No.008(2006/01/16)

2006.01.16



目次




ご挨拶

松の内が明けてしまいましたが、あけましておめとうございます。本年もどうぞ宜しくお願いします。メディヴァでは、今年も去年に増して病院、診療所の開設・運営支援に力を注いでいく所存です。

昨年から今年に掛けて、経済産業省の研究委託事業として、診療所へ支援インフラ提供を開始しています。その一環として、管理栄養士の派遣も行っているのですが、たった3ヶ月で対象患者の約半分において目覚ましい改善効果がみられました。これはやっている方もびっくりしたのですが、確実に患者さんの健康回復と医療費削減には寄与すると実感しました。ポイントは患者さんを意識等でセグメントして「出来る事から、やる」ことでしょうか。本件も今後またご報告させてください。

( 代表取締役 大石佳能子 )

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病院のブランド戦略

ブランドとは、「高価であること」や「ネーミング」や「マーク」を意味するものではありません。消費材の分野では「ブランド」は「売り手である企業の理念に基づいて、競合他社と区別され、かつより高い付加価値を生み出すことを意図して設計された商品・サービス」として定義されています。そしてそれは「企業とその買い手である消費者によって共通に認知され」なくてはなりません。

病院におけるブランドも同様に、「病院とその関係者(患者、スタッフ等)の『継続的な共通認知』」、つまり「病院の理念に基づいて、より高い医療サービス価値を生み出すことを意図して設計された施設、プロセス、システムと、その結果患者が感じる共通認知」として定義されるでしょう。

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◆ ブランド構築によるメリット
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ブランドが形成できると、病院にとっては大きなメリットになります。

1) 病院の診療内容や技術レベルに合った患者が集患できる
→ 入院・外来単価が上昇する
→ 病診連携が促進する等が実現できる、、など

2) ブランドが院内の共通認知となる
→ スタッフに理念が浸透し意識が上がる
→ 医療事故やミス等のリスクが下がる、、など

3) 病院の方向性が明確になり、その他の付加的な可能性が生まれる
→ 薬剤・機材のメーカーとの事業提携の機会が拡大する
→ 資金調達が容易になる等付加的なメリットも見込める、、など

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◆ ブランドを構築するための戦略
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ブランドを構築することは「価値」(=ブランドコンセプト)を構築することでもあります。そのためには「価値の選択」、「価値の提供」、「価値の伝達」の3つを行う必要があります。

▼ 1)価値の選択
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病院が患者さんに対して提供する「価値」は、理念と密接に関連しますが、「患者様のために」等、どの病院でも通用するような理念ではなく、より具体的で、「価値」の設計、選択に結びつくものであることが重要です。

具体化させるためには、ターゲット像を明らかにすることが有効です。
病院の場合、その機能や立地する地域によって患者から求められる価値は異なります。たとえ大学病院であっても、都内の病院密集地にある病院と地域医療を担う立地にある病院では選択すべき「価値」は異なってきます。

患者の求める「価値」は、実は国民皆保険制度下においても多様化しています。ケアレビュー社(メディヴァの関連会社で、病院における顧客満足度調査を実施しています)の調査結果によると、「なるべく安い治療費で早く入院を済ませたい」層、「治療方針は医師に任せたい」層、「高い治療費を払ってでも、最新技術・設備、早い治療、精神的ケアを求める」層等、患者の価値基準は様々です。

もちろん、病院によって各層の集患度合いは異なっていて、その原因は地域特性と病院の集患能力の差によることが多いようです。「価値」の定義を行う場合は、現在はどの層の患者を集めているのか、今後はどの層の患者に注力するのかを定量的に計りながら検討する必要があります。

▼ 2)価値の提供
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求められる「価値」に合致するように、どういう病院にするのかを定義します。具体的には、施設内容、診療科目、専門性、技術レベル、診療プロセス、スタッフ教育、院内システム、サービス体制等、医療サービスの内容と、それらを提供する体制を指します。

