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2019.11.27 ノウハウ

病院・クリニックの廃院におけるデメリットとは?承継するべきかの判断基準も解説

病院やクリニックの経営不振や後継者の不在を理由に、廃院を検討される方も多いかもしれません。しかし、廃院を行うにあたっては、多数のデメリットが発生してしまいます。病院が潤沢にある地域ならともかく、過疎化が進んだ地方では、一つの医療機関が廃院となることで地域住民のかかりつけがなくなり困ってしまうこともあります。本記事では、廃院を行うことにより考えられるデメリットと、廃院するか承継を行うかを見極めるポイントについて紹介していきます。

 

廃院には大きなデメリット

日本では、2016年の国勢調査で人口が減少に転じ、これからますます人口が減っていくことが予想されます。今でこそ少子高齢化で総人口に対する高齢者の割合は増え、医療需要は高まっているようにも思えますが、相対的な患者数の減少は今後避けられないでしょう。

しかし、このような状況下でもクリニックの数自体は増加傾向にあるため、今後は一クリニックあたりの儲けが少なくなること、中には廃院に追い込まざるを得ない医療機関が出てくることなどが懸念されます。

ただし、冒頭でも述べたように、廃院には大きなデメリットもあります。以下にて詳しく解説していきます。

 

廃院が患者に与える影響は多大

廃院によって最初に考えなければならないのは、その医療機関に通っている患者への影響です。患者にとっては、かかりつけの病院やクリニックを失ってしまうことになるからです。

廃院を行う場合は遅くとも数ヶ月前から患者に告知を行い、廃院後に受け入れが可能な近隣の病院を紹介するなど、患者が安心できる引き継ぎを行うことが重要です。

在宅医療を行っている病院やクリニックの場合は、患者やその家族にとって主治医が心の支えとなっていることも多いため、より誠実な対応を行う必要があります。不安な患者の気持ちに寄り添いつつ、できる限り最後まで訪問診療を続け、後任の医師にしっかりと引き継ぎを行うと良いでしょう。

また、地方の過疎化した地域であれば、廃院による近隣住民への影響は計り知れないものになります。そのため、廃院を行う際は、診療圏の状況も鑑みた上での慎重な検討が必要となります。

 

多い時は1000万円にものぼるコスト

廃院においてもう一つ重大なデメリットとして考えられるのが、それにかかるコストです。その病院やクリニックの状況にもよりますが、廃院を行うと、利益を得られないどころかその負担は1000万円にのぼることもあると言われています。

まず、テナントの場合は、建物を原状回復するための費用がかかります。テナント以外でも、医療機器や設備、カルテや薬剤などは医療廃棄物として専門の業者に依頼を行う必要があります。リースの支払いが残っている医療機器がある場合は、清算する必要が有ります。各種契約の清算の際、タイミングによっては違約金が発生する可能性もあります。また、廃院の手続きも各方面にわたるため、専門家に依頼する場合は別途費用がかかってきます。

これら諸々の費用を見越した上で資金計画を行っておかないと、廃院を行った医師自身がその後の生活に困窮する可能性も出てきてしまいます。

 

「承継」か「廃院」を決定する際の判断基準とは

廃院には大きなデメリットが伴います。後継者不在などの理由で廃院を検討していた場合、それに代わる手段として考えられるのは、第三者への医業承継ではないでしょうか。

「承継」と「廃院」どちらを選ぶのが良いのか、判断する基準についても簡単に解説します。

 

事業性と市場性により判断

医業承継の手続きでは、最初にその病院やクリニックの事業評価と、所在地の診療圏調査を行うのが一般的です。

事業価値が高いと評価されれば、譲受を希望する医師を探しやすくなります。また、診療圏の調査により、その地域に競合となるクリニックがないなど市場性が高いと判断されれば、承継後の経営が安泰だと予測できるため、承継がしやすくなります。

一方で、この「事業性」と「市場性」どちらか、あるいは両方の評価が芳しくなかった場合、後継者の募集や承継後の経営が難しいと考えられるため、廃院を検討せざるを得なくなってしまいます。

 

廃院の決定は慎重に、行う場合も準備を念入りに

廃院は、すでに病院やクリニックに通っている患者への負担と、それにかかる費用の両面で大きなデメリットがあります。しかし、事業性と市場性において価値があると判断されないと、第三者への承継も困難を極めてしまいます。

廃院を考える際には、可否の判断を慎重に行うことが重要です。しかし、廃院を避けられないケースも多々あるでしょう。

廃院を行うと決めた場合は、患者や医師の今後の生活におよぶ支障を最小限に抑えられるよう、患者への告知や資金計画などをしっかりと行っていく必要があります。

メディヴァでは、医業承継を行うと決めている病院・クリニックはもちろん、廃院か承継かで迷っている方の相談もお受けしております。ぜひお気軽にご相談ください。

 

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