メディヴァコンサルブログ

2012年度の診療報酬・介護報酬改定について

2012.03.19

2012年度の診療報酬・介護報酬改定について、詳細が明らかになってきました。今後、疑義解釈等で修正が入ったり、より詳細が明らかになる点はありますが、全体の傾向は明らかになりましたので、私なりの見解をまとめてみたいと思います。

まず、診療報酬全体の改定は、0.004%の横ばいとなりました。薬価を引き下げ(▲1.375%)、その分を診療報酬の引き上げ(1.379%)にまわしたことにより、病院・診療所は全体では恩恵を受けることになります。

しかしながら、引き上げ分の配分には,明確な意図が示されていて、下記のような領域に重点的に配分されることとなりました。
 ・DPCの再編による急性期機能の高い病院の評価引き下げ
 ・難易度の高い手術の評価引き上げ
 ・病院勤務医の負担軽減
 ・病院間の連携、病院と診療所の連携の促進(診療所の機能強化含む)
 ・高度医療・新技術の導入
 ・早期リハビリテーションの機能強化と維持期の介護保険へのつなぎ
 ・在宅医療の更なる普及

上記になかなかあてはまらない、一般的な中小病院や診療所については、難易度の低い手術が引き下げとなるものの、再診料・生活習慣病関係・各種管理料・消炎鎮痛処置等のいずれもが横ばい、と一旦無風となりました。

また、介護報酬全体は、+1.2%の改定(在宅1.0%、施設0.2%)となりました。しかしながら、+2%の別枠予算となっていた介護職員処遇改善交付金が、加算として介護報酬に組み込まれたため、実質的にはマイナス改定となります。その中でも、医療機関との連携や早期在宅復帰などには若干のプラス改定となっている一方で、在宅復帰や介護度の高い(重度者)の受入に積極的でない施設は、軒並み引き下げとなっています。

今後も引き続き社会保障費の財源不足が予想されており、本改定での引き下げまたは変更無しとなった点数は、将来の更なる引き下げの可能性を否定できないと考えています。今回の改定が示唆するものは、中小病院や診療所は、専門特化、在宅医療や高度医療等のこれまでとは異なる事業への取り組みを真剣に考え始める時期にきていることであり、介護事業所は医療との連携、重度者の受入や在宅復帰などの機能強化が求められていることです。

社会全体では、引き続き医療も介護も重要なインフラ機能であることは変わりませんが、増え続ける医療・介護ニーズを支えるため、個々の施設毎の戦略が求められ始めていると考えています。