時点での私の一番の願いは、「考えが深いとは?」という問いからスタートしたこの原稿の「考え」が、ある程度は深いものになっていて欲しい、ということです。この懸念は書き始めから存在しましたが、考え過ぎても筆が進まないので、とりあえず行動に移してみました(岩崎克治)

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