海外医療の現場から メディヴァ海外事業部ブログ

2017年01月

中国の春節

2017年01月19日(木)


春節です!新年快楽!

遅くなりましたが、明けましておめでとうございます。鮑です。日本のお正月が過ぎましたが、1月27日は中国のお正月「春節」にあたります。新年快楽!

今回は、中国の年に1回の大イベントである春節について、ご紹介させていただきたいと思います。中国でビジネスをする上で、春節の文化、中国人の心の拠り所を理解する必要があると思うからです。

春節は、旧暦の1月1日を指し、「過年」とも言います。春節に関する伝説は、「年」という猛獣から始まります。「年」は、大晦日に人を驚かしたり、農作物を食べたりします。しかし、赤色、大きな音、火を怖がるとされています。年を撃退するために、赤い物を飾り、爆竹を鳴らす習慣が生まれました。そのため、「年」を「越す、超える」という意味から、春節を「過年」と言うのです。

春節というと、みなさまは何を思い浮かべるでしょうか。私は、以下のことを思い浮かべます。

〜移動する〜

故郷へ帰り、家族との団らんのために、故郷を離れて仕事や勉強をしている学生や出稼ぎ労働者などによって、13億人の大移動が始まります。春節は一年で最も混雑する時期で、列車やバスはぎゅうぎゅう詰め、飛行機のチケットも入手困難です。チケットを購入するために3日間も並んだりすることもあります。逆に、北京、上海などの普段は人が溢れている大都市は、「空城」になります。これはお正月の東京でも同じだと思います。

移動

*写真出所:http://news.163.com/photoview/00AP0001/110277.html#p=BF789DFC00AP0001

〜飾る〜

「春聯(しゅんれん)」、赤い紙に各種縁起の良い対句を書き家の入口などに貼ります。

「福」、福を描いてある四角形の赤い紙を逆さまに貼ることで、福が来るという願いを込めます。MEDIVA海外事業部の扉にも貼ってあります。

「剪紙(せんし)」、中国の伝統的な民間芸術の切り絵細工です。地域によって貼らないこともあります。

飾る

*写真出所:http://health.kaiwind.com/rd/201501/20/t20150120_2268816.shtml

〜集まる〜

「团圆」(団らん)という言葉は、中国人が春節に対する考え方です。日頃集まることが難しくても、春節には家族で集まって一緒に過ごします。この集まりは、大きいと親族も含めて、何十人にもなります。私の小さい頃は、毎年40人以上の親族が集まりました。大晦日の夜に食べる「年夜飯」の時は、お酒を飲む組・飲まない組、女性組、子供組で、テーブルを分けていました。

〜困る〜

親族が集まることによって、よく以下の質問爆弾で攻められる人が多いでしょう。

・いつ卒業する?未だ就職決まってないの?
・もういい歳なので、未だ彼氏/彼女いないの?
・彼氏/彼女と結婚しないの?未だ子供を産まないの?
・お子さん今年成績はどう?うちは、、、、
・お子さん未だ結構しないの?お子さん未だ子供を産まないの?

まるで、人生のどの段階においても、自身に関すること、家族に関することが催促されるようです。大体の場合、年に1回しか連絡しない、合わない親戚からです。心配、好意の気持ちで質問してきますが、何十人にも聞かれたら、ストレスを感じる人が多いです。

〜食べる〜

各地で習慣は異なりますが、魚、餃子、お餅は定番です。餃子を食べるのは、餃子の形が金塊の形に似ているからです。魚は中国語の「余」の発音と「余る」の発音が同じです。そこで、大晦日に魚を丸々一本出し、その日は食べずに余らせます。「魚を余させる」ことで、来年も余裕がある生活ができるように、という願いを込めているのです。お餅の発音は「年高」と同じく、年々高くなるという意味です。お餅は日本のものと違って、甘いものが多いです。以上のような縁起の良い物を食べます。

