医療経済を斬る【大石代表ブログ】|MEDIVA

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メディヴァ代表大石佳能子による連載コラム | 医療経済を斬る

オランダの「施設」De Hogeweyk

2017.01.30

メディヴァの「自立支援介護」への取り組み (その4)
     オランダの「施設」De Hogeweyk

高齢者が「自分らしく過ごす」ことが可能となる「施設」介護の形態を求めて、アメリカやヨーロッパを見て回った中で、印象に残ったのはオランダのDe Hogeweykです。(※De Hogeweykでネットで調べると、英語の資料と画像が出てきます。)

De Hogeweykはアムステルダムの郊外にあります。5000坪の土地を塀で囲い、その中に低層と戸建て風の施設が建てられ、150名ほどの重度認知症の高齢者が住んでいます。De Hogeweykはアムステルダム近郊にある、認知症対応のビレッジ。約5千坪に、152人の重度認知症の高齢者が23戸の小規模住宅に分かれて暮らしています。コンセプトは、「施設」ではなく「コミュニティ」で、高齢者が認知症になっても自分のライフスタイルに合わせて、安心な環境下で、できる限り自由に自立して、QOLの高い普通の生活を送ることを目指しています。

入居者は、オランダの典型的な7つのライフスタイルから自分により合うものを選定し、同じようなライフスタイルの人と同居します。ライフスタイルは、過去の経験によるものと、価値観によるものの組合わせで、入居に当たって調査票等を用いてマッチングします。7つは、都会型モダン型、上流階級型、植民地スタイル、文化教養型、伝統的、屋内活動型、クリスチャンです。例えば、植民地スタイルは蘭領インドシナ(インドネシア)で過ごした経験のある人たちが住み、住居はインドネシア風でエスニック料理が提供されます。上流階級型だとシックで暗めのインテリアにまとめられ、シャンデリアが輝くダイニングルームで食事をとります。

入居者は、それぞれは個室(16.5~20㎡)を持ち、リビング・ダイニング(65~95㎡)やキチンは共同、トイレ、シャワーは2~3名に1つあります。独りでトイレ、シャワーを使う人ことが出来る人は限られているので共同にしましたが、それによりリビング、キチンをより広くとることが出来たそうです。
介護スタッフは、基本的には「お世話」でなく、「自立した生活」を支援するために存在し、例えば夜間は5名で対応し、各戸、居室の見回りはしません。入居者には、自分のやりたい時間にやりたいことをする自由があります。戸外への外出も自由で、塀に囲まれているため、安全に散歩し、自転車にも乗ります。迷子になった高齢者は、スタッフが誘導して帰します。

レストラン、カフェ、バー、シアターだけでなく、スーパーもあり、高齢者は自由に買い物も可能です。スタッフは原則的に「買い物を代行してはいけない」ことになっていてるので、高齢者の自立を促します。認知症のせいで、同じものを買いすぎたら、スタッフがこっそり戻してくれます。自立支援の一環として、入居者に可能な限り、ご飯の準備、庭の手入れなど、生活する上の役割を担ってもらいます。

日本だと、「塀で囲まれた認知症施設」は批判を呼ぶかもしれません。しかし、塀で囲まれた中は安全、安心です。ライフスタイルや価値観の合う人と過ごし、自分もできる限りのことは自分でする。最後まで「自分らしく」過ごすことが出来る場所のように見えました。昼間の活動量が多いので、薬に頼らなくても寝付く、という好ましい結果も生んだそうです。

日本にこのような施設を作ることができないでしょうか。文化的に「塀」は無理でしょうが、少なくともライフスタイルや価値観が合う少数の人と共同で住む、シェアハウス的なグループホームはできるのでは。メディヴァでは、ぽじえじ等で培った「自立支援」のノウハウと、「見守り」システムなどを使いながら、可能な限り安全と自由度の両立を目指した「施設」を作ってみたいと思っています。(医)プラタナスの青葉アーバンクリニック(横浜市青葉区)の移転に合わせて、クリニック併設型も考えています。もしも企画にご興味を持った方(介護、不動産、IT、システム関係等)がいらしたら、是非ご連絡ください。一緒に考えましょう!

 

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