調査報告『地域包括ケアシステムに関する現状と課題把握のためのヒアリング調査 ご報告書』

2018.08.28[ニュースリリース]

『地域包括ケアシステムに関する現状と課題把握のためのヒアリング調査 ご報告書』を公開しました。この調査は、メディヴァ代表の大石佳能子が理事をつとめるNPO在宅ケアを支える診療所・市民全国ネットワークの理事会企画を、メディヴァが受託し、平成28年、平成29年に実施したものです。

 

◎目的

「在宅医療・介護連携推進事業」を進める上での課題を明らかにし、事業推進の成功因子を本質的・具体的に把握するため、事前アンケート調査と、本ヒアリング調査を行いました。在宅医療介護連携推進事業および在宅医療提供体制構築に取り組む自治体に推奨するべく、報告書として公開します。

 

◎調査の背景

平成30年4月以降、すべての市区町村は「在宅医療・介護連携推進事業」の実施が求められています。

しかし、厚生労働省老健局老人保健課による「平成27年度 在宅医療・介護連携推進事業(地域支援事業)の実施状況に関する調査結果」では、平成 27 年8月1日時点で、在宅医療・介護連携推進事業(ア)~(ク)の各事業について、約 3~6 割の自治体が、事業案の策定や実施をするに留まっていました。

そこでこの調査では「在宅医療・介護連携推進事業」の課題を抽出し、解決策を検討するべく、平成28年度に全国1731自治体に対しアンケート調査を実施。先行調査した自治体を含め 213 の自治体からアンケートの回答を得ることができました(回答率12.2 %)。

ご参考:平成29年7月_地域包括ケアシステムの現状と課題把握のためのアンケート調査報告書(PDF)

 

◎ヒアリング調査の実施

上述のアンケート調査により、事業推進の成功因子は「自治体内の専門部署の設置」、「評価指標の設定」、「外部事業者への委託」、「医師会内の在宅医療に理解のある協力者」4点にあると考えました。

より本質的な因子とその他のKey success factorを把握するべく、事業の進捗度の高かった 6 自治体(滋賀県守山市、愛知県北名古屋市、東京都板橋区、新潟県新潟市、千葉県船橋市、神奈川県横須賀市)に対しヒアリング調査を行いました。

以上のアンケート、およびヒアリング調査の結果から考えられる、事業推進の成功因子は次の4つです。

① 評価指標はできるところから。特に重点的な事業を評価できる指標から開始する。
② 内(関連各課)外(職能団体)関係者との顔のみえる関係の構築
③ 医師会との関係の構築
④ 専門部署配置(専門部署配置が望ましいが、専任者および専門職配置、あるいは専門職なみの医療介護の知識をもつ人材配置、医師会との連携といった工夫で補完は可能)

これらの成功因子は、いずれも事業のPDCAサイクルを回していくために重要な要素です。そして今回ヒアリングをした6自治体は、このPDCAを回す要素の多くを満たしており、結果として事業が進んでいると評価できるのだと考えられました。

 

◎調査報告書のダウンロード

平成30年8月_地域包括ケアシステムに関する現状と課題把握のためのヒアリング調査 報告書(PDF)

 


全国の基礎自治体が地域包括ケアに取り組んでいますが、必ずしも進捗がはかばかしい自治体ばかりではありません。株式会社メディヴァは、これまでの支援の経験や先行する自治体の知恵と工夫を共有化することにより、少しでも高齢者や家族にとって暮らしやすい地域づくりに資することを目指しています。

第24回 全国の集い in Osaka 2018」(会期:9月23~24日)では、24日午前9時30分より、調査結果のご報告と先進自治体の工夫の共有を目的としたシンポジウムが開催されます。多くの皆さまのご参加をお待ちしています。