メディヴァコンサルブログ

第7回 診療報酬改定の波紋

2006.05.15

今回の診療報酬の改定は、各所に多大な影響を及ぼしています。平均的には、前回と同じ程度の削減が見込まれていますが、結果はちょうど今頃集計されつつあるので、それを待ちたいと思います。今回は、実務の現場で出会った改定の影響を、具体例で示して見たいと思います。全体としては、かなり大きなマイナス改定ですので、このまま修正無く進むとは思えませんが、現在のところは混乱が目立っているようです。
1.療養型病床
最も混乱が大きいのが、療養型病床についてです。療養型病床は、4月の第1弾削減点数、7月からの新点数が大きく影響を与えています。医療区分とADL区分の発表がされて、多くの医療機関でシミュレーションがされています。現在の患者区分にもよりますが、平均して2割程度の売上高の減収が見込まれているようです。既に介護保険改定の影響も出ていることから、患者さんを総入れ替えしない限り全くなりたたないという医療機関も見受けられます。そうすると、今までなんとか療養型病床で受入れてもらえていた患者さんはどこに行くのか?、また療養型病床が成り立たない以上、老健や老人ホームへの転換
を考えるべきか、それとも閉鎖するのかといったことが、あちこちで議論されています。しかも、閉鎖するにしても、患者の行き先、従業員の再就職、負債の返還(過去の設備補助金返還含む)など検討すべきことが多く、戸惑いを隠せない医療機関が多く見受けられます。既に当社にも倒産や業態転換のご相談が数件きており、実感しています。
2.看護基準
今までの2対1看護が10対1に変わり、あらたに7対1看護基準が設定されました。これにより、大規模な急性期病院を中心に看護師の取り合いが始まっています。もともと、中小病院は看護師が不足気味でしたが、これにより看護師の更なる集中化が進み、更に中小病院は厳しくなってきています。看護師側の条件交渉も厳しくなっており、中小病院も看護師への”売り”の作りこみが急務です。
3.リハビリテーション
リハビリテーションは施設基準が変わり、更に患者の発症後の日数制限が設定されてしまったことにより、リハビリを維持することが難しくなる医療機関が続出しそうです。現在のところ、既に発祥していた患者さんは4月1日から日数を算定するために小康状態を保っていますが、半年後から、片麻痺でもリハビリを受けられない患者さんなど多くの混乱が予想されます。臨床の現場では、慢性期リハビリは状態維持に役立つという意見も多くみられることですし、各種の要望や声明があがっているので、今後の修正通知が待ち遠しいですが、このままでは秋以降のリハビリ現場の混乱は明らかです。
4.在宅医療
大きく点数上の優遇を受けたのが在宅医療です。ただし、24時間の往診体制確保に対して、どこまでの責務を負うのか見えないところもあり、真面目に考えて在宅療養支援診療所の申請を諦めたところもありますし、全く何もかわりなく申請をおこなったところもあるようです。開業希望の先生方からも俄かに在宅医療への取組みや研修の声が聞こえるようになってきており、これからしばらくは医療界をにぎわすことになりそうです。
5.領収書発行・電子化加算
領収書発行、わかってはいたことですが、レセコン業界は特需になっているようです。一時的なものとして、冷静に受け止められてはいるようですが、それでもニーズは一気に増えたため対応に追われています。
6.臨床検査
臨床検査の点数削減は、医療機関の経営だけでなく、臨床検査会社の経営にも影響を及ぼし始めています。医療機関側は、点数の削減分、相応の負担を検査会社にも求めていますが、検査会社の経営体力も限界に近づいており、交渉は難航しているようです。
7.後発医薬品
処方箋にチェックがあれば、患者さんが薬局と相談の上、後発医薬品を選択することが可能にはなりました。しかし、まだ実際には、処方箋の1-2割程度という話で、まだまだ広まっていないようです。やはり制度として、薬の変更があった場合には薬局から医療機関に連絡を入れること、医療機関では連絡を受けてカルテを書き換えることなどの手間が嫌がられているようです。後発品のなかには、品質が安定しない、先発品と同様な薬効が認められないという懸念もあるなかで、広まるまでにはまだまだ時間がかかりそうです。