▼ 3)価値の伝達
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「価値の伝達」は、提供する「価値」の存在を患者に伝えるマーケティングですが、いわゆる広報や広告宣伝だけではありません。施設のデザインや差額ベッド等の料金設定、スタッフの対応等の活動も、伝達方法になります。

「価値の伝達」(マーケティング)は、対象によって方策は異なります。主な対象は、連携先(他病院、地域診療所、救急隊等)、患者(近隣、遠隔)、スタッフ(医師、OB、看護師等)、提携先(薬剤メーカー、資金調達時の投資家等)等でしょう。それぞれの対象に応じて、病院のブランドに即したメッセージを広告宣伝、広報活動、営業、学会発表等を通して訴求します。同時に、近年はインターネットの積極的な活用を検討することが必要になります。また、口コミも単に発生するのを待つのではなく、口コミに乗り易い情報を発信することにより、ポジティブなコントロールを図ることができます。

このように価値の選択、提供、伝達といった3つのポイントから、病院の持つ価値を振り返えり、病院のブランド化に向けた取り組みを開始してみませんか?

( 代表取締役 大石 佳能子 )

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連載 開業プロセスと成功するポイント 第7回 「 建築計画と動線設計 」

事業計画が策定でき融資を得られると、多くのドクターにとって頭が痛い資金関係は一段落です。次は、建築計画という楽しい作業が始まります。建築は、数年にわたってご自分が勤務する場所を造ることです。実利的な効率性を追い求めるのは当然ですが、一方で、毎日働いていて楽しい場所を作るという気持ちで臨んで頂きたいと思います。

▼ 建築計画の流れと注意点
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建築計画についての大まかな業務構成は、次のようになります。
1) 建築家の選定
2) 基本設計(平面図)
3) 実施設計(立面図、部材選定、インテリアなど)

建物から建てる場合と、テナントを借りて内装から始める場合では、工程に若干の違いがありますが、いずれにしてもまずは平面図の設計から始めます。平面図は各部屋の大きさと数から考え始め、徐々に動線設計、部屋の配置、医療機器、家具のレイアウトと細かくなっていくことが一般的です。多くの場合には建築家に頼んで図面を描き始めることになりますが、描き始めるにあたって気をつけて頂きたいことがあります。

◆ 注1:いきなり図面にとりかからず、事前にできる限り多くのクリニックを見て施設のイメージを持つ
◆ 注2:可能であれば一人の建築家ではなく複数の建築家によるコンペを行い、コンセプトの考え方やセンスから選ぶようにする
◆ 注3:コンペ・図面依頼にあたっては、事前に文章で先生の考え方をまとめておくと良い(診療内容、スタッフ数、部屋数、部屋の使い方など希望を書き出す)

▼ 1) 建築家の選定
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コンペについては考え方は色々ですが、平面図だけではなくインテリアの選定やパース(立体視されたイメージ図)をつけて説明して頂く方が良いと思います。最初のコンペまでは営業として無償で対応して頂けることも多いですし、逆にしっかりした提案から選定をしたい場合には、コンペ費用をお支払いして募るということもありえます。いずれにしろ、経験や実績のみならず、考え方やコミュニケーションなどの相性が建築家選定においては大変重要なポイントになりますので、慎重に選ばれることをお勧めします。

▼ 2) 基本設計(平面図)
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平面図作成は、部屋の広さと数、動線を含めたレイアウトのチェックから始めます。このとき重要なのは、誰の視点で設計をするかということです。まずは患者さんの視点を強く意識して欲しいと思います。

当社の開業医アンケートでも、待合室やトイレを広く、居心地の良いものにしたクリニックのほうが、概ね流行る傾向にあります。例えば、待合空間が広くてゆったりくつろいで待つことができること、座っている患者さん同士の視線が上手く外れていることや、子どもと大人のスペースが別れていること、またふっとくつろげる工夫(ソファーや照明、音楽)がされていることなどが思わぬほど患者さんの来院状況に影響を及ぼしているように考えています。

