医療経済を斬る【大石代表ブログ】|MEDIVA

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メディヴァ代表大石佳能子による連載コラム | 医療経済を斬る

看護小規模多機能型居宅介護「ナースケア・リビング世田谷中町」

2017.01.16

メディヴァの「自立支援介護」への取り組み (その2)

   看護小規模多機能型居宅介護「ナースケア・リビング世田谷中町」

 「自立支援介護」を行うときに、一つ気になることは医療と介護の連携です。「ぽじえじ」の場合は、デイサービスなので現場に非常勤の看護師はいますが、他は介護職だけです。理学療法士等の専門職を現場に配置することは、現行の介護報酬では経営上困難なのです。この体制の中で、ご利用者の正確なアセスメントを行うために、本部に理学療法士がいて、動画システムを用いて現場の指導に当たります。

 もっと医療と介護が連携した自立支援介護が出来ないか?参考となる事例は、数年前に視察したサンフランシスコの「オンロック」でした。(視察報告はこちら

 オンロックは、メディケイド、メディケアから支払われるPACEプログラムという、「医療と介護の包括的なケアサービス」の原点になった施設で、介護施設への入居条件を満たす高齢者が自宅で生活するのを支援します。施設内には掛かりつけクリニック、リハビリ施設、デイサービス、食堂等があり、高齢者は送迎車で通うことも、自宅で訪問サービスを受けることもできます。オンロックでは医療と介護が完全に統合していて、対象者が外部の施設に入院した場合も含め、すべてを金銭的に負担します。

 日本の場合は高齢者が住み慣れた地域で過ごすことを支援する「地域包括ケアシステム」の整備が進められていますが、これはあくまでも複数の他職種の「連携」を前提としています。ところが残念ながら「連携」はバックグラウンドも価値観も知識も経済性も異とする法人同士が手を結ぶわけですから、同じ方向性を向いて足並みを揃えることは困難です。これは地域包括ケアシステムだけでなく、病診連携、病々連携、診々連携の場合も課題となりました。

 私は、この課題を解決するには「縦統合」(同一法人による医療、介護サービスの提供)が近道だと思っています。地方に行くと、急性期から介護まで一気通貫で提供する法人が存在します。ただ、都心郊外では土地のコストの問題や競合状態により余り縦統合の事例は見られません。

 メディヴァでは、都心郊外における「縦統合」のパイロットケースとして、今年の春、クライアントの桜新町アーバンクリニックを支援して、看護小規模多機能型居宅介護(いわゆる看多機)「ナースケア・リビング世田谷中町」を設立します。桜新町アーバンクリニックは、約400名の在宅医療の患者を抱えるクリニックです。

 看多機とは、2012年にできた新しい介護サービスで、一つの事業所で介護サービスのすべてのサービス(訪問介護・訪問看護・リハビリ・デイケア・泊まり・ケアプランの提供)を提供し、自宅での生活を支援します。桜新町アーバンクリニックの場合は、在宅医師と共同で、介護スタッフ・看護師・リハビリスタッフ、栄養士、薬剤師等の多職種が一つのチームでケアを提供して行きます。「ナースケア・リビング世田谷中町」は、世田谷初の看多機です。

 同施設のデザインは、認知症に科学的に対応したインテリア・デザインで多くの研究成果を上げているイギリスのスターリング大学の指導を受けました。医療と介護が「縦統合」したソフトと、スターリング方式によるハードを組み合わせます。看多機によって、高齢者が自宅で自分らしく生活することをどこまでサポートできるか、またご報告させてください。

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