海外医療の現場から メディヴァ海外事業部ブログ

ベトナム北部病院長会議

2017年08月10日(木)


こんにちは。海外事業部の西澤です。
6月末に、「ベトナム北部病院長会議」へゲスト参加するため、ベトナム北部のラオカイ省へ出張しました。

ベトナム北部病院長会は6年前に設置され年次会議を開催しているそうです。会議の目的は、病院経営や病院運営における様々な課題について、保健省幹部と各病院幹部の間で知見を共有し解決策を議論すること、とされています。会議はハノイにある国立バックマイ病院が中心になって準備しています。

メディヴァは、2016年から国立バックマイ病院で健康診断センター新設のプロジェクトに取り組んでいます(https://mediva.co.jp/kaigai/service/support.html のページ後半)。その縁で、2017年の「ベトナム北部院長会議」への招待を受けました。今回のブログでは、同会議へ参加のための出張の様子を報告します。

2017年の会議は、ラオカイ省の省都であるラオカイ市で開催されました。ハノイ市からは高速道路で約6時間の道のりです。ラオカイ省は中国雲南省に隣接する国境の省です。私たちが宿泊したラオカイ市内のホテルからも、越中国境を望むことができ、国境の橋には人と車の往来が続く様子を垣間見ることができました。


http://d-maps.com/

 

会議には、保健省から保健大臣を筆頭に各局長クラスが、主催者であるバックマイ病院からは病院長、副院長らをはじめとした幹部が参加し、ベトナム北部全域から集まった国公立病院の院長、幹部との間で、プレゼンテーションやパネルディスカッションが行われました。
冒頭の挨拶に続き、保健大臣から、保健省が取り組んでいるベトナムの保健医療分野の課題について基調講演がありました。その後も各発表者からそれぞれの分野での取り組みが披露され、また各トピックについて議論されました。

ベトナムには国公立医療機関として、中央レベルに38病院、各省レベルに492病院、ディストリクトレベルに700ヶ所弱の病院とその分院、さらに1万ヶ所以上のコミューン診療所があり、保健省と地方政府保健局のもとで医療サービスを提供しています(数値はプレゼンテーションより)。各医療機関がその役割を果たすことはもちろん、その地域や特性に応じた機能を強化していくことの重要性が強調されていました。私の個人的な解釈ですが、ベトナムでは経済発展により都市化が進み、都市部と農村部の疾病構造に差異が表れる段階にあることから、画一的な医療ではなくその地域と患者のニーズに合致した医療サービスの提供が求められていると感じました。パネルディスカッションでは、同時通訳者の翻訳が追いつかないくらいの真剣な議論が交わされ、保健医療の改善に対する参加者の熱意を感じることができました。

 


会議出席代表者らによる集合写真

 

また、会議の前日には、会議開催都市であるラオカイ市の「ラオカイ総合病院」を見学しました。ラオカイ総合病院は600床の省立病院で、CTスキャナー、MRI等の検査機器を有する同省の基幹病院です。現在の病棟は韓国の援助により建設されたものとのことでした。ラオカイ総合病院は、ティーチングホスピタルであるバックマイ病院からの指導を受けつつ、自院もラオカイ省の基幹病院として省内の医療機関に対して技術指導を行っているとの説明がありました。ベトナム北部地域の国公立病院は、トップレファラルでティーチングホスピタルであるバックマイ病院を中心に、傘下の病院が組織化されていますが、ここラオカイでもその一端を見ることができました。将来、メディヴァがバックマイ病院と協力してベトナム北部全域に健康診断の普及活動を行うときには、有力な基盤として機能してくれるのではと期待が膨らみました。

 


ラオカイ総合病院正面入口

 

以上で、ベトナム北部院長会議にともなうラオカイ出張の報告を終わります。普段の出張ではハノイ市を出ることはありませんので、今回、高速道路からの景色も含めて、都市部とは異なるベトナムの別の姿に触れることができたのは、私にとって貴重な経験でした。メディヴァがバックマイ病院と協力して進める健康診断事業においても、ハノイ市周辺だけでなく、各地域に暮らす人々に広く貢献するような活動に育て上げるところまで、一歩一歩進めていきたいと改めて感じた行程でした。