コラム

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2020.04.21 インタビュー

「医業承継」を考えたらこの本で基礎知識の習得を

「医業承継の教科書〈親族間承継・M&Aの手法と事例〉」著者小松インタビュー後編

2020年3月に出版された「医業承継の教科書〈親族間承継・M&Aの手法と事例〉」は、当社メディヴァの小松が医療機関の運営に携わってきた経験から、実際の多様な事例を取り上げながら医業承継で必要な基礎知識を解説しています。実際に医業承継を行ううえで重要な法律・税務の知識に関しても、弁護士・税理士の先生との共著でしっかりと網羅しています。当記事インタビュー後編では、「医業承継の教科書」の活用法について、小松の話をまとめました。

インタビュー前編はこちら

 

「医業承継の教科書」は医業承継における知識の土台になる本

「医業承継の教科書」は、医業承継における基本的な知識の土台としていただければと思っています。医業承継を考えたら、ぜひまず本書の前半部分、1章と2章を読んでいただきたいです。難しい法的な話や税務的な話も多いのですが、一度は逃げずに頭に入れて、共通認識として理解してほしいですね。

後半にあたる3〜5章は、事例の紹介が中心です。病院や先生の状況によって合致しない案件もあると思うので、全部をくまなく読む必要はありません。ご自身の事例に近いものを3〜4つ選んで目を通していただくのがおすすめです。「こういうことは気をつけたほうがいいんだな」とか「こういう流れなんだな」と参考にしていただければと思います。

前半、特に1章はあとで読み返してもつらいと思うぐらい退屈ですが、頑張って読んでいただいて、医業承継に関わる人たちで共通認識としていただければ。それにより、医業承継がスムーズに行けばいいなと考えています。

 

確認すべきこと、知っておかなければならないことをきちんと理解する

医業承継に対する知識がない医師の方々は、しっかり知識を持って挑まないと、騙されてしまうこともよくあります。

契約のための書類をうまくごまかされて、承継できなくなったり、決まったところにしか承継できなくなったりするなど、選択の権利を取られてしまっているケースも散見されます。

私自身もそういった案件に対応し権利を取り戻すために奔走したことがあるのですが、もう本当に大変でした。契約書で確認すべきことや、渡してはいけない権利など、そのあたりを、この本を読んで正しく理解してほしいです。

 

親族間承継であっても税金や法律のことはおさえておくべき

一般的にはM&Aとして認識されていない親族間の承継でも、専門家を間に入れて行うこと、こういった知識をちゃんと持って行っていただくことを推奨しています。

本書の中でも何件か親族間承継で揉めてしまったケースを入れていますが、一番重要視すべきなのは税金です。何人かお子さんがいるのにそのうちの一人だけに承継をすると、相続税や贈与税の関係で、後からその医療法人の権利が欲しいと兄弟間裁判になることがあります。そのため、税金や法律のことは最低限おさえておく必要があります。

病院である以上権利や組織があるので、そこは親族という理屈ではおさまりません。理事長や院長がいて、彼らの指示命令系統の中で意思決定をしていきます。人事評価等もあるので、きちんと背骨を通していかないと、組織は瓦解してしまいます。

そこを曖昧にして、親族だからと院長・副院長・事務長をそれぞれ兄弟でやらせると、うまくいかないケースがよくあります。どれだけ兄弟として仲がいいか、ではないんですよ。事業として権力や意思の立てつけを行い、お互いにビジネスとして守れるかどうか。それできちんと機能するのであれば良いですが、そうではない場合曖昧に決めるべきではないことは知っていてほしいです。

 

共通認識として「医業承継の教科書」を活用して

親族間承継かそうでないかにかかわらず、地域医療の転換には専門家がいた方が良いと考えています。医業承継を儲かるビジネスとしてとらえるのではなく、知識と考え方を理解して、背骨を通して行ってもらえればなと。

本書は、医師以外にも金融機関の方や税理士が読んでくれるので、そういう人たちとの共通認識として本を生かしていただければ幸いです。

書籍はこちらからご購入いただけますが、医業承継についてお考えの方は、ぜひメディヴァにお問い合わせください。