No.093(2013/11/22)

2013.11.22

メディヴァメールマガジンNo.093

  ━━  皆様 こんにちは!   ━━━━━━━━━━━━━━━

 最近はめっきり寒くなりましたが、空は快晴で気持ちいいですね。
 皆様はいかがお過ごしでしょうか。

 ここ最近の医療界での話題の一つに徳洲会の公職選挙法違反があ
 ります。「徳洲会に入ったら選挙を手伝う」ことは、医療界では
 常識化していて、「徳洲会の医療は魅力だけど、選挙はイヤだ」
 と言って辞めたスタッフの話もよく聞きます。そのため「なんで
 今頃これが問題になったの???」と驚いた方も多いでしょう。
 私も、当初そう思いました。

 「何故、事件になったか」は、もちろん単に選挙運動を手伝うだ
 けでなく、その行為に対してお金を払うことが法律に抵触するか
 らなのですが、本件はさらに徳田虎雄氏の一族が、本来は公的な
 ものである病院を「私物化」していたことに発展しました。

 徳洲会の場合は、税制的に優遇された「特定医療法人」、「社会
 医療法人」です。公共性の高い医療事業を行い、同族経営を排す
 る(出資持ち分の放棄、同族支配の制限、役員報酬の明確にする
 など)代わりに、医療事業には法人税がかからないといった優遇
 措置を受けます。にもかかわらず、徳田虎雄氏の親族は、トンネ
 ル会社等を通し、巨額の報酬を受け取っていました。徳田虎雄氏
 に仕えた「番頭」的な幹部と新しい経営者である親族間の内紛。
 これが、事件が明るみに出た発端です。

 この事件は、公職選挙法違反、病院の私物化ということが問題な
 のですが、突き詰めると徳洲会だけでなく、広く医療機関の「ガ
 バナンス」の問題にぶち当たります。「ガバナンス」とは、「統
 治」のことです。例えば、企業では、企業の不正行為の防止と競
 争力・収益力の向上を目的とした、長期的な企業価値の増大に向
 けた企業経営の仕組み、をいいます。オリンパスの事件等でもあ
 りましたが、どんな優れた経営者でも、独善に陥ると企業の成長
 は損なわれるリスクがあります。このためのチェック・アンド・
 バランスを行い、正しく「かじ取り」をする仕組みがが「ガバナ
 ンス」です。

 株式会社であれば最終意思決定者である「株主」が、執行を任さ
 れている「社長」や「取締役」の行動に対してチェックをする機
 関として機能します。取締役会に更なるチェック・アンド・バラ
 ンスの仕組みを入れる会社もあります。例えば、私が非常勤取締
 役を務めているアステラス製薬の場合は、取締役の過半数は社外
 の人です。会社の経営方針とその実行の決断には、社外役員が
 チェック・アンド・バランスを行使します。また会長、社長をは
 じめとした役員の報酬は、社外役員による報酬委員会で決まりま
 す。これは、経営者の独善を防ぎ、専門家の目、外部の目を入れ
 ることにより、よりよい公正な「かじ取り」を目指しているので
 す。

 翻って、医療機関の場合、どういう「ガバナンス」の仕組みで動
 いているのでしょうか?徳洲会のような大きな医療機関でも、大
 体は一人の医師、もしくは一族が興したものです。徳田虎雄氏は
 最初は昭和40年代に大阪府で病院を開設しました。「借金が返せ
 なかったら、保険に入っているから自殺して払う」と徳田氏は銀
 行に言ったらしいです。幸いにして、病院は大成功しました。株
 式を発行して資金を集めるという方法がないため、医師は「個人
 事業」として病院・診療所を興し、「個人」として借り入れを行
 い、医療法人化した後も「個人」として保証をします。従業員数
 が1万人に近いの医療法人でも経営者は「個人保証」し、その金
 額は数百億円に上ります。一般産業界で大企業の社長が「個人保
 証」を求められることはなく、医療機関はあくまでも「中小・零
 細企業」扱いなのです。

 また、収入を得る時も、個人病院・個人診療所の場合は、収益か
 ら経費を引き、税金を払った残りが「院長の取り分」です。これ
 は一般企業では町場の青色申告の事業者と同じ扱いです。ちなみ
 に、医療機関は配当することが認めれておらず、これが株式会社
 が医療機関経営に参入できない法的な理由ですが、個人病院・個
 人診療所に限っていえば、「残ったお金はすべて院長の取り分」
 なので、「100%配当」と実質的は変わりません。これだけリスク
 を負って成功した場合、その成功の果実をもらってしかるべき、
 と思って当然でしょう。

 株式会社であれば、創業者はリスクを負いますが、IPOしたり第三
 者に売ることにより成功の果実を得ます。もしも創業者の一族が
 経営することが不得手であれば、経営からは退いて単なる資本家
 になればよく、資本と経営が分離することにより、よりよい「ガ
 バナンス」が構築されます。

 医療法人の多くは、個人診療所・個人病院から興したものです。
 個人としてリスクを負って借り入れ、保証し、個人として経費、
 税金を引いた残りを受け取る。これが医療法人化したあとも、文
 化として残らないことはありえません。医療法人は基本的に、創
 業者とその一族の「家業」として育つDNAをもって生まれること
 になります。さらに「理事長は医師でなければならない」という
 規制のため、息子、娘を医学部に入れ、継がせることにより益々
 「家業」としての色彩が強くなるのでしょう。

