No.097(2014/3/3)

2014.03.03

メディヴァメールマガジンNo.097

  ━━  皆様  こんにちは! ━━━━

 3月に入ったとはいえ、寒い日が続きますが、皆様いかがお過ご
 しでしょうか?

 私は先週末、日本在宅医学会大会で鰻と餃子の町、浜松に行って
 きました。鰻も餃子もきわめて美味でした。学会のほうは、クラ
 イアントの桜新町アーバンクリニック、松原アーバンクリニック
 と一緒に合計17演題を発表することができ、在宅医療や地域包括
 ケアについての最新の動向を学び実りある2日間でした。

 在宅医学会の正式な議題ではないですが、集まった人たちの間の
 大きな関心事は今回の診療報酬改定、特に施設在宅の点数切り下
 げです。老人ホーム、グループホーム、サービス付き高齢者住宅、
 マンション、アパートへの訪問診療時の診療報酬が4分の1に切ら
 れたために、ほとんどの在宅支援診療所が痛手を受けました。

 4分の1へカットするという、前代未聞の改定の背景には半年ほど
 前に問題になった、老人ホームの患者さんを医療機関へ紹介し、
 紹介料を得ていた業者の問題があります。「患者の売買のような
 商売をするのはけしからん」ということとともに、それだけ紹介
 料を払えるのは儲け過ぎに違いない、ということだったようです。

 加えて、現在、施設への訪問診療の医療費は個人宅(居宅)とほぼ
 同額と推計されるので、訪問診療に向けられる医療費の半分を4分
 の1にカットできれば、荒い試算ですが600億円は抑制することが
 でき、ちょうど「紹介業者はけしからん」、「施設への在宅医療は
 儲け過ぎ」と言われている中、抵抗に遭わずカットできる分野だっ
 たということでしょうか。

 しかしこれによって、在宅支援診療所の経営はかなり厳しくなりま
 す。荒稼ぎをして、紹介業に払った残りを懐に収めていた在支診も
 あるのでしょうが、多くは在宅医療に求められる24時間対応の体制
 整備の原資としていました。施設在宅の収入がなくなると、体制整
 備が手薄になる在支診もあるでしょう。

 特に経営的に厳しいのは、自ら施設を建てた在支診です。地方では、
 独居や老々介護、認認介護の高齢者が地域で住み続けることができ
 るようにと介護施設を建設したところも多く、診療報酬が切られて
 しまうと借り入れが返済できず、倒産する可能性もあります。

 また老人ホーム側も医療機関からの「辞退」の電話が相次ぐなど、
 「ホームに医療が来なくなる」という切実な問題に直面しています。
 特に重症な方が入居されているホームは、24時間対応の負荷が在支
 診にとって高いことが従来より課題になっていましたが、医療材料
 が包括されることによって患者単位では逆ザヤになるケースも出て
 きます。

 老人ホーム等の施設への訪問診療が手薄になると、ホームでの療養、
 看取りが減って、どうしても救急搬送のケースが増えるでしょう。
 救急車や病院の救命救急はただでさえ地域の高齢化のためパンク寸
 前の状態になっているので、これ以上受け入れることは非常に厳し
 いと思われます。

 もともと日本は諸外国に比べて、圧倒的に病院死が多いことが問題
 になっていて、患者さんのQOL向上と医療費抑制のために在宅医療の
 普及が望まれていました。住み慣れた自宅に看取りまでいる、とい
 うのが最も望ましい形ではありますが、独居、老々介護、認認介護
 の方も多く、その方も地域で住み続けるために、施設や高齢者住宅
 の普及も求められていました。

 今回の診療報酬改定は、一部の在支診の収入が減るということだけ
 でなく、地域包括ケアの構想や地域医療を揺るがしうる、「ドミノ
 倒し」の最初のドミノになりえる大きな課題だと見ています。本件、
 皆様はどう思われるでしょうか。

 また、今回の診療報酬改定は病院にとってもインパクトの大きい変
 更が多くありました。病院の経営も厳しくなると思います。詳しく
 は、弊社コンサルティングチームが「改定影響シミュレーションと
 経営戦略」という内容で執筆したレポートが、日本医事新報2014年
 4月26日号に掲載されますので、まずはご覧ください。

                                                               (代表取締役 大石佳能子)

