海外医療の現場から メディヴァ海外事業部ブログ

ニーズにあった医療を

2016年10月06日(木)


はじめまして。西澤智之と申します。メディヴァには今年(2016年)の4月に入社しました。はじめに少し自己紹介をします。

私は、学生時代は文系で、社会人になってからも医療やヘルスケアに関する仕事に携わったことがありませんでした。新卒で民間企業に就職し営業系の仕事をしてきました。事業を行うにはまず収益確保が必要ということと、その方法である顧客へのアプローチ手法やマーケティング手法を学び実践してきました。その後、日本企業の海外投資を支援する仕事にも携わることができ、事業性調査を行う、事業計画を立てる、投資判断を下すといった場面の臨場感を知ることができました。また、留学生を日本に受け入れるODA事業の現地オフィサーとして発展途上国の人材育成の手伝いをする経験もしました。

メディヴァに参画した今は、その地域で求められている医療を提供できるよう、これまでの経験と新しい知見をいかに融合させるかを考えています。 

今回は、医療を提供する側の経験がないことと入社から間もないことを逆手にとって、受診者の視点から、いくつかの海外の医療機関を私が見た感想をつづってみたいと思います。

 

中国広東省内の地方都市の人民病院(公立)

中国では、病院はおおまかに一級、二級、三級に分類され、三級が最も規模・設備・医師の面で高い医療サービスを提供している病院とされています。私が訪問した病院は三級病院でした。中国では、充実した医療サービスを提供する三級病院に患者が集中することが問題になっていますが、当病院も例外ではなく、外来は早朝から多くの患者とその家族で混雑していました。外来棟は新しく、各診療科が各階に配置され、基本的には日本の総合病院と同じです。興味を引いたのは会計窓口が診療科ごと各階に配置されていたことです。知人の話では、1階にまとめて会計窓口を置くと患者数が多すぎて運用できないことから、各科で完了するような仕組みになっていると言っていました。それが患者にとって便利なのか不便なのかは難しいところだと思いました。

 

ベトナム・ハノイ市の富裕層向け私立病院(民間)

ベトナムは、皆保険制度を導入中です。公立医療機関に対しては重症患者を地域病院から中央医療機関に順に紹介していく「レファラルシステム」を採用していますが、実際には守られない例もあると言われており、国立の大病院にはキャパシティーを上回る患者が訪れています。一方で、民間経営の高級病院は主に保険外で診療を提供しています。私が訪問した民間病院はハノイ市内にあり富裕層や外国人を主な患者として診察を行っていました。ロビーに入るとコンシェルジュのような案内係が近寄ってきて用件を聞くような患者サービスも行われているようでした。国立病院とは雰囲気と患者層が大きく異なりました。

 

ミャンマー・ヤンゴン市の外国人向けクリニック(民間)

最後は、私が診察を受けたことのあるクリニックです。主には外国人を対象とした小規模の診療所です。診察は予約制で、体調が悪い場合もまず予約して診察時間を確保してから診察を受けます。飛び込みは挑戦したことがないのでもしかしたら可能かもしれませんが、基本的には予約が必要でした。ある日、高めの発熱があったので朝がた診察予約を申し込みましたが、夕方には予約が取れる、という回答をもらいました。体調が悪くできるだけ早く診察を受けたかったので残念に思った記憶があります。知人によると、公立病院では常に長蛇の列ということでしたし、そもそも診察を受けに行かない人たちも少なくないとのことでした。

 

このほかにも病院やクリニックを訪問しましたが、私が常に意識しているのは、通院している患者が、何を基準にその医療機関を選び、その医療機関に何を期待しているのか、を感じ取りたいということです。それぞれの医療機関に対する患者側のニーズは様々です。もちろん「いい医療を受けたい」という共通の希望はあります。ただ、その「いい医療」とは具体的に何でしょうか。この点を考えることが大切だと思っています。答えは相手によって異なるでしょう。それでも、その人にとって必要な医療やヘルスケアサービスを届けたい、その想いをもって仕事をしていきたいと思っています。