 このようにして育った「家業」は、外部から優秀な経営者を受け
 入れにくくなります。外部から経営者を入れた場合、まず乗っ取
 られたらどうしよう?と思うでしょう。事実、外部から入った医
 師や事務長に乗っ取られるケースも多々見聞きしました。しかし
 もっと重要なポイントは、「優秀な人は『家業』に勤めたくない」
 ということです。その人が医師であるならば、自分で医療機関を
 興すでしょうし、医師でないものは給料も高くなく、IPOすること
 もなく、出世の道も閉ざされているところには就職しません。こ
 のようにして、医療法人の場合、優れた「ガバナンス」には必須
 である「優れた経営者を得る」機会がきわめて制限されます。

 医療法人でも、外部の人を理事等に据えて、例えば「地域の目」
 を入れようとしている例もあります。ただ、問題はその人たちが、
 どの程度本当に権限を持っていて、どの程度真剣に経営に関与す
 るかです。年に数回集まってそこで意見を言う、程度では経営は
 変わりません。そもそも名誉職のようなものですから、報酬もほ
 ぼなく、「真剣に考える」ことが求められているとは到底思えま
 せん。

 株式会社が、医療機関を経営する上で優れているといっているの
 ではありません。ただ、医療法人も「家業」を脱し、創業者の負
 うリスクが適切な範囲に収まり、苦労した人が適切な形でリター
 ンを得、良い経営者が組織の継続的な発展に向けて頑張れる仕組
 みと、それが正しく行われていることをチェック・アンド・バラ
 ンスする「仕組み」が必要なのではないでしょうか?

 徳洲会の場合も、各施設は地域の医療に大いに貢献しています。
 今回の事件をきっかけに、単に徳田虎雄氏の親族が経営から退く
 だけではなく、医療界の模範となるような新しいガバナンス体制
 に生まれ変わることを期待しています。
                                      (代表取締役 大石佳能子)
 

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 ┃ ▼ 桜新町アーバンクリニックの認知症初期集中支援の
 ┃          取り組みが、読売新聞で紹介されました
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┃  ┃         取り組みが、読売新聞で紹介されました
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 政府が進める「認知症施策推進5か年計画(オレンジプラン)」
 の一環として、認知症の初期から本人や家族を支える「初期集中
 支援チーム」の制度化をめざし、モデル事業が今年から14市区
 町で始まっています。

 メディヴァが運営を支援している医療法人社団プラタナス桜新町
 アーバンクリニックは、モデル事業に先駆け、発症初期から認知
 症の人の生活を支え、入院を防いで住み慣れた場所で生活を維持
 することを目的に、支援チームを運営してきました。

 この取り組みが11月19日付読売新聞で取り上げられましたので、
 ご紹介させていただきます。

 詳しくはこちらをご覧ください。

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 最近、メディヴァへも多くのMRさん達が「今までのMR活動では顧
 客に十分な価値を提供できなくなってきたように感じる」という
 感触を持たれ、中途採用に申し込まれるようになってきました。
 また、ブロックバスターの特許切れが2010年以降続いており、製
 薬企業からの問い合わせも増えています。加えて、急速な高齢化
 を遂げる市場、財政問題、政府のジェネリック促進の動きなどか
 ら、製薬業界は旧来型のKOL(Key Opinion Leader)へのセールス
 アプローチを中心としたMR活動によるビジネスモデルから転換が
 求められています。見方を変えると、激変する環境の中で、様々
 なアンメットニーズが生まれ、そして、新たなビジネスチャンス
 が生まれています。

 最も大きな流れとしては、急速な高齢化が挙げられます。高齢者
 の受療率は若年と比べ圧倒的に高いので、放っておいても市場は
 大きくなります。ただし、手放しで、というわけにはいきません。
 高齢化に伴い、患者が治療を受ける場が変わってきました。高齢
 化は医療技術の発展と共に医療費増加に影響する重要な要因の一
 つですが、医療費を抑制するために、政府は医療機関の機能分化
 および在宅医療の促進を進めています。これまで、ガン、脳卒中、
 心筋梗塞、糖尿病の四大疾病および認知症の治療は入院に比重が
 置かれていましたが、在宅医療が整備されてくるにつれ、段々と
 在宅でできる治療の幅も広がり、在宅医療での治療、お看取りが
 普及してきています。また、外来患者数も2025年をピークに減少
 することが予測されています。

      続きはこちら 
 
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 ◆シルバー&ヘルスケアビジネス戦略特別セミナー◆
     2025年改革、2014年診療報酬改定を見据えた
         地域包括ケア時代の在宅医療と
            成長する在宅クリニック運営ノウハウ

 開催日時:2013年12月17日(火)午後1時~午後4時30分
 講 師 :株式会社メディヴァ 代表取締役社長 大石佳能子
      株式会社メディヴァ コンサルタント 兼 
           医療法人社団プラタナス 桜新町アーバンクリニック
                              在宅医療部 事務長 村上典由
 会 場 :SSK セミナールーム
        東京都港区西新橋2-6-2 友泉西新橋ビル4F
 受講料 :1名につき 31,500円(税込)
     同一団体より複数ご参加の場合、2人目以降 26,250円(税込)
  メディヴァメールマガジンを見てお申込みされる方は、
  31,500円(正規金額・税込)→26,250円(ご優待価格・税込)
  お申込みの際にメディヴァからの紹介である旨をお伝えください。

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     「在宅医療ノウハウセミナー2013」
                  成功する在宅クリニックの運営モデルとは

   在宅医療に参入する医療機関が増える中、成功しているクリ
   ニックは何を考え、何を実践してきたのか?
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 以下、12/7 福岡、12/14 大阪にて開催を予定しています。

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 ━━    編集後記    ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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 紅葉の美しい季節になりました。急に冷え込んで、あちこちで冬
 の足音も聞かれます。年末に向けてのラストスパートが始まる前
 に、つかの間の晴天をゆっくり楽しみたいですね。(Y)