メディヴァコンサルブログ

“連携”という言葉の綾

2013.06.19

病院でも診療所でもコンサルティングで関わっていると、”連携”というキーワードが非常に多く出てきます。病院間の機能連携、病院と診療所の前方・後方連携、また院外にとどまらず院内の多職種間連携や診療科目間の連携という使われ方をすることもあります。

 
こうして連携が課題になる以上、次に連携強化が議論されるのですが、、、この連携強化に向けて、なかなか実行力やインパクトのある対策が出てこないのが実態だなと感じています。

(地域連携で良く出てくる対策)
 ”病院の連携室担当がパンフレットを持って地域を回る”
 ”地域連携会議を主催し、関連する医療機関に参加いただく”
 ”登録医制度の導入”、”院内カンファレンスを多職種で実施する”

(院内連携で良く出てくる対策)
 ”院内運営会議を開催して職種間の理解を深める”
 ”病棟調整会議を開催し、ベッドコントロールを円滑化する”
 ”医局の親睦会を行う”

これらは、多くの医療機関が既に試していることではないかと思います。また、同時になんとなく決定打に欠ける対策のような気がします。

当社でも数多くの経験をしてきて、私は、これらの対策に決定的に欠けている極めて基本的な視点があると感じてきています。
それは、”連携するそれぞれの組織・人のメリットを明確にすること”です。
当たり前の話しです。しかし、これが意識されずに連携がうまくいっていないケースは本当に良く目にします。

そもそも”連携”は、ベッド稼働を上げたい、退院先を確保し平均在院日数を調整したい、院内のベッドコントロール効率を上げたい、チームで質の高い医療を行いたいという根源的な目標があって、その手段として用いられたものです。そのため、目的を達成することが、各組織や人にとってなんらかのメリットがあると、はっきり明示できれば、自然と連携が生まれてきます。

例えば、当社が支援しているある医療機関では、組織目標にチーム医療や地域連携が掲げられました。しかし、それをどうしても各組織がうまく消化できず、形ばかりの連携会議などが開かれていました。そこで、院内の人事考課に手を入れさせていただき、各部署ごとに連携をツールとして使う目標を立ててもらいました。

 例)看護部:病棟間調整を活発化し、病床稼働率を上げる。
   リハビリ:病棟看護師と協力し、入院リハビリの実施単位数を増やす

大きな変化ではありません。でも、こうして各部署ごとに”連携”をどういうツールで使うのかということを明示したら、それまでよりは活発にやり取りが始まったのも事実です。

“連携”という言葉には、どうしてもそれぞれの立場ではなく、つながりやコミュニケーションそのものに目が向きがちです。これは、言葉の綾であると思います。
本来の連携の意味である、あくまで目標達成のツールとしての”連携”を意識できるようになると、また違ったレベルの経営ができるようになると感じています。