コラム

daisukekomatsu-1
2019.12.06 インタビュー

地域の医療に「新しい価値」を提供し続けるメディヴァが医業承継(M&A)を始めた理由

株式会社メディヴァ取締役・小松大介インタビュー前編

2000年の創業から約20年もの間、医療機関の経営や運営に関するコンサルティングを行ってきた株式会社メディヴァ。現在注力している医業承継・M&Aは、これまで医療業界において信頼を得た結果、各地の病院からの需要が高まりサービス化したものだといいます。インタビュー前編では、事業責任者であるメディヴァ取締役の小松に、会社の成り立ちから医業承継(M&A)事業を行うまでについて話を聞きました。

 

コンサルティングファーム出身の二人が医師のサポートを得て「メディヴァ」を設立

取締役の小松は、2000年、代表の大石とともに株式会社メディヴァを創業。マッキンゼー・アンド・カンパニーにて金融機関のプロジェクトに従事していた小松は、日本が変わっていくきっかけとなる産業として医療に注目していました。一方で、当時同社にて医療・製薬会社のコンサルティングをしていた大石は、自身の出産をきっかけに医療のあり方に疑問を感じ、意気投合した二人がメディヴァを立ち上げることになりました。

 

小松:その時相談をしていたドクターから、用賀アーバンクリニックを中心に運営している医療法人の理事長野間口先生を紹介してもらいました。

先生と我々(大石・小松)とで医療界を勉強しようとして病院を回っていたんですが、今から20年前なので、多くのドクターは外資系のコンサルタントが医療に関わるのを快く思わず、相手にしてくれないことも多かったんです。お茶をかけられそうになったこともありました(笑)

でも、その結果、当時からかなり革新的だった亀田総合病院の亀田先生(※)から「考えは面白いけど、君たちは現場を知らなすぎる。現場のことについてはバックアップしてあげるから一緒にやろうよ」と声をかけていただいて。

そういったドクターの応援も得られたので、会社を立ち上げることになりました。

※亀田メディカルセンター理事長の亀田隆明氏

 

「地域になかったものを持ち込む」

メディヴァが大事にしているのは、医療・ヘルスケア業界において「人々のニーズに合った新しいモノ・コト・仕組みを提案していく」こと。

そこには、「これまでなかった新しい製品や仕組みを作る」だけではなく、「今まで知られていなかった情報を伝えていく」「医療施設の経営者が考え方を変えて地域に合ったサービスを提供できるようにする」といったミッションも含まれています。

 

小松:創業期に行った大きな事例だと、用賀アーバンクリニックの野間口先生と一緒に、おそらく日本で初めてインターネットでのカルテ開示を始めました。

ほかにも薬の宅配や、芸術家への内装デザイン依頼など新しい取り組みを始めて、現場のサービスにおけるイノベーションを行ってきました。

僕がおもに対応しているのは病院と診療所のコンサルティングなんですけど、その地域で必要な病院のあり方をゼロから書き換えるようなことにも取り組んできました。

どの病院の経営を見ててもそうなんですけど、「ドクターの言うことが是である」とするところが本当に多かったんです。

そういうことを改めて先生方とちゃんと議論したり、データを確認してもらったりすることで考え方を変えていく、というのをやっていました。

その地域に今までなかったものを持ち込む、というのを僕らは大事にしています。

 

社名にも、医療業界に変化やイノベーションを起こすこと、そして何らかの付加価値を提供しなくてはいけないという思いが込められています。

メディヴァ(MEDIVA)とは「Medical Innovation and Value Added」の略で、「イノベーション(変化・改革)」「バリューアド(価値を加える)」をキーワードにし、それをつなげた名称です。

 

きっかけはお客様からのニーズ。医業承継事業で医師の偏在を解決したい

daisukekomatsu-2

メディヴァが医療承継(M&A)の事業を始めたきっかけは、長きにわたって医療業界のコンサルティングに従事する中で、お客様からそういったニーズが増えてきたことからだそう。

 

小松:20年間医療業界のコンサルティングに携わっていると、20年分年をとっているお客様もいらして、承継の相談も出てくるようになりました。

また、それなりに当社自体がこの業界で名前が知られるようになり、最初から後継者のことで悩んでいるんだという相談を受けるケースも出てきました。

最初は1件1件個別に対応していたんですが、それだと情報を集める限界もあって、なかなか医療全体を変えるようなことはできなくて…

 

昨今では医師の偏在も、医療業界における大きな課題の一つ。都会の病院や設備が整った病院が人気を集める一方、地方では医師不足や後継者不在で悩んでいる病院も増えてきています。

 

小松:設備は最新でなくとも、その地域や住民たちに必要とされたいという思いのあるドクターもいます。

そういう先生方を、ドクターが必要とされている地域の病院に連れて行ってあげられないかなって思ったんですよね。

その先生がいなくなるとその地域から医療施設がなくなってしまうのに、先生自身も実は70代にさしかかっていて体力的にも限界、後継者もいない、というような病院が何件もあるというのもわかってきました。

そこに、僕ら自身が今まで医療業界で蓄積してきたノウハウとネットワークを提供するべきなんじゃないかと思っています。

 

手数料の少ない承継案件にも対応できる仕組みを作りたい

M&Aの事業は、業界としては活況を呈しており、高収入ランキングに名を連ねる企業も多くあります。

ただ、そういったM&A業界大手の企業は、規模が小さく、手数料も少なく、マッチングする確率も低い地方病院やクリニックの案件にはほとんど関わることはありません。

 

小松:「M&Aやります」「事業を継続させます」って言っても、手数料が少ないと対応できない実情があります。だから僕らとしては、これをなんとか解決したいなと思っています。

幸い(メディヴァは)医療のことがわかっているし、こういうところを突くとこうしてくれるんじゃないかということも見えている。

当社だったら、手数料が少し下がっても対応できる仕組みが作れるんじゃないかと思っていますね。

 

メディヴァの医療承継事業は「地域医療」がキーワード

メディヴァ社全体における企業理念と、メディヴァで展開する医業承継事業における共通点は、「地域の人たちのニーズにあった医療を提供できる仕組みをつくること」。「地域医療」は、小松の事業における思いやビジョンを紐解く上で欠かせないキーワードになってきます。

インタビュー後編では、メディヴァが目指す地域医療のあり方や、その中で必要とされる医業承継について、さらに深掘りしていきます。

 

お問い合わせ