そういう意味では、平面図作成の段階からインテリアデザインも意識して、家具や照明、装飾を考えておくことをお薦めしています。家を造られた方は経験があると思いますが、インテリア一つで部屋のイメージががらっと変わってしまうことがあり、よく考えた設計によく考えたインテリアがピタリとはまると、予想以上の空間を生み出す効果があるからです。

患者さんの視点を意識したイメージがはっきりしてきたら、次は効率性や働きやすさを考えて動線設計や部屋のレイアウトにとりかかります。やはり、医師とスタッフが効果的なコミュニケーションをとりつつ、効率的に動けることは医療サービスの品質にかかわりますので、よく使う部屋は近くにおき、できる限り汚物や検体は裏にまわすようにすることが基本となります。使用頻度の低いX線室や、診療時間と使用時間がずれているスタッフルームなどは端の方にし、診察室・検査室・処置室と事務室をできる限り近くに寄せることがポイントになります。

▼ 3) 実施設計(立面図、部材選定、インテリアなど)
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こうして平面図ができると、次は実施設計に移ります。ここから先はしばらく建築家や設計士などの専門家に任せることになります。

専門家からあがってきた図面を元に、ドアの形や窓の位置、照明の場所などを細かくチェックしていきます。ここでは図面から完成をイメージするという作業が求められ、なかなか苦労を強いられることが多います。しかし諦めずにしつこく質問を繰り返しながら、理解し納得していって頂きたいと思います。

壁紙、床板、水洗器具などの素材についても写真やサンプルでよく確認します。値段が高いから良いものだろうとか、お薦めだからいいだろうなどと安易に結論づけずに、一つ一つ丁寧に確認して頂けたらと思います。部屋の部材と同様に、インテリアも平面図の設計時に想定していたものが本当に素材と合うのかどうか、この段階でチェックします。

設計のプロセスは、ある部分は専門家に頼らざるを得ない作業ではありますが、専門家任せにするのではなく自分の耳で話を聞き、自分の目でよく見て、納得いく形で結論を出して頂けたらと思います。手間をかけた分、良い物を得られることは、建築については間違いがないと考えています。

( 取締役・コンサルティング事業担当 小松大介 )

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(株)メディヴァ 開業支援・経営支援のご案内

ひとくちで「成功」といっても、「患者が多く来ること」「得意な検査に没頭できること」「患者は少なくても深くて強い絆ができること」、、、いろいろな考え方があると思います。(株)メディヴァでは、医療機関がより質の高い医療サービスを患者視点で提供することと、より経営的に成功することを支援するための情報提供として、定期的なセミナーや相談会を行っております。開業をお考えの先生方、クリニックを経営されている先生方へ、有用な情報をお届けできればと思います。

→ 開業ステップ、事例、物件情報等に関しては、メディヴァの開業支援HPをご覧下さい。
→ http://www.plata-net.com/ppm/

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■ 1月21日(土) 開業支援セミナー in 用賀アーバンクリニック
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◆ 日時: 2006年 1月 21日(土) 15:00 ~ 17:00

◆ 場所:用賀アーバンクニック(世田谷区用賀2-41-18 1階)
東急田園都市線 用賀駅(渋谷より11分)、駅1分
地図 → http://www.plata-net.com

◆ ご参加方法(下記のいずれかへお申し込み、お問合せ下さい)
・メール:support@mediva.co.jp
・電話 :03-3709-2992
・担当 :提橋(さげはし)

◆ 参加費:無料

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第1部 開業の実例
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◆ 「用賀アーバンクリニック」(院内見学あり) 15:00 - 15:55
  講師: 用賀アーバンクリニック 副院長 田中 勝巳
 -用賀アーバンクリニックのコンセプトと実践
 -電子カルテの導入と運用
 -開業前後の課題と解決方法
 -5年経過後のクリニックの現状と課題

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第2部 新規開業のプロセスと成功のポイント
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◆「患者に喜ばれ」、「成功する」開業に向けて 16:00 - 17:00
講師: (株)メディヴァ 代表取締役 大石佳能子
(株)メディヴァ 取締役
・コンサルティング事業部長 小松大介
 -開業準備の流れ・ポイント
 -事業計画書の考え方、開業資金の調達と運用
 -患者様本位の医療サービスを実現するためには
 -開業実例のご紹介
 -メディヴァの開業支援プログラムの特色