食べる

〜遊ぶ〜

大晦日から新年になる瞬間に、爆竹や花火の音が流れます。花火というと、日本で真夏に海や川沿いで行われる花火大会のイメージですが、中国では大晦日に父親が打ち上げます。ただ、今ほぼ全ての都市部で個人による花火が禁じされています。また、子供たちが金魚の形のかんしゃく玉を投げて遊びます。

そのほか、親族とお菓子を食べながら、麻雀やトランプで遊ぶこともあります。

〜観る〜

CCTV春節聯歓晩会を観るのが定番です。春節聯歓晩会は1983年から放送し始めた番組です。大晦日の20:00~0:20までに、中国を代表する歌手によるライブ、京劇やコント、演劇などのさまざまな演目が展開されながら春節を祝います。毎年7億人以上視聴しているそうです。

観る

*写真出所:春節聯歓晩会HPに公開するビデオのスクリーンショット

〜もらう、あげる〜

お年玉は、一年のお楽しみでしょう。中国語では、「紅包(ほんばう)」と言います。それは、紅い紙や袋で包むからです。日本では、小さい子供にあげるイメージがありますが、中国では大学卒業までもらえることもあります。働き始めたら、祖父母、親、親戚の子供などに渡すのも基本的なことです。

最近、変わったお年玉もあります。それは、Wechatお年玉です。Wechatは、日本でよく使われているLine コミュニケーションアプリのようなもので、これを使って個別にお年玉を送ったり、家族や友たちのグループチャットにランダムお年玉を投げることもできます。奪い合い合戦が始まります。金額が大きくなくても、直接会えない人に、お正月の祝福ができます。

もらうあげる1 もらうあげる2

 

そのほか、日本人のみなさまによく聞かれる質問をお答えします。

Q1:春節の休みはいつからいつまでですか?春節の前後1~2週間、中国企業はほとんど動かないと聞いていますが、それは本当ですか?なぜ法定の休みが過ぎても通常業務できませんか?

A:旧正月12月23日の小年から、旧暦正月15日の元宵節まで「春節」としている所があります。全く業務しない訳でもありませんが、春節期間は、皆疲れていたり、ワクワクしたり、帰省したりする人が多くて、仕事を効率的かつ集中的にできるのは、前後1~2週間を見ておいたほうがいいでしょう。

春節スケジュール

Q2:どのぐらいの人が、帰省しますか?全員が会社から離れますか?

A:サービス業以外の会社は休みと考えて良いのでしょう。また、全員ではありませんが、故郷から離れた人々は基本的に帰省します。ただし、管理職やキーパーソンは、会社に居なくても、自宅で仕事する人もいます。

Q3:春節期間に、現地パートナーに何か挨拶が必要?

A:日本のように、年賀状を出さないといけないようなルールはありませんが、挨拶をすると相手との関係が深まると思います。ただし、挨拶のツールに留意したほうが良いと思います。メールなどは休日中すぐに確認できないため、重要なパートナーに、WechatやSMSで祝福の言葉を送るとすぐに気持ちが届くでしょう。

Q4:会社としての初詣はある?

A:あります。日本は神社、中国はお寺です。一般的に、大晦日の「年夜飯」を食べた後、家族で初詣します。企業などの初詣は、旧暦の1月5日です。なぜなら、Q1で書いている通り、旧暦の1月5日は「迎財神」にあたり、いわゆる富の神様を迎える日からだです。ちなみに、今年は2月1日です。

以上、今回は特別に、案件や医療とは毛色の異なる話題を取り上げました。また来年も、宜しくお願い致します。

祝福大家新春快乐!身体健康!大吉大利!万事如意!

春節です!新年快楽!

 

イランの乳がん検診人材育成プロジェクトのご報告

2017年01月05日(木)


新年明けましておめでとうございます。2017年も皆様にとって充実した一年となりますよう心より祈願申し上げます。本年も何卒よろしくお願い申し上げます。

 

今回は、イラン・テヘランで2016年12月に開催した乳がん検診講習会についてご紹介させていただきます。なお、本事業は、平成28年度国際展開推進事業として国際医療研究センター様より「イランにおける乳がん検診人材育成プロジェクト」として委託を受けて実施したものです。

 

さて、皆さんは、「イラン」というとどういったイメージをお持ちでしょうか?国際情勢や中東の国ということから、あまり安心できるイメージをお持ちでない方も多いかもしれません。我々も、イランは初めて仕事をする国でしたので、実際に渡航するまでどういった国なのか、多少の不安もありました。しかし、昨年9月のイラン人医師の日本招聘、その後の現地渡航を経て、改めて「行ってみないとわからない」ということを認識させられました。

まず、イランという国ですが、正式名称はご存知の通りイラン・イスラム共和国(以下、「イラン」)といいます。中東地域最大の人口(78百万人/2014年)を有しており、一人当たりGDPも5,165ドル(2014年IMF推計)、GDP成長率も9.6%(2014年IMF推計)と高くなっています。同国では、乳がんは女性のがん全体の24.5%を占め、女性のがんで最も多くなっています。しかし、イランではまだ公的な乳がん検診は導入されておらず、一部の意識の高い層が自費で乳がん検診を受けるに留まっています。そうした現状もあり、他の先進諸国では、罹患率に比べて死亡率が低い割合に抑えられている一方で、同国では、罹患率に比べて死亡率が比較的高くなっています。こうした中で、公的な乳がん検診の導入を検討している段階にあり、今回その実現の一つの契機となるよう願い、講習会を実施しました。

 

 今回の講習会は、3日間にわたり行われ、1日目はセミナー、2日目・3日目はワークショップを実施しました。開催概要は以下の通りです。

 

期間:2016年12月7日(水)~9日(金)

場所:イラン・イスラム共和国 テヘラン市内 カンファレンスホール ほか

内容:

1日目 イラン・ロシア乳がんセミナー(放射線科医など約100名)

2日目 読影・撮影ワークショップ(放射線科医・技師 各約20名) 

3日目 読影・撮影ワークショップ(放射線科医・技師 各約20名)

 

1日目は、放射線科医や乳がん診療に関係する医療者・病院関係者などを中心に100名程度参加し、イラン側・日本側から各国の乳がん検診の現状などが報告されました。2日目・3日目のワークショップは、医師・技師のグループに分かれて、医師に対しては立川病院服部裕昭先生が開発されたiPadの読影教材を用いた読影講習、技師に対しては、マンモグラフィの実機を用いた撮影指導、参加技師が撮影したマンモ画像の評価研修などを行いました。

医師向けのiPad講習は、教材が日本のガイドラインをベースにしているという点で、普段BI-RADSを使用されているイランの先生方は最初少し戸惑われていましたが、手軽に操作でき、豊富に症例がまとめられている教材に関心されており、BI-RADSに対応した教材への要望が多く聞かれました。技師向けの講習は、実機でのトレーニングと自ら撮影したフイルムに対するフィードバックを通して、具体的な改善点が認識できたと大変好評でした。

今回の開催にあたりましてご協力いただきました立川病院 服部裕昭先生、イランの医師・現地のスタッフの皆様には、心より感謝申し上げます。今回の経験を活かして、今後も海外で乳がん検診の人材育成を後押しできるよう、プログラムの構築や教材開発の支援など力を入れていきたいと考えております。

今回のような研修を通して、現地医療者に日本の医療機器を使い慣れてもらうことは、海外で日本の医療機器を広めるという点でも非常に効果的です。弊社では、日本の医療機関の先生方や現地医療機関と協力して、こうした研修のアレンジを今後も積極的に行っていきたいと考えております。研修を企画したいけれど、なかなか単独では難しいという医療機器メーカーのご支援などできればと考えておりますので、ぜひお問い合わせいただければと思います。

 

iPad教材を用いての講習の様子

 

自身で撮影したマンモグラフィの評価を行う現地技師

 

テヘランの公園(テヘランは緑豊かで過ごしやすい街でした)

 

テヘランの市場には様々なものが…