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 ┃     台頭する在宅医療市場 ~製薬・医療機器企業への期待~
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 富士通主催、メディヴァ共催で在宅セミナーを実施します。

 現役在宅医と医療コンサルが語る
  「診療報酬改定から見る、経営戦略セミナー」
   ~在宅医療拡大における課題と解決のためのポイント~

 「医療機関の機能分化・強化と連携、在宅医療の充実等」を重点
 課題とする2014年度診療報酬改定。診療報酬改定の病院・診療所
 への影響や、在宅医療部門拡大のポイントを現役在宅医と運営の
 プロが詳しくご紹介します。

  開催日時:3月23日、4月12日(東京)3月29日、4月19日(大阪)
  会場:(東京)富士通株式会社本社 汐留シティーセンター 24階
                JR、東京メトロ銀座線、都営浅草線新橋駅徒歩3分
                都営大江戸線汐留駅徒歩1分
        (大阪)富士通株式会社 関西システムラボラトリ 4階
                JR大阪環状線、東西線、京阪電鉄京橋駅徒歩6分
                地下鉄長堀鶴見緑地線大阪ビジネスパーク駅徒歩5分
  定員:先着50名
  講師:のざと診療所 往診部 副責任者 中山明子 様
        頴田病院 家庭医療センター長 大杉泰弘 様
        株式会社メディヴァ 代表取締役 大石佳能子
        株式会社メディヴァ マネージャー 村上典由
         (開催日によって異なります)

 【詳細・お申し込みはこちら】  
 http://jp.fujitsu.com/solutions/cloud/elderly-care/events/seniorcare-seminar.html

 在宅医療に関心をお持ちのドクターの皆さまのご参加を心より
 お待ち申し上げます。

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 「高齢化社会」という言葉が、お茶の間に認知されて久しい現代
 ですが、平成25年高齢社会白書によると、現在の日本は、高齢化
 率が24.1%(世界第1位)となり、世界で類を見ないスピードで進
 行をしています。もはや、高齢化社会を超えた「超高齢化社会※」
 へと、時代のネーミングも変わりつつあります。 
 ※超高齢者:85歳以上

 これに伴い、医薬品や医療機器などのマーケットも、急激な変化
 を遂げています。日本の医薬品市場は、国民皆保険制度の制定を
 発端として拡大し、更に高齢化の進展に伴う新たな疾患市場の誕
 生により、現在に至っては、我が国は、米国に次いで世界第2位
 (9兆4,000億円規模)の巨大市場となっています。

 例えば、アルツハイマー型認知症(AD)治療薬は、現在1,200億円
 の国内市場が、2020年には、その倍の2,500億円市場へと拡大する
 見通しです。アリセプト(エーザイ)の上市後、10年ぶりにメマリー
 (第一三共)、イクセロンパッチ(ノバルティス)、レミニール
 (ヤンセン)が次々と上市され、新薬登場そのものが市場拡大に寄
 与しています。また、それだけでなく、在宅医療の普及に伴い、ADの
 早期発見が更に進んだ場合は、2020年のAD治療薬市場は2,900億円
 に膨らむとも試算されています。

 疼痛治療薬市場もまた然りです。抗がん剤等の新薬開発に伴い、生
 存率が延び、同時に、ターミナルや緩和ケア患者が増加しています。
 これにより、疼痛管理は重要な市場となっており、最近では、オピ
 オイド・オキシコドン、更にはフェンタニル貼付剤の適応拡大が市
 場に大きなインパクトを与えています。慢性疼痛市場では、リリカ
 (ファイザー)が爆発的ヒットを遂げ、リピトール/ノルバスクの
 特許切れに見舞われたファイザーの新たな屋台骨となりました。

 医療機器・医材市場にも変化が起きています。

      ↓ 続きはこちら ↓
 https://mediva.co.jp/hbc_blog/2014/02/post-26.html

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 ◆掲載情報◆
 ◎弊社取締役コンサルティング部長の小松が、月刊保険診療2月号
     特集1 医療機関の広告&広報戦略
       ~座談会~ 自院をクローズアップする戦略と技術
   にて司会を務めました。
 https://mediva.co.jp/info/2014/03/post-187.html

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 ━━    編集後記    ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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 梅の開花のニュースが聞かれるようになり、今日は桃の節句。
 受験生の皆さんのサクラサク便りもあちこちで聞かれます。
 春ももうすぐそこまで来ていますね。