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第3部 質疑応答、個別相談
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※ご希望の先生には、弊社のコンサルタントが個別にご相談させて頂きます。お気軽にご参加ください。

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□□□□□ 次回、開業セミナーのご案内 □□□□□
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 - 2月18日(土) メディカル・プリンシプル本社(予定/東京)
 - 4月15日(土) 福岡(開催場所未定)
 - 4月22日(土) 用賀アーバンクリニック(東京)

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メディヴァ HOT TOPICS!

─ 医療法人社団プラタナス 松原アーバンクリニック open! (11/ 1)

*詳細下記

 ─ 北海道ホスピタルショウ 2005 セミナー (11/16)
「予防・治療・リハビリ・介護を一貫した地域包括システム構築」

 ─ 病医院経営に役立つデータマップ'06 (エルゼビア出版) (11/30)
「マッキンゼー流分析とコミュニケーション法」

 ─ シニアビジネスマーケット (綜合ユニコム) (12月号)
連載:コミュニティ資源としての「注目」医療サービス
第1回 <用賀アーバンクリニック>

 ─ シニアビジネスマーケット (綜合ユニコム) ( 1月号)
連載:コミュニティ資源としての「注目」医療サービス
第2回 <亀田総合病院>

 ─ 日経 ヘルスケア21(日経BP社) ( 2月号)
「在宅医療を強力に支援するために有床診でショートステイ、ホスピスを実施」

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松原アーバンクリニック いよいよ病棟稼動!

メディヴァが運営を支援している医療法人プラタナスが、用賀アーバンクリニック、桜新町アーバンクリニックに続く、3番目のクリニックがオープンさせました。プラタナスとしては初めての、18床のベッドを持つ有床診療所です。

昨年12月に外来をスタートし、そして1月からはいよいよ病棟が稼動しました。プラタナスとしては初めての取組みも多く手探りで進めている部分もありますが、院内は患者さんに喜んで頂きたいという思いと、新しいものを作り上げることへの活気に溢れています。

是非一度、ご見学にお越しください!

▼ クリニック コンセプト
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1) ファミリークリニック
内科、消化器科、外科、小児科、小児科を標榜、訪問診療も行なうことにより、赤ちゃんからお年寄りまで、地域住民すべての健康をお守りするクリニックを目指します。

2) 在宅医療をサポートする「メディカルショートステイ」
在宅医療(訪問診療)を行なう中で、急性期病院に紹介するまで重篤ではないが、自宅では行なえない医療的なサポートが必要な場合など、必要に応じて短期入院をして頂くことができる病床を持ちます。

3) 在宅・入院ホスピス
最期まで「自分らしく生きたい」と思われる患者さんをサポートするためのホスピスケアを行ないます。在宅で終末期を迎えたい方には、在宅医療を実施し、在宅で過ごすことが厳しい場合は、当院の個室に入院して頂きます。
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● 松原アーバンクリニック
東京都世田谷区松原5-34-6 アリア松原1F
03-5355-3388
京王井の頭線、明大前より徒歩10分、東松原より徒歩8分
http://www.plata-net.com/network_clinique/matsubara/index.html

● 保有検査機器
─ 透視台付きレントゲン
(回転せずに胃透視ができます。簡単な手術も可能です)
─ 上部
─ 下部内視鏡
─ 腹部超音波
─ 携帯超音波
─ 心電図

( コンサルタント 白根 真 )

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編集後記

松原アーバンクリニックが開設し、用賀から松原まで行く機会が増えました。車は混むので、自転車で、と思ったのですが、寒いししんどく、挫折しました。代わりに、バイクの免許をとることにして、週末教習所に通っています。メディヴァの社員からは、「乗るな」、「バイクを買っても隠す」と心ない言葉を投げられながら、頑張っています。でも、、、よく考えると、バイクのほうが余計寒いですよね、、。

(おおいし)

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