メディヴァコンサルブログ

第6回 クリニック内覧会・内装引渡し報告

2006.04.14

 最近、当社が開業支援しているクリニック3件の内覧会・内装引渡しに立ち会ってまいりました。肝臓がご専門の消化器内科、地域密着の小児科、専門性が極めて高い児童精神科のクリニックです。それぞれにコンセプトや”売り”が異なるために、結果としてかなり雰囲気の異なる3件のクリニックができあがっていました。それぞれの先生や診療内容については、当ホームページの開業blogに譲るとして、ここでは、各クリニックを拝見しての内装的なイメージとその違いをお伝えします。
 ・大人のための落ち着いた内科
 1件目は、川崎の駅近く、駅からのメイン通り沿いで郵便局や農協、銀行に隣接する消化器科内科です。患者さんの対象が肝臓を中心とした消化器全般の方々であることもあって、落ち着いたシックな内装に仕上がっています。天井高は約3m、入って右手にはガラス張りのバルコニーのような待合室になっていて、観葉植物が取り囲んでいます。床は、ビニールではなく、ほぼ本物を用いたフローリング受付カウンターには、特別に選んだ素材(木)を何回も何回も職人がワックスがけした板が、重ねられています。壁は、床から腰高までは木、腰より上は水色のペンキと、色合いが地中海風をかもしだしています。家具には北欧からの輸入品を取り入れ、室内のアクセントとなっています。先生が特に力を入れたトイレは、底が浅く広い洗面台と、正面・左右に鏡張りを行い、ドアノブ・便器の一つ一つにこだわりが見られます。全体として感じるのは、落ち着いた大人の空間です。自分の本を持ってきて、待合時間中に読書を楽しむくらいの余裕ができるかもしれません。
 
 ・ 居心地のよい地中海のテラスハウスのような小児科
 2件目は、鎌倉の駅前、週末には数多くの観光客が目の前を行ったりきたりしている場所に立地する小児科です。近所の病院にお勤めの先生がご開業されたのですが、とても海が好きな先生らしく、室内は地中海風とも海辺の別荘とも見える雰囲気になっています。床・壁・天井が白と青を基調に構成されており、床のフローリングも白っぽいもので大変明るい室内です。もともとの天井高は2mそこそこで高くないのですが、天井を取り除いて屋根まで吹き抜けにした結果、広がりと趣のある空間が生まれました。室内は小児科らしくあまりパーティションで区切らず、一つの空間として診察室・処置室・検査室がつながっています。先生も大人も子供もあちこちに自由に動きながら診察ができそうなイメージです。インテリアはアンティーク調で、物件自体が元々持っている風合いとマッチして、新規開業なのに、落ち着いた雰囲気を作り出すのに成功しています。また、このクリニックは電子カルテがマッキントッシュのWINEです。私自身はWindows使いなのですが、白くてまあるいディスプレイやマウスが、また別の雰囲気を作っており、インテリアとして機能しています。
 ・ 子供が遊びまわれる児童精神科 
 3件目は、世田谷区の閑静な住宅街、その中でも尾山台駅前の賑わいある商店街に位置します。精神科ということで、入口はわかりにくく奥まっていますが、入口を入って階段をあがってクリニックに入ると、その内装に驚かされます。精神科として落ち着いたイメージかと思いきや、全くの逆で、明るい色彩をふんだんに取り入れて華やかな雰囲気をかもし出しています。待合室はグレー、子供の遊び場(アルコープ)はグリーン、診察室は青とスペースごとに色彩にテーマがあり、心理検査室はなんと赤です。言葉で聞くと、あたかも冒険をしすぎた派手すぎるイメージがありますが、絶妙だと思うのは、色は派手ですが彩度を落としてあり、雰囲気は、落ち着きを維持している点です。天井が3件の物件では最も低くて、2mほどなのですが、それが逆に全体の雰囲気をくるまれているようなイメージにしており、普通のおうちにいるかのように落ち着きます。なんとなく、子供達が安心して落ち着ける、少しくらい走っても怒られたりしない、何かに守られているイメージを与える空間です。
読んでいただいて違いがご理解いただけましたでしょうか?常に対象となる患者さんのイメージ、立地との関係性、設計・施工を手がけた建築家や施工業者、そして何よりも先生のお考えが反映されて、それぞれにそれぞれの味のあるものができあがります。クリニックの立ち上げは、何件立ち会っても飽きず、常に何かしらの発見があります。