No.007(2005/11/08)

2005.11.08



目次




ご挨拶

ひと雨ごとに涼しくなってきましたが、いかがお過ごしでしょうか。当社関係の各クリニックも急激に風邪の患者さんが増えています。
10月12日の日経産業新聞にも掲載されましたが、メディヴァでは「医療機関向け共通インフラサービス」の提供を開始します。平均的なクリニックの大きさはコンビニくらい、小さな病院はスーパーくらいの売上げ規模です。コンビニやスーパーが一店舗で幾ら頑張ったとしても限界があり、それをサポートするために、チェーン本部の「共通インフラサービス」があります。同じように、医療機関にも「共通インフラサービス」があっても良いのではないか、と考えました。
例えば、栄養指導をきちんとやるには、指導プログラムも要るし、栄養士さんも欲しい。しかし、各クリニックが独自に開発し、雇用するのは極めて困難です。メディヴァではこういうニーズを拾って共通化したサービスとして提供することを考えています。
当面は、栄養指導、運動指導、メディカルコンセルジュ、経営管理の4つの機能を開発中です。今年度の経済産業省の健康サービス開発委託事業にも選ばれました。成果は、また後日、ご報告させていただけると思います。
皆様のお手元でも様々なプロジェクトが進行中かと思います。このメルマガが何かのお役に立てばと思いつつ、メディヴァ・メールマガジン第7号をお届けします。

( 代表取締役 大石佳能子 )

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連載開業プロセスと成功するポイント

予測患者数やクリニックコンセプト、立地条件などの情報を取りまとめ、全体として成り立ちうる事業計画となるかどうかを見極めるためには、「事業シミュレーション」を行うことが重要となります。そこで、前回と今回に分けて「事業シミュレーション」を構成する各要素についてお話してきました。

1.シミュレーション
(1)投資計画書
(2)損益計算書(P/L)
(3)貸借対照表(B/S)
(4)キャッシュフロー収支
(5)資金調達と返済計画書
(6)減価償却費計算書

前回は(1)~(3)についてお話させて頂きました。今回は(4)キャッシュフロー収支、(5)資金調達と返済計画書、(6)減価償却費計画書についてお話しし、最後にこれら(1)~(6)の各書類の相互関係を説明いたします。

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(4)キャッシュフロー収支:現金の流れ
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キャッシュフロー収支という言葉よりも、資金繰り表という言葉の方がよいかもしれません。一定期間において、どれだけの現金の入と出があったかを示す帳票になります。ぱっと考えると、現金の入=売上、現金の出=費用とイメージされるかもしれませんが、それは誤りです。実は、次のような構造になっています。

・現金の入
-売上のうち入金されたお金(窓口収入、前々月の診療報酬など)
-借り入れることで手に入れたお金(借入金、買掛金)
-減価償却費(帳簿上は費用ですが、実は現金は手元に残ります)
 ・現金の出
-費用のうち支払ったお金(支払った請求書や給与など)
-貸し付けているお金(売掛金、診療報酬のレセプト請求分)

混乱するかもしれませんが、よく考えれば単純なことで、物を買っていてもお金を支払っていなければお金は借り入れたのと同じで手元に残りますし、逆にレセプト報酬などは2ヶ月先にならないと入金されません。

このキャッシュフロー収支は非常に重要な帳票です。なぜならば、手元にお金が残っているかどうかがわかる帳票であり、もしも数ヶ月先にお金がなくなると支払が滞り倒産という目にあってしまいます。時々、"黒字倒産"という言葉が聞かれることがありますが、これは儲かっているのに現金がなくなる=帳簿上の売上はあるけれど入金がなく支払が滞るという事態です。

医療界では、レセプト請求については、遅くともほぼ95%が2ヶ月後に振り込まれるため、黒字倒産という憂き目にあうことは少ないですが、時々、一時的に費用が必要な時期(賞与など)を支払う結果、資金繰りに困ることがあります。

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(5)資金調達と返済計画書:
自己資金と金融機関融資、リースによって資金調達を行います。
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リースはそのまま経費処理されるため、損益計算書のみに表示されますが、自己資金とリースでまかなえない初期費用は金融機関融資によって調達することとなります。融資で得た資金は、金利、返済猶予期間、返済期間、返済方法(元金均等、元利均等)により月々の返済額がきまります。一般的には、1年据え置き、7-10年返済、変動金利2.5-3.5%、元利金等返済というのが標準の条件のようです。資金調達の調達元ですが、一般的には次のところが候補として考えられます。

─ 独立行政法人福祉医療機構
:公的融資で金利も安いが、地域が限定される
─ 国民生活金融公庫
:公的金融機関。金利は安いが融資額が小さい
─ 医師信用組合
:都道府県ごとに医師会と協調した融資。有効だが地域限定
─ 都市銀行・地方銀行
:一般的に金利が高めだが、一部地方銀行ではとても良い条件を出してもらえることがある。また、都市銀行も最近は力を入れ始めている
─ 信用金庫・信用組合
:金融機関への融資自体に慣れていないところが多いが、うまく話しをもっていけると安くて使い勝手が良いことが多い

* 開業資金の調達については下記もご参考ください(編)
▼ メディヴァ・メールマガジンNo.002~003
「自己資金が少ないからと開業をあきらめていませんか?」
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(6)減価償却費計算書:
リース以外で購入した資産(建物、医療機関、土地除く)には
減価償却費が定められています。
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減価償却費とは、その資産が劣化する分を経費として認め現金を残し、資産が十分劣化したときにはちょうど現金が当初の資産価格と同じだけ残っており、再投資も可能ということを前提に作られている制度です。そのため、上手に使えばかなり有用なのですが、問題もあります。

まずは、毎年の減価償却費用は法定で限度が決められてしまっており、一定額以上は経費に計上できないことです。しかもその額は、利用者が実際に資産が劣化したと感じる分よりも小さく設定されていることが多く、ある程度事業が軌道にのってきたところで再投資したいと思っても、十分な現金も残っておらず、また資産も帳簿上に残ってしまっていることがあります。

もう一つは経営の問題なのですが、減価償却という概念を正しく理解していないと、実は残すべき現金が残っていないということがよくおきます。特に個人経営で管理をしていると、ついつい預金通帳だけでお金を使ったり、支払いの良し悪しを判断してしまい、本来なら将来の投資用にとっておくべき減価償却に対応する現金が、使ってよいお金に見えてしまうのです。結果、20年たって古びた施設をリニューアルしたくても先立つものがないということが起きてしまうことがあります。

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◆ 事業シミュレーションに重要な各構成要素の相互関係
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まずは(1)投資計画書を作り、そこから(5)資金調達と返済計画書、(6)減価償却費計算書を起こした上で、必要な項目(リース料、減価償却費、金利等)を用いて、(2)損益計算書を作成するのが一般的な流れになります。

以上を、この場のみでご説明するのは難しいのですが、こうしたお金の相互関係を眺めてみると、事業におけるお金の構造化が可能となり、より実現性の高いシミュレーションを構築できる可能性が高まります。

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(1)投資計画書
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↓ ↓ ↓融資額
↓ ↓ ─────────────
↓ ↓ (5)資金調達と返済計画書
↓ ↓ ─────────────
↓ ↓資産額 ↓
↓ ─────────────

↓ (6)減価償却費計算書 ↓
↓ ───────────── ↓
↓ ↓減価償却費 ↓金利、元本返済
↓リース料 ↓ ↓
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(2)損益計算書(P/L)
──────────────────────
↓ (+) 減価償却費、税引き後利益、買掛金
↓ (-) 元本返済、売掛金
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(4)キャッシュフロー収支
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─────────── ────────────
(1)投資計画書 (2)損益計算書(P/L)
─────────── ────────────
↓ ↓減価償却による現金増加、資産劣化
↓資産、資金、負債 ↓税引き後利益-元本返済による繰越金
↓ ↓売掛金、買掛金の出入り
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(3)貸借対照表(B/S)
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業者や金融機関が作成する帳票だけではなく、ご自分の手でそれぞれの帳票を作成し、相互の関連性を理解して頂けると良い経営に繋がるのではないでしょうか。医療そのものには関係が無いようにも見えますが、医療機関経営にあたっての「肝」であること、また事業成功の鍵であることをご理解いただけたらと思います。

( 取締役・コンサルティング事業担当 小松大介 )

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プロジェクトの成功と工程表の役割

工程表と聞いてまず連想するのは「プロジェクト」とか「プロジェクト管理」という言葉ではないでしょうか? 工程表は、プロジェクトを成功に導くための「ツール(道具)」のひとつであり、ソフトウェアの開発やビルやプラントの建設工事においては、無くてはならないものです。では、なぜプロジェクトには、工程表が必要なのでしょうか?

◆ プロジェクトの成功とは
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プロジェクトの成功とは「限られた予算」と「限られた時間」のなかで、「目的とする要求仕様を満足すること(最大のパフォーマンスを発揮すること)」と定義できると思います。つまり、プロジェクトの成功には、
(1) 品質 (成果)
(2) コスト(お金)
(3) 期間 (時間)
の3つの関係を適切に維持することが必要なのです。もちろん、この他にもコミュニケーションやリスク管理などという事柄も大事だと思われるかもしれませんが、これらは、上記の3つの関係を維持するために必要な事柄と言えるでしょう。

◆ 工程表の役割とは
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工程表の役割というと、(3)の「期間(時間)」を管理するものであることは、容易に想像することができますが、実はこれだけではありません。工程表は、この3つ指標の適切な関係維持のために重要な役割を果たしているのです。

「工程表の作成」は、作業項目を明らかにし、その作業を誰がするのか、限られた予算で実行することは可能なのかを考える作業です。また作成過程において、各工程におけるリスク分析をすることも可能です。つまり、「工程表の作成」はそのプロジェクトをシュミレーションすることなのです。また、「工程表の管理」は、成果のチェックあり、コストのチェックでもあります。ある時点において、目標とする成果が出ていないのであれば、その対応策を検討するきっかけとなり、その対応策を行うにために必要なコストを再確認するきっかけとなるのです。
つまりは、「工程表の管理」は、(1)「品質」、(2)「コスト」、(3)「期間」の適切な関係維持を計測しているセンサーの働きをしているのです。

◆ クリニックの開業・経営と工程表
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クリニックにおいては、まずは「クリニックを開業すること」が、一大プロジェクトです。この一大プロジェクトを成功させるために、「工程表の作成」と「工程の管理」を心がけましょう。また、開業という大きなプロジェクトをひとまず完了された先生方は、日々の業務課題に対して「工程表の作成」や「工程の管理」というプロセスを取り入れてみてはいかがでしょうか?

日々の課題というのは、プロジェクトと言うほどの大きな課題では無かったりするので、工程表を作成するということをせずに、取り組まれていることの方が多いと思います。確かに工程表など作成しなくても、院内の日々のミーティングなどで対応することが可能であることの方が多いと思います。ただ、日々の小さな課題に対しても「限られた予算」と「限られた時間」のなかで、「目的とする要求仕様を満足すること(最大のパフォーマンスを発揮すること)」を目標に取り組むためには、「工程表の作成」と「工程表の管理」というプロセスを持つことは有効だと思います。

これらのプロセスは、小さい課題であるがゆえに、落としがちな項目に対して「気づき」を与えること、甘えがちな期限に対して「厳しさ」を持つことの助けになるのだと思います。そして「工程表の作成」と「工程の管理」というベースが出来てくると、常に「成果」と「コスト」と「期間」を意識して物事に取り組むことが出来るようになってくるのではないでしょうか。

◆ まとめ
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プロジェクトを成功させるためには、「工程表」は有効な「ツール」です。
プロジェクトには、クリニック開業という大きなプロジェクトもあれば、日々の業務に対する小さな課題もあります。大きなプロジェクトも小さなプロジェクトも「限られた予算」と「限られた時間」のなかで、「目的とする要求仕様を満足すること(最大のパフォーマンスを発揮すること)」という成功を得るために、工程表を有効に使いこなしましょう。

そして「工程表の作成」と「工程の管理」で得られる「成果」と「コスト」と「期間」を意識して物事に取り組む力を付けていきましょう!

(コンサルタント 後藤 秀之 )

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(株)メディヴァ 開業支援・経営支援のご案内

ひとくちで「成功」といっても、「患者が多く来ること」「得意な検査に没頭できること」「患者は少なくても深くて強い絆ができること」、、、いろいろな考え方があると思います。(株)メディヴァでは、医療機関がより質の高い医療サービスを患者視点で提供することと、より経営的に成功することを支援するための情報提供として、定期的なセミナーや相談会を行っております。開業をお考えの先生方、クリニックを経営されている先生方へ、有用な情報をお届けできればと思います。

→ 開業支援情報
開業ステップ、事例、物件情報等に関しては、メディヴァの開業支援
HPをご覧下さい。 → http://www.plata-net.com/ppm/

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■ 11月12日(土) 開業支援セミナー in 用賀アーバンクリニック
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◆ 日時: 2005年 11月 12日(土) 15:00 ~ 17:00

◆ 場所:用賀アーバンクニック(世田谷区用賀2-41-18 1階)
東急田園都市線 用賀駅(渋谷より11分)、駅1分
地図 → http://www.plata-net.com

◆ ご参加方法(下記のいずれかへお申し込み、お問合せください)
・メール:support@mediva.co.jp
・お電話:03-3709-2992
・担当:提橋(さげはし)

◆ 参加費:無料

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第1部 開業の実例
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◆ 「用賀アーバンクリニック」(院内見学あり) ・・・ 15:00 - 15:55

講師: 用賀アーバンクリニック 副院長 遠矢 純一郎

- 用賀アーバンクリニックのコンセプトと実践
- 電子カルテの導入と運用
- 開業前後の課題と解決方法
- 4年目を迎えたクリニックの現状と課題

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第2部 新規開業のプロセスと成功のポイント
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◆「患者に喜ばれ」、「成功する」開業に向けて ・・・ 16:00 - 17:00

講師:(株)メディヴァ 代表取締役 大石佳能子
(株)メディヴァ 取締役・コンサルティング事業部長 小松大介

- 開業準備の流れ・ポイント
- 事業計画書の考え方、開業資金の調達と運用
   - 患者様本位の医療サービスを実現するためには
   - 開業実例のご紹介
   - メディヴァの開業支援プログラムの特色
 

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第3部 質疑応答、個別相談
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※ご希望の先生には、弊社のコンサルタントが開業にあたってのご相談にのらせて頂きます。 お気軽にご参加ください。

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メディヴァの最新情報

─ 医療法人社団レニア会 きよせの森総合病院 分院
ウイメンズ・クリニック大泉学園 OPEN (11/ 1)
http://www.reniya-womens.com/

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Medi-wa(メディ輪) 正式版、いよいよ開始!

Medi-wa(メディ輪) 正式版、いよいよ開始!

*メディヴァでは、医療関係者向けソーシャルネットワーキングサービス*
*[Medi-wa]の、正式版サービス提供を2005年10月30日より開始しました *

 ◆ [Medi-wa](メディ輪) http://mediwa.jp/
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Medi-waは医療に関わる"人"と"情報"のつながりを変え、医療の"輪"を広げていくための、SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)です。
試験的なプロジェクトとして2005年6月16日よりベータ版を開始し、現在のユーザー数は550名となっています。本番開始にあたって、新機能としてレビュー機能、アクセス数/リンク数/参加人数、掲示板の書き込みの多い盛り上がり度などのランキング機能を追加しました。

ユーザーは、医師、薬剤師、看護師といった専門職だけでなく、全国の地域医療連係室の担当者やジャーナリスト・新聞記者、医療メーカーの担当者、コンサルタントなど、医療に関わる広い範囲の人が参加しています。コミュニティ数は101で、「在宅医療の会」、「病院の災害医療対策」、「あるある施設基準等届出大辞典」などメンバー・話題別に様々です。
(*編集後記に出てくる「ダイエットダービー」のコミュニティにも、こちらから参加できます。)

◆ 参加方法
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Medi-waに参加をご希望の方は、①氏名、②所属、③メールアドレスと
メディヴァメルマガでご覧になった旨を沿え、info@mediwa.jpまでメールをお送りください。

◆ SNSとは??
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SNSとは、ソーシャルネットワーキングサービス(Social Networking Service)もしくはソーシャルネットワーキングサイト(Social Networking Site)の略で、米国googleのOrkutというサービスをきっかけに、爆発的な勢いで世界中に広がりました。
会員制のコミュニティ型のWebサイトで、基本は既存の参加者からの招待がないと参加できないシステムになっています。招待制と友人一覧機能により、実際の繋がりに基づく信頼感があり、従来までのインターネットの掲示板などと比較して、実名性が高く、また情報の質が高いため、ブログと共に、近年非常に注目が高まっているサービスです。

◆ 参考
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総務省
ブログ・SNS(ソーシャルネットワーキングサイト)の現状分析及び将来予測
http://www.soumu.go.jp/s-news/2005/050517_3.html

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編集後記

医療機関向け共通インフラサービス」開発の一環として、栄養指導プログラムを作り込んでいます。栄養指導のロジックは世の中にいろいろありますが、楽しく続いて効果があるものを作ろうと、まずは社員が自ら実験台となりました。現在、2班に分かれて「ダイエット・ダービー」が進んでいます。当社の小松コンサルティング事業部長(ハードな仕事ぶりと、料理上手な奥さんのおかげで生活習慣病の宝庫)と、私(早朝から飲酒しながら原稿書きの毎日)のどちらの班が勝つか??真剣なレースが展開されています!

(大石)

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