海外医療の現場から メディヴァ海外事業部ブログ

2016年11月

外国人患者への医療サービス向上の取り組み

2016年11月29日(火)


初めて投稿させていただきます。医療コンサルティング事業部の西川です。医療コンサルティング部門では、医療機関やクリニックの運営支援に携わっています。

今回は、日本国内において外国人(特に南米系)が市人口の約8%を占めているエリアに位置する地域密着型の中小規模の病院における外国人患者さまに対する通訳サービスを導入した例をご紹介させていただきます。

 

言葉によるコミュニケーションの重要性

外国人に対する医療サービスの最大の課題は言葉によるコミュニケーションがとれないことです。正しい問診ができないこともあり、最悪の場合は医療ミスに繋がりかねません。日本語がわからない人たちは、病院に行くことを避けるようになり、症状がひどくなってから診療にかかるケースも見られます。 日本語がわからない外国人は、日本語を話せる友人や知人を同行させるケースと、日本語が上手なボランティアが通訳を行うケースの2通りが存在します。しかしながら、前者を選択した場合、友人や知人が通訳をした場合、次のような問題が出てきます。

・医療用語の知識が不十分であるため、患者に正しい情報を提供できていない可能性がある。

・友人や知人に通訳を依頼するため、患者のプライバシーが守られない。

・子供が親の通訳をさせられる場合において、親が重症の場合の伝え方は、精神的影響が大きい。

 

通訳サービス導入によるメリット

支援先においても外来患者の約2%が外国人であることから、現地の外国人にも満足してもらえるよう、支援開始1年後、ポルトガル語通訳担当者を採用しました。 通訳担当者には、外国人患者さまの診察対応や処方薬の説明補助だけでなく、病院案内パンフレットや各種検査の説明資料を2ヵ国語で作成してもらい、外国人患者さまが納得して診療できるよう取り組んで頂きました。

 

外国人患者さまからは、

・医師や看護師の説明でわかりにくいことがあっても遠慮して聞かなかったが、納得がいくまで説明を受けることができた。

・自分の症状やお薬のことがようやく理解できた。

・採血や検査などを受ける際にも必要であれば同行してくれるので、検査を受けることに不安がなくなった。また、母国ではなかなか受けられない検査もある。

・看護師、事務員みな、優しいと評判がいい。簡単なポルトガル語を覚えてくれている看護師もおり、母国より対応がいい

など、患者さまご自身の満足度が高まった意見を頂いています。通訳サービスを導入することは、医療スタッフにも好影響を与えており、医師や看護師側の言葉の壁によるストレスがなくなり、外国人の対応にも余裕がでて、笑顔で会話ができるようになりました。

 

また、外国人の雇用企業の方からも、

・必ずしも会社の通訳担当者を同行させる必要がなくなったので、通訳者の業務時間の効率が良くなった。

・通訳担当者が職員のプライバシー(病状や既往歴)を知ることがなくなる。

など、外国人患者さまからの満足度は高いようです。

今後の課題  

通訳サービスの導入は、外国人患者さまからの満足度を得られていますが、いくつか課題もでてきています。 一つ目は外国人患者さまの増加による診療時間です。 外国人に対する通訳経費は診療報酬の対象外であるため、原則的に医療機関の負担となります。外国人を診療する場合は、通訳を介して行われるため、1人あたりの診療時間が長くかかってしまい、多くの外国人を診療し場合には、医業収益にも影響が出てしまいます。 当院でも例外ではなく、外国人患者さまの診療では通常の患者さまのおよそ3倍の時間がかかってしまいます。さらに、文化の違いか、時間に対して少し遅れてくることがあり、診察医との調整が困難なケースがみられます。

また、自費診療患者の割合がどうしても高くなってしまうことから、金銭的な問題で提供できる医療サービスの制限が出てきたり、未収金が増加するリスクもあります。

外国人診療を行う上では、これまでは少数だったことから、経営的な影響が少なくサービス面重視で行ってきた医療機関も多いと思いますが、今後は診療内容や経営上を考慮した上での医療提供が必要になってくるでしょう。

海外事業部のホームから

2016年11月16日(水)


はじめまして。昆と申します。

メディヴァは2014年に入社し、保健事業部の特定保健指導の事務局担当を経て今年の7月より海外事業部に異動しました。

はじめに少し自己紹介をします。海外事業部に配属されよく間違われるのですが、生粋の日本人です(笑)

学生時代は外食産業に契約社員として勤務し、夜間の大学を卒業しました。合間を縫って学生主体で企画運営するNPOへの参画に夢中になり、国内ではまちづくりによる地域活性化活動を、海外では現地の日本語を学ぶ学生との交流や環境美化活動等などに関わりました。

大学卒業後は人に関わる仕事がしたいと考え、人材派遣の営業職や、福利厚生アウトソーサーとして、選択型福利厚生制度(カフェテリアプラン)、特定健康診査の運用構築、管理サービス提供などをしておりました。

これらのサービス提供をしていく中で人が生きていく上で無視できない「健康・医療」に関する分野についてより専門的に支援できる人になりたいと思い、メディヴァに参画しました。

 

そんなわけで今回はこれまで人材ビジネスに関わってきた私からみた海外事業部のオフィスや普段の雰囲気を少しご紹介させていただきたいと思います。

 

メディヴァは東京都世田谷区用賀という、都内でもほぼ住宅街といわれる場所にあります。

用賀(ようが)の地名の由来は諸説もあるようですがこの地にある、眞福寺の山号「瑜伽山(ゆがさん)」の「瑜伽」がサンスクリット語「ヨーガ」の音訳、鎌倉時代のヨーガの道場があったとされ、現在の「用賀」に転じたとする説があるそうです。

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ちなみに用賀商店街の公式キャラクター「よっきー」は知る人と知る世田谷区民として特別住民票を与えられた初のキャラクターだったりします(用賀の歴史、よっきーについてご興味ある方は是非用賀商店街の公式WEBをご覧ください)

 

メディヴァのオフィスは用賀に各部署別に分室を設けており、私たち海外事業部はそのうちの1室を使っています。

定期的に開催される「メディヴァ食堂」といわれる社員食堂を間借りしているため少しカフェ風?なオフィスとなっています。

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先日は新メンバー加入に伴う歓迎会のため、中国人社員の鮑さんによる特製火鍋を用意してもらいました。

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うま辛です☆

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メンバーはいつも国内、海外と飛び回っていることが多く、このような機会でもないと全員そろうことがありません。

が、こんな宴会の際は、不思議と誰が何を言わずとも買出し、調理、設営、片付け・・等々、

それぞれ適材適所で立ち回りがなされ宴会がスタートします。お酒の席のエピソードからで恐縮ですが、海外事業部の人材のよさ、そしてチームのよさを感じることができます。

 

この“良さ”が実際の各プロジェクトでも大事な視点だと感じています。

たとえば、海外に対し、どんなに日本でよいとされた医療を持って行っても最終的に利用する現地の方々の使い勝手がよくなければ意味がありません。

現場で困っていることは何か、私たちに何ができて何を求められているのか、今後も患者様視点を持った寄り添うサービスを私たちチームで提供していけたらと考えています。

介護の輸出が本格化?アジア健康構想

2016年11月04日(金)


「アジア健康構想」という言葉をご存知でしょうか?

 

近年、「医療の国際化」を合言葉に日本の医療関連法人の海外へのサービス展開や国内での外国人向けのサービスの実施などが政府の後押しのもと動き始めています。

そんな中、今年7月に政府は「アジア健康構想に向けた基本方針」を策定し発表しました。ここで打ち出されたのは介護の国際化です。

 

「アジア健康構想に向けた基本方針」2016年7月29日健康・医療戦略推進本部決定

http://www.kantei.go.jp/jp/singi/kenkouiryou/suisin/ketteisiryou/dai14/index.html

 

基本方針には以下のようなことが書いてあります。

・多くのアジア地域では基礎的な医療サービスを提供する仕組みが確立する前に高齢化社会を迎えることが見込まれる。

・急速に高齢化が進むアジア地域においては、日本における高齢化対策や日本の民間介護事業者等の進出に対する関心が高まっている。

・アジアの国や地域の状況は、①自国の高齢化が進み具体的な対応に関心がある需要型と、②まだ自国の高齢化には時間があるが介護等高齢者関連サービスの人材育成と送り出しに関心がある供給型に大別される。

・日本政府は、政府間行力と民間事業支援の両面から介護の国際化を推進する。

 

これが本格的に動き出すのはおそらく来年からだと思います。

政府の動き、予算の動き、そして各社の動き。これらは要確認です。

メディヴァでもこの波に乗って介護の国際化を加速したいな。(独り言)

~自己紹介~

メディヴァ海外事業部の吉村和也と申します。普段はコンサルティング事業部の企業・行政チームに所属し、国内の基礎自治体に対して地域包括ケアシステムの構築支援などを主に行なっています。海外事業としては、リハビリテーションや介護などに関わる高齢者向けの事業や政策に関心があり、関連するプロジェクトがあると関わらせていただいています。

若さと熱意で仕事をするタイプです。より良い社会の実現を目指して日々奮闘しています。