コラム

2020.06.29 コラム ノウハウ

医療法人における新規開業と承継開業の立ち上がりの違い

収益面での特徴や傾向を解説

新規開業承継開業には、収益や利益の面でどのような違いがあるのでしょうか。新規開業か承継開業かを決めるには、それぞれのメリットや傾向をつかむ必要があります。今回は、これまでメディヴァが支援をしてきた新規開業(すべて個人開業)と承継開業(すべて医療法人)のデータを元に比較分析を行い、それぞれの立ち上がりの速さ・遅さを背景とした収益面での特徴や傾向を解説します。

 

新規開業・承継開業それぞれの収益・利益の違い

「新しく自分の病院を開業したい」と高い志を持って開業しても、その実態はなかなか厳しいようです。多くの場合は、立ち上がりの初年度と2年目は収入が厳しく、赤字かそれに近い状態です。開業後2年間は院長の給料分を稼ぐことができず、休診日に院長がアルバイトをしながら生活費を稼ぐケースも散見されます。

一方、承継開業の場合は、初年度から一定の収益と利益を生み出しています。廃業や院長の高齢化に伴う承継により、初年度の利益水準が院長一人分の給料には満たないケースもありますが、2年目には増収増益を達成し、院長一人分の利益は稼ぎ出すことができているようです。

さらに開業5年目の収益や利益を見てみると、新規開業の医業収益6,000万円・医業利益2,000万円に対して、承継開業では医業収益8,500万円・医業利益2,500万円と、ともに承継開業が上回っています。いざ新規開業をしたところで火の車状態にならないよう、このような新規開業と承継開業の特徴や傾向を把握し、資金運営の予測や計画を綿密に行っておくことが重要です。

 

承継開業は良いことばかりではない?注意すべきポイント

こうして見ていくと承継開業の方が新規開業に比べて良いことばかりに見えますが、設備投資・設備改修や、出資持分の譲渡に伴う採算性の問題により、必ずしも有利とは言えない面もあります。

新規開業は初年度に多額の投資が必要な一方で、承継開業は改装費などで済むと思われがちですが、実態は異なります。老朽化した施設を引き継ぐ為には、内装や医療機器の設備に予想以上の費用を捻出する必要があり、承継後暫くしてから施設の建て替えが発生するというケースもあります。

また、承継開業を行う上で、承継する側とされる側の間で「譲渡額」が発生します。これは事業規模や利益により異なりますが、それでも医師個人で1000万~1億円くらいは用意する必要があります。それらは事業そのものへの投資とは別に考える必要があるので、開業後に得られる医師の報酬から捻出する必要があります。

必ずしも新規開業に比べて承継開業が有利ではない点を述べましたが、それでも承継開業は、すでに一定の市場が確立されているというメリットがあります。新規開業は市場を新しく開拓する必要がありますが、承継開業はその地域で元々病院を利用していた患者さんの存在が大きく、この差は病院の存続を考える上で非常に重要です。

 

承継開業は利益・収益面や市場の確保で安心

これまで新規開業と承継開業の違いにおいて、全体を通して言えるのは、承継開業は新規開業に比べて利益・収益面や市場の確保において不安要素が少ないということです。新規開業と承継開業の違いを十分に理解し、どちらがより良い選択肢かを塾考することが重要と言えるでしょう。

メディヴァでは、医療法人の新規開業・承継開業どちらのご相談も承っております。まだどちらにするか決めかねているという